2021年9月6日 コラム

コロナ禍で赤字になっているのですが、銀行から借入できますか?[質問No.7]

~【教えて!やましゅうさん!】スモールビジネス経営者の資金繰りお悩み相談室~

「資金の相談をできる人がいない」「ファイナンスのスキル・ノウハウを高めたい」
これらは、多くのスモールビジネス経営者に共通する悩みでしょう。
このコーナーでは、経営者が抱える資金繰り・資金調達の悩みに、企業のコーポレート部門で責任者として資金調達や株式上場を主導し、現在は公認会計士・税理士として活躍する経験豊富な専門家が回答し、課題解決のヒントや新たな気づきを提供していきます。ぜひご活用ください。

コロナ禍で無収入になったが、借入はできるのか

Q. コロナ禍で赤字になっているのですが、銀行から借入できますか?

2019年8月に創業しましたが、売上は少ない状態でした。
その後、新型コロナウイルスの影響で、数か月間ほとんど無収入の状態となりました。現在は新しい仕事も始めて収入は増えていますが、継続するには経費がかかります。

銀行に融資をお願いしてみましたが、創業して間もなく、売上もそれほど多くないこともあり難航しています。このような状況での資金調達は、あきらめたほうがよいのでしょうか?

A.頻繁に情報をチェックし、同時に経営改善計画を作ってみよう

コロナ禍での一時的な赤字である場合や、事態の収束後に解消できる事業計画が合理的に見込める場合は融資を受けられる可能性はあります。

また、現在、政府がコロナ対応の融資枠を大きく確保しています。経済産業省や政府系金融機関のWebサイトにもたくさんの情報が出されていますし、融資の条件となる売上の減少要件等も逐次緩和や拡大がされているケースが往々にしてありますので、粘り強く自社に適用される融資枠が出ていないか確認してみてください。信頼できる税理士さんや会計士さんに相談されるのもいいかもしれません。

一点、ご相談の内容からは「経費」の中身が判断できなかったのですが、何にいくらかかっているのかを整理しないと、銀行側も融資の判断が難しいことが想定されます。

with/afterコロナでの市場環境に即した新しい販売戦略とともに、取引先への値下げや支払期日変更の交渉を含むコスト構造の抜本的な改革を織り込んだ経営改善計画を作るなど、自社であらかじめ対応できることをやりきったうえで融資申込の相談を行うとスムーズに進む確率はきっと高まります。

自社内だけでそういった経営改善計画を作るのが難しいという場合には、経営革新等支援機関のようなプロの方にサポートいただくのもひとつの有効な手段ですのでご検討ください。なお、経営革新等支援機関は中小企業庁によりWebで公開されていますので、検索サイトで自社に合う専門家を見つけるなどしてもらえるといいと思われます。

資金調達をあきらめるということは、すなわち会社の終わりを意味することに近いはずです。お辛い状況におありだとは思いますが、まずはコスト構造の見直し、販売戦略や市場の変更など、自社ができることをやりきったうえで諦めずに融資申し込みをしてみてください。

一方で、改善の目処がどうしても立たないという場合には、速やかにコストの発生を止め事業を停止するという判断もやむをえない選択肢と思います。その辺りも具体的な相談を専門家にされることが有用であると存じます。

コロナ対策融資などに関する詳しい情報は、下記の記事を参考にしてみてください。

<strong>山本 修一</strong>
山本 修一

公認会計士・税理士
株式会社ロバスト・スチュワード 代表取締役社長

Ernst&Young(現EY)にて、国内上場企業や外資日本法人向けの会計監査および法人税務サービスに7年間従事。その後NXP Semiconductors(NASDAQ)の日本子会社での経理財務担当のポジションを経て、ランサーズ株式会社に入社。コーポレート部長として経営管理および上場準備業務を担当(同社は2019年東証マザーズ上場)。
同社を退社後は公認会計士事務所としての活動により、広くベンチャー企業の経営管理を外部からハンズオンでサポートするかたわら、自身もベンチャー企業の社外監査役を務める。2021年、株式会社ロバスト・スチュワードを設立し、なめらかな専門性を社会に還元するための事業開発に取り組む。京都大学経済学部経済学科卒業。

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