個人事業主が借入をするには?
個人事業の開業時、業種によってはまとまった資金が必要になります。店舗を持つ場合は物件費、飲食店の場合は設備のための資金、仕入れ費用も必要でしょう。また、創業後も事業の拡大のために運営費や設備費が必要になるケースもあります。
個人事業主が借入をするのは難しいのでは?と思う方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。この記事では、個人事業主と借入について詳しくご紹介していきます。

目次
- 個人事業主の借入先①日本政策金融公庫
- 個人事業主の借入先②自治体が提供する制度融資
- 個人事業主の借入先③銀行
- 個人事業主の借入先④家族や友人
- 借入以外の資金調達方法
- 資金繰り・資金調達をサポート
- 資金調達freee:複数の金融商品を簡単に比較・申込ができる
- 事業用クレジットカード:freeeカード
- まとめ

個人事業主の借入先①日本政策金融公庫
日本政策金融公庫は、民間の金融機関の役割を補完する目的で設立された政府系金融機関です。国民生活事業、中小企業事業、農林水産事業の3つの融資事業を提供しています。
個人事業主の方は国民生活事業の融資制度に申し込みをしてみるといいでしょう。
日本政策金融公庫が提供する融資制度は様々で、創業時の個人事業をサポートする融資や、外部環境の影響で経営が悪化した時の融資、新規事業支援、若者・女性・シニア起業家を支援する融資制度もあります。
国民生活事業の融資制度
融資制度 | 対象者 | 限度額 | 融資期間 (うち据置期間) |
---|---|---|---|
一般貸付 | ほとんどの業種の中小企業の方が利用可能 | 4,800万円 (特定設備資金は7,200万円) |
設備資金:10年以内(2年以内) 特定設備資金: 20年以内(2年以内) 運転資金: 7年以内(1年以内) |
新規開業資金 | 新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方 | 7,200万円 (うち運転資金4,800万円) |
設備資金:20年以内(2年以内) 運転資金: 7年以内(2年以内) |
新創業融資制度 | 新たに事業を始める方または事業開始後で税務申告を2期終えていない方 | 3,000万円 (うち運転資金1,500万円) |
各融資制度に定めるご返済期間以内 |
女性、若者/シニア起業家支援資金 | 女性または35歳未満か55歳以上の方であって、新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方 | 7,200万円 (うち運転資金4,800万円) |
設備資金:20年以内(2年以内) 運転資金: 7年以内(2年以内) |
マル経融資 (小規模事業者経営改善資金) |
商工会議所、商工会または都道府県商工会連合会の実施する経営指導を受け、推薦を受けた方 | 2,000万円 | 設備資金:10年以内(2年以内) 運転資金: 7年以内(1年以内) |
経営環境変化対応資金 | 売上が減少するなど業況が悪化している方 | 4,800万円 | 設備資金:15年以内(3年以内) 運転資金: 8年以内(3年以内 |
取引企業倒産対応資金 | 取引企業などの倒産により経営に困難を来している方 | 別枠3,000万円 | 運転資金: 8年以内(3年以内) |
申し込みから融資実行まで
日本政策金融公庫は、借入の申込から実行までは約1ヶ月かかります。
このため、資金需要がある時期(お金が必要になる時期や不足する時期)の2ヶ月前から準備を始めると良いでしょう。なお、上記の表は融資の限度額を表したもので、融資平均額は約700万円(日本政策金融公庫『融資制度一覧から探す』より)です。
金利
金利は銀行のプロパー融資と比較して低めに設定されていますが、借入の理由や事業の状況によっても異なります。出来るだけ低金利で借りるためにも、しっかりと資料の準備をして返済能力を示すことが大切です。
また、1回目の借入の返済をきちんと終えれば実績になり、2回目以降の金利を抑えることができます。日本政策金融公庫から融資を受け、返済したという事実は銀行融資を申し込む際も実績として評価してもらえます。
個人事業主の借入先②自治体が提供する制度融資
日本政策金融公庫からの借入と並んで個人事業主におすすめしたいのが、自治体が提供する制度融資です。制度融資では、地方自治体・金融機関・信用保証協会が連携して中小企業や個人事業主に融資をしてくれます。
一般的に個人事業や小規模事業は信用が低く、銀行融資の審査に通りにくいという現状があります。制度融資では、この点をカバーするために信用保証協会が信用保証をしてくれ流のです。信用保証料を支払う必要はありますが、万が一返済ができなくなった場合に弁済をしてくれるため、審査に通りやすくなっています。
さらに自治体が信用保証料の補助や、融資の貸付資金を金融機関に一部預託してくれる点も魅力です。これにより、審査に通りやすくなる上に、保証料や金利の負担も軽減されます。
ただし、関わる機関が多いため、申し込みから審査実行まで時間がかかる点には注意が必要です。
融資制度は各自治体によって異なりますので、「お住いの都道府県名+制度融資」で検索してみるといいでしょう。
個人事業主の借入先③銀行
銀行が提供する融資には、プロパー融資とビジネスローンがあります。プロパー融資は準備する資料も多く審査も厳し目です。対してビジネスローンは審査がやさしめで申し込みから融資実行までスピーディに行われる点が魅力です。そのぶん金利は高くなりますが、すぐに資金が必要な場合に有効でしょう。
ビジネスローンの中には、会計ソフトが銀行と提携して提供しているものもあります。会計ソフト内に蓄積されたデータや決算書を元にビジネスローンの申請を行えるため、いくら必要なのか、どれくらいで返済するのが良いのかなどを判断しやすいでしょう。担保が不要な点も魅力です。
企業名 | ビジネスローン名 | 概要 |
---|---|---|
横浜銀行 | 〈はまぎん〉スーパービジネスローン | 横浜銀行が会計ソフトのfreeeと提携して提供するビジネスローン。売上高10億円以下の中小企業であること、業歴2年以上かつ直近2期以上の確定申告を継続完了していること、金融機関からの借り入れの延滞および税金の滞納のないことなどいくつか条件がある。 金利は、固定金利で年2.50%~ 、変動金利で年2.70%~ 。担保不要。 |
PayPay銀行 | 大手オンラインバンク・PayPay銀行がfreeeと提携して提供するビジネスローン。利用限度額の範囲内で何度でも借り入れ可能、申し込みはネット完結、申し込み後最短で翌営業日から借り入れ可能などの特徴がある。金利は2.8~13.8%。最大500万円まで借り入れ可能。担保不要。 |
個人事業主の借入先④家族や友人
資金の目処がどうしても立たない場合、家族や友人に借入をお願いするのも一つの方法です。
「2013年度新規開業実態調査」(日本政策金融公庫 総合研究所調べ)によると、創業資金総額に占める自己資金の割合は27%、金融機関等からの借入金が61%、親族が6%、その他が6%となっています。
自己資本と金融機関等からの融資で全てまかなうことができれば良いですが、足りない場合や融資を断られてしまった場合などは、家族や友人に頼るのも一つの方法です。借入をする際は、いつまでに返すのかなどしっかりと取り決めをしましょう。
借入以外の資金調達方法
ここまで個人事業主と借入について詳しくご紹介してきました。借入はデット・ファイナンスと呼ばれ、「負債」に分類されます。
資金調達にはこの他にも、売掛債権を現金化するファクタリングや、事業アイデアや商品の共感を呼びかけ第三者からお金を募るクラウドファンディング、支払いを先送りにするクレジットカードなどがあります。
最適な資金調達方法を選択するためにも、普段から資金繰り表を作って資金の流れを把握することが大切です。
資金繰り・資金調達をサポート
この記事をご覧になっている方は、普段から資金繰りの状況についてチェックなさっているでしょうか。会計freeeのユーザーアンケートによると、定期的に資金状況についてチェックしている方は約50%、確認の方法は預金残高通帳です。
キャッシュは企業存続の命綱です。キャッシュフローや今後の資金繰り予測などは会社経営の重要な要素の一つであり、資金調達は企業継続・繁栄の重要な手段です。
ただし、資金繰りや資金調達は難しい、よくわからない。そう思っている方も多いのではないでしょうか。
そこで、freeeでは資金繰り・資金調達をスムーズにおこなうためのサービスを提供しています。
資金調達freee:複数の金融商品を簡単に比較・申込ができる
資金を調達したいが、なにが自社に適した調達手段なのか、借入できる商品なのかがわからないという経営者の大きな悩み。最終的には税理士の言う通りにするがこれで良かったのか?と不安がつきまといます。
資金調達freeeでは、いくつかの質問に答えれば複数の資金調達手段から、自社に最適な商品を比較できる形で紹介。サービスは即日利用が可能で、そのままオンラインで申し込みまでが可能になります。

