2023年5月10日 基礎知識

資金繰りを改善するための10の方法|資金繰りが悪化する原因と資金調達方法も解説

資金繰りを改善するための10の方法|資金繰りが悪化する原因と資金調達方法も解説

事業を継続していく上で欠かせないスキルの一つが資金繰りです。資金繰りを悪化させないためにやるべきことや、悪化した場合の改善方法を把握しておくことは経営者として非常に重要なことです。本記事では、資金繰りが悪化する原因を踏まえて、資金繰りを改善するための方法と資金調達方法を紹介します。

目次

資金繰りが悪化する原因とは

資金繰りが悪化する原因とは

資金繰りが悪化している状態とは、必要な経費を支払うための資金が不足していることをいいます。収入が減少している、あるいは支出が増大しているなど収支のバランスが崩れているために起こります。

資金繰りが悪化してしまった場合にまずやるべきことは、原因を分析することです。原因を特定できなければ適切な対策を講じることもできません。資金繰りが悪化する原因として多いのは以下のようなケースです。

  • 赤字が続いている
  • 急激な売上の上昇
  • 借入返済額の増加

代表的な原因は赤字経営で、収入が支出を下回っている状態です。要因が明確な一時的な赤字であれば問題ありませんが、赤字経営が続けば手元資金が枯渇して資金繰りが悪化します。

また、急激な売上の上昇も資金繰りを圧迫する原因になるので注意する必要があります。多くの注文があると、これに伴い製品やサービスの生産に必要な原材料や人員などのコストが増加し、現金が必要になるためです。

借入返済額の増加も資金繰りが悪化する原因です。無理な返済計画となっていることに起因します。このほかにも、取引先の業績不振や倒産、売掛金の回収タイミングが遅いなど様々な原因が考えられます。

資金繰りを改善する10の方法

資金繰りを改善する10の方法

資金繰りが悪化する原因を特定したら、改善策を講じていくことが必要です。ここでは、資金繰りを改善するための10の方法を紹介していきます。

売上の向上

売上を着実に向上させることによって収入が増え、資金繰りが改善されます。売上が伸び悩む要因は様々ですが、4P(製品:Product、価格:Price、流通:Place、販売促進:Promotion)の観点で事業戦略を見直すことが基本です。

  • 顧客ニーズや競合との差別化を視野に入れた商品・サービスの提供
  • 価格戦略の見直し
  • 販売ルート・チャネルの見直し
  • 販売促進活動やマーケティング活動の見直し

自社の課題を把握し、戦略的に取り組んでいくことが大切です。

コストの見直し

どれだけ売上を向上させても、コストが膨らんでいては手元に残る資金が少なくなってしまいます。具体的な施策として以下のような方法があります。

  • 費用対効果が悪い広告を抑える
  • 不必要な経費を削減する
  • 仕入・販売コストの適正化を図る

コストの見直しではやみくもにコストカットするのではなく、各コストの必要性や効果に着目することが重要です。例えば、広告費では費用対効果について検証することが大切です。原材料費や人件費などは製品・サービスの品質に影響するため、慎重に検討する必要があります。

組織の見直し

組織全体の見直しをすることでコスト削減や業務の効率化を図ることができ、資金繰りの改善を目指すことが可能です。具体的な施策としては、業務内容に合わせて組織の再編成を行ったり、業務プロセスの改善を行うなどが挙げられます。

ただし、組織の見直しは従業員に大きな影響を及ぼすことがあるため、慎重に検討していく必要があります。十分な情報共有やコミュニケーションを行いながら、スムーズな組織の見直しを行っていくことが重要です。

事業戦略の見直し

会社を取り巻く経済状況や顧客のニーズは絶えず変化します。必要に応じて事業戦略を見直すことも大切です。市場の変化や競合の動向に応じて、新商品の開発や既存商品の改善、市場の多角化などを検討するとよいでしょう。

過剰在庫の見直し

過剰在庫とは、仕入れた商品が売れ残り、長期間にわたって倉庫に在庫を抱えている状態です。過剰在庫を抱えていると、利益の見込みがない商品が倉庫スペースを占め、管理するための費用もかかってしまいます。定期的に棚卸しを行い、不要な在庫は売却するなど効率的な在庫管理を徹底するようにしましょう。

売掛金の早期回収

売掛金の回収期間が長いと、資金繰りに影響してしまいます。売掛金の入金サイクルが長い取引先には入金サイクルを早めてもらう、または取引条件を見直すなどの対策を講じることで資金繰り改善につなげることができます。

