2022年8月31日 基礎知識

花屋開業の流れ|押えておくべきポイントや開業資金、資金調達方法を紹介

花屋開業の流れ|押えておくべきポイントや開業資金、資金調達方法を紹介

花を通して、たくさんの人に幸せを届けることができるのが花屋の魅力です。美しい花々に囲まれて仕事する姿を見て「自分も花屋を開業したい」と思う方もいるのではないでしょうか。

本記事では花屋の開業の流れや押えておくべきポイント、必要な資格と届出、資金調達方法について紹介します。これから花屋を開業する人はもちろん、 花屋の開業を検討している人はぜひ参考にしてください。

目次

花屋を開業する流れと押さえておくべきポイント

花屋で成功するためには、開業前の準備が非常に重要です。花屋を開業する流れについて、押さえておきたポイントを踏まえながら解説していきます。

コンセプトを決める

どのような花屋を開業したいか、コンセプトを決めましょう。コンセプトを決めることで立地や内観、品揃えなど、開業に向けての具体的なイメージが見えてくるので準備が進めやすくなります。

継続的に利益を出していくためには、お店の独自性を意識することが大切です。例えば「お店の雰囲気がオシャレ」「アレンジメントにこだわりがある」など独自のポイントがあることで、競合との差別化を図れます。遠くても足を運びたいと思ってもらえるような、オリジナリティ溢れるコンセプト作りを目指しましょう。

物件を探す

実店舗で開業する場合は、物件を探す必要があります。理想の物件を探そうとすると、予想以上に時間がかかってしまうこともあるので、早い段階で物件を探し始めましょう。

花屋は、人通りが多い場所が選ばれる傾向があります。通行人の目に留まりやすく、集客しやすいためです。一方で、駅近や大通りなど立地の良い場所は、家賃や物件取得費が高額になりがちです。費用やコンセプトを踏まえながら、最適な物件を選びましょう。

取り扱う商品を決める

花屋を開業するにあたって取り扱う商品を決めていきます。花屋の商品は、具体的に以下のようなものがあります。

  • 生花
  • 花束
  • アレンジメント
  • ドライフラワー
  • プリザーブドフラワー
  • 観葉植物
  • 花アクセサリー

生花や花束に関しては、花の鮮度に気をつけなければいけません。仕入計画をしっかり立てないと、売れずにロスになってしまうことも考えられます。シーズンに合わせて適切な量と種類を仕入れるようにしましょう。

仕入れルートを決める

取り扱う商品が決まったら、次は仕入れルートの確保です。花の仕入れ方法は以下の通りです。

  • 卸市場で仕入れる
  • 仲卸業者を利用して仕入れる
  • 生産者から直接仕入れる
  • ネットで仕入れる

卸市場から直接仕入れる方法は、花を安く仕入れられるというメリットがあります。ただし、市場で取引するためには「買参権」と呼ばれる権利が必要です。買参権の取得には経験年数や仕入実績が求められるため、開業間もない業者は直接取引はできません。

開業したての頃は、仲卸で経験を積むのがおすすめです。仲卸業者は、市場や生産者とのパイプを持っているため、花業界の動向に詳しいスタッフが多くなっています。まずは仲卸で経験を積んでから、市場に参入することを検討してみましょう。

集客対策を講じる

開業前から集客対策を行うことで、開業後の弾みをつけられます。具体的な施策は以下の通りです。

  • ホームページの作成
  • Googleマイビジネスの登録
  • メディアや雑誌への掲載
  • リスティング広告
  • InstagramなどのSNSの開設・発信
  • ポスティングや新聞折込み

SNSは基本的に無料で始めることができ、店舗や商品の認知を広めるのに役立ちます。特にInstagramは写真メインのSNSなので、写真映えする花とは相性がよい方法です。ただし、SNSは一定の効果が出るまで時間がかかります。開業前からコツコツと情報を発信したりして、認知度を高めていくことが大切です。

花屋の開業に必要な資格と届出

花屋を開業する上で、必須の資格はありません。しかし、お客様から「どのような花を選べばいいか」と相談を受けたり、お客様の要望に合わせて花をアレンジしたりするのが花屋の仕事です。花関連の資格を取得しておくことで知識や提案の幅が広がります。

〈花関連の資格〉

  • フラワーアレンジメント
  • フラワーデザイナー
  • フラワー装飾技術士

〈色彩に関する資格〉

  • カラーコーディネーター検定
  • 色彩検定

必要な届出:開業届

花屋を開業するにあたって、税務署に開業届を提出する必要があります。提出期限は事業を開始してから1ヶ月以内とされています。

確定申告において青色申告を選択する場合は、開業届とあわせて青色申告承認申請書を提出しなければいけません。青色申告を行うことで、最大65万円の所得控除を受けられるなどのメリットがあります。提出期限は事業開始日から2ヶ月以内となっているので、忘れずに提出しましょう。

花屋の開業資金はどれくらい?