事業用クレジットカード:freeeカード
資金調達、資金繰りの手段として最後にご紹介したいのが事業用クレジットカード(ビジネスカード)です。
「独立する前にクレジットカードを作っておくように」と勧められたことはありませんか?一般的に、個人事業主、フリーランス、経営者などご自身で事業を運営するようになると、クレジットカードの審査に通りにくくなると言われています。
しかし、支払いを先送りする方法としてクレジットカードは有効な手段の一つです。このためfreeeでは、事業をお持ちの方に特化したクレジットカードを提供しています。ブランドはVISA、Master、American Expressといった主要国際ブランドを揃えた豊富なラインナップを揃えており、オンラインからすぐに申し込むことが可能です。
まとめ
事業を運営・拡大していく上で資金繰りに関する問題は避けて通れない道です。また、なかなか相談相手がいない話題でもあります。
資金調達freeeや会計freeeのデータを活用して、事業を効率的に運営していきましょう。
- ローン商品や給付金等の情報は、特に断りがない限り記事公開現在のものです。最新の情報は各金融機関のホームページや公式サイトでご確認ください。
- freee資金調達はお客様のサービス選択時の参考情報提供を目的としており、特定の金融機関、ローン商品の優劣を示したものではありません。
- 各金融機関の審査結果によっては利用できない場合があります。