また、売掛金を早期に現金化する方法としてファクタリングがあります。売掛金を金融機関や専門会社に売却することで、入金期日前に現金化する方法です。ただし、売掛金額に一定の利率をかけた手数料がかかります。

支払いを遅らせる

買掛金や仕入の支払いを遅らせることも、資金繰りを改善する方法の一つです。取引先企業との関係性に考慮しながら、仕入の支払期間を伸ばしてもらえないか支払条件を交渉するとよいでしょう。

遊休資産の売却

遊休資産とは企業が保有しているものの、活用されていない資産のことです。遊休資産を

売却して現金化することで資金繰りが改善され、経営における柔軟性が高まります。また、不要な資産を手放すことで、管理にかかっているコストや手間、リスクなども軽減できます。

ただし、経年劣化の程度や立地条件などによっては、遊休資産を希望する金額で売却できない可能性があるため注意が必要です。また、現在は活用されていなくても、将来的に活用できるケースもあります。遊休資産を売却する際は、慎重に検討するようにしましょう。

取引先の与信管理

与信管理とは、企業が取引する取引先の信用力を把握し、債務不履行のリスクを最小限に抑えるために行う管理方法です。具体的には取引先ごとに販売の限度額を設けたり、与信調査を実施して取引の可否を判断したりします。

取引先が倒産してしまうと売掛債権が回収できなくなってしまい、資金繰りが悪化してしまう恐れがあります。売掛債権を確実に回収するためにも、取引先の業績が著しく悪化していないか、倒産の予兆がないかなどをしっかりチェックするようにしましょう。

資金繰り表作成による管理

資金繰り表の作成による管理の徹底も資金繰りを改善するために有効です。資金繰り表は、近い将来の収支や手元に残る資金を予測するために作成します。

収支のバランスは常に一定ではなく、経済状況やビジネス環境の変化によって変動するものです。資金繰り表を作成することで、数ヶ月先までの資金繰りの状況を予測できるようになり、早期に適切な経営判断を行うことが可能になります。資金不足が予想される場合は銀行から借入を行う、支払いサイトを延ばすなどの対策を打てるため、資金繰り改善に役立ちます。

資金繰りの改善に役立つ資金調達方法とは

資金繰りの改善に役立つ資金調達方法とは

資金繰りを改善する方法として、外部から資金を調達するのも一つの手段です。ここでは、資金繰りに役立つ資金調達方法について紹介します。

制度融資

制度融資とは、地方自治体・金融機関・信用保証協会の3機関が連携して提供している融資です。低金利かつ長期間での返済ができるため、資金繰りを改善したい場合に検討したい方法の一つです。

ただし、制度融資は3つの機関が審査に関わるため、手続きに時間を要するというデメリットがあります。資金が必要なタイミングに間に合うよう、計画的に進めるようにしましょう。

マル経融資

マル経融資とは融資を受ける際、商工会議所や商工会に推薦してもらうことで、担保・保証人不要で融資が受けられる日本政策金融公庫の融資制度です。商工会議所や商工会などの経営指導(原則6ヶ月以上)を受けた中小企業や個人事業主に対して、最大2,000万円の融資を行っています。

経営セーフティー共済(中小機構)

経営セーフティ共済は独立行政法人中小企業基盤整備機構が提供している制度です。取引先が倒産したことで売掛金債権回収が困難になった時に活用できます。無担保・無保証人で掛金の最高10倍(上限8,000万円)での借入が可能です。

1年以上事業を行っている中小企業者が対象で、個人事業主や組合も加入することができます。

ビジネスローン

ビジネスローンとは、民間の金融機関や消費者金融が提供している融資商品です。大きな特徴は融資スピードです。サービスによっては申込から着金まで最短即日で完了するため、すぐに資金が必要な事業者におすすめの融資商品です。ただし、日本政策金融公庫に比べると、金利は高めに設定されています。

資金繰りに役立つ資金調達方法を探すなら「freee資金調達」が便利

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中小企業をはじめ、あらゆるビジネスにとって資金繰りは極めて重要な課題です。当記事を参考に資金繰りが悪化する原因を分析し、資金繰り改善に役立てていただければ幸いです。

また、資金調達方法には様々な種類があるため、事業に合ったものを選ぶことが重要です。効果的に資金調達を活用し、事業の成長につなげていきましょう。

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