花屋の開業資金は、事業規模や出店スタイルによって異なります。ここでは、実店舗で開業する場合の費用を紹介します。あくまで目安として参考にしてください。

費用

金額

物件取得費

家賃の3ヶ月〜6ヶ月分

内装・外装工事費

100万円〜300万円

什器など設置費

10万円〜100万円

車両代

50万円〜150万円

広告宣伝費

5万円〜30万円

このほか、開業時には当面の運転資金を用意しておく必要があります。運転資金には、家賃・仕入れ代・備品類・人件費・光熱費・広告宣伝費などがあります。開業直後から売上が軌道に乗るとは限らないため、安定的に経営する上では運転資金は少なくても3ヶ月分以上用意しておくことが理想です。

物件取得費

物件取得費用は、物件を取得する際にかかる費用です。具体的には保証金、礼金、仲介手数料などが含まれます。自宅で開業すれば、物件取得費用はかからないため、開業資金を抑えられます。

内装・外装工事費

花屋の内装・外装工事は、以下のものが含まれます。

  • 電気
  • 水道
  • 空調
  • 照明
  • 塗装
  • 看板

生花は温度管理が非常に重要となるので、「電気」「水道」「空調」は優先して取り組みたい内装です。内装工事費を抑えたい場合は、居抜き物件を検討してみるとよいでしょう。

什器など設置費

花屋に必要な什器や備品は、花を展示するための「フラワーショーケース」や花を保存するための「フラワーキーパー」「作業台」などが挙げられます。

車両購入費

車は、配達や仕入れ時に使います。多くの花を運ぶので、車両は軽ワンボックスや軽トラを購入するケースが多く、新車の購入費用目安は100万円〜150万円です。

広告宣伝費

開業してすぐにお客様に来てもらうためにも、ポスティングや新聞折込みなどを活用して積極的にアプローチしていくことが重要です。

花屋を開業するときの資金調達方法

花屋を開業するにあたって自己資金が不足している場合は、資金調達を検討する必要があります。ここでは、花屋を開業するときの資金調達方法を4つ紹介します。

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は、開業時に優先して検討すべき金融機関です。国が100%出資している金融機関であり、個人事業主や中小企業に積極的に支援を行っています。日本政策金融公庫の融資の大きなメリットは、低金利かつ無担保・無保証でも融資を受けられるということです。

経営実績がない創業時でも融資を受けられる「創業融資」の制度があります。ただし、制度を利用するにあたっては、自己資金比率や面談内容が重視されます。審査に通るためにも、事業計画書の作成、面談対策などの準備は入念に行いましょう。

関連記事:

日本政策金融公庫とは?

制度融資

制度融資とは、地方自治体、民間の金融機関、信用保証協会が連携して実施している融資です。中小企業や小規模事業者の資金調達サポートを目的としていて、長期かつ低金利で借り入れすることができます。これから開業する方や費用を抑えたい方は、検討したい制度です。

ただし、制度融資では金融機関だけでなく、地方自治体や信用保証協会も関わります。その分、手続きの手間と時間を要する点に注意が必要です。制度融資を検討している人は、開業までのスケジュールと照らし合わせながら、入金のタイミングが間に合うかどうか確認しておきましょう。

関連記事:

制度融資とは?低金利が魅力の資金調達方法

補助金・助成金

国や地方自治体が行っている補助金や助成金を活用するのも一つの方法です。融資とは異なり、返済義務がないというメリットがあります。地域によっても取り扱っている補助金・助成金の種類は様々です。

公募期間が決まっているものが多いため、定期的にチェックして活用できる補助金・助成金がないかどうかを確認してみてください。

関連記事:

会社設立に役立つ助成金・補助金一覧|利用時の注意点やその他の資金調達方法も解説

クラウドファンディング

クラウドファンディングは、近年注目を浴びているサービスです。インターネット上で事業内容をプレゼンし、賛同してくれた人から資金を集める仕組みとなっています。

金融機関の審査に落ちた場合でも資金を集められるのは大きなメリットです。また、インターネットを使って告知するので、費用をかけずに宣伝することも可能です。ただし、賛同を得られないと希望金額が集まらない可能性がある点に留意しておく必要があります。

関連記事:

クラウドファンディングとは?資金調達に活用する方法

資金調達方法を効率よく見つけられる「freee資金調達」

花屋は費用を抑えた上での開業が可能で、必須の資格もありません。しかし、花屋を成功させるためにはコンセプト設計や物件探し、集客対策などの準備は必要です。

また、事業規模や状況に合わせて適切な資金調達方法を選択することは、経営者に必須のスキルです。とはいえ、開業準備を進めながら資金調達方法を見つけるのは、時間と手間がかかります。

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  • ローン商品や給付金等の情報は、特に断りがない限り記事公開現在のものです。最新の情報は各金融機関のホームページや公式サイトでご確認ください。
  • freee資金調達はお客様のサービス選択時の参考情報提供を目的としており、特定の金融機関、ローン商品の優劣を示したものではありません。
  • 各金融機関の審査結果によっては利用できない場合があります。

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