コスト削減の事例3選|コスト削減の手順やポイント、補助金の活用を紹介

コスト削減は、企業が持続的に経営を行うために必要な取り組みの一つです。一方で、何から着手すべきか判断に迷うこともあるでしょう。コスト削減を成功させるためには、実際のコスト削減事例を参考にするのがおすすめです。本記事では、成功事例を紹介するとともに、コスト削減の手順、補助金をうまく活用する方法まで解説していきます。
目次

コスト削減とは

コスト削減とは、企業が事業活動にかかる費用を削減することを指します。利益は売上からコストを差し引いたものです。持続的に安定した経営を行うためには、売上を伸ばすだけでなく、コスト削減により利益率を向上させる取り組みが重要となります。
事業活動で発生するコストの種類
事業活動では多くのコストが発生します。代表的なコストとしては、以下のようなものがあります。
- 原材料・資材の費用
- オフィスや工場、店舗などの地代家賃
- 人件費(給与・福利厚生)
- 機械・設備費用
- 電気・水道・ガスなどの公共料金
- 広告・宣伝費
- 研究開発費
- その他のコスト(交通費、消耗品費など)
コスト削減を行う際は、まずは自社でどのようなコストがかかっているのか、現状を把握することが大切です。
コスト削減によるメリット
コスト削減を実現することで、以下のメリットが得られます。
- 利益の増大を期待できる
- 事業拡大の余裕が生まれる
- 資金調達がしやすくなる
- 経営効率が向上する
利益は「売上ーコスト」であるため、毎月かかるコストを削減することで利益アップが期待できます。また、コスト削減によって剰余資金が生まれれば、新規事業への投資や海外進出など、事業拡大の可能性が広がります。
さらに、無駄なコストを削減するにあたっては業務の見直し・改善を行う必要があるため、業務効率化が進み、生産性の向上も期待できます。また、企業の業績が改善されれば外部からの評価・信頼が高まり、銀行など金融機関からの資金調達もしやすくなります。
このように、コスト削減は経営において重要な要素であり、その効果は多岐にわたります。ただし、安易なコスト削減はサービス・商品の品質低下やリスク増大などの問題を招くこともあるため、適切なバランスを保つことが必要です。
コスト削減の事例

コスト削減には様々な方法がありますが、最近ではデジタル化や省エネ、これにともなう人員の最適化などが代表的な手段として取り入れられています。実際にコスト削減を成功させた企業の事例を見ていきましょう。
省エネによるコスト削減|株式会社ファミリーマート
ファミリーマートは2004年に、業界初の措置としてLEDを使用したファサード看板を採用しました。以来、同社はLED看板を導入する店舗を増やし、更なる省エネ化に取り組むために技術開発と実証実験にも取り組んでいます。現在では従来の蛍光灯看板に比べて、70%近くの省エネを達成しています。
参照:気候変動の緩和と適応|サステナビリティ|ファミリーマート
ペーパーレス化によるコスト削減|アサヒグループホールディングス株式会社
アサヒグループホールディングス株式会社は、毎週開催している取締役会において資源の無駄遣いや情報漏えいリスクを低減するため、ペーパーレス会議システムを導入しました。会議資料をすべて電子化することで、年間約4万枚の紙を削減し、会議の準備や後片付けの負担を約50%軽減することに成功しています。
また、ペーパーレス化により、海外支店とのコミュニケーションもスムーズになり、企業全体として生産性の高い、効率的な会議ができるようになりました。
参照:アサヒグループホールディングス、NECのペーパーレス役員会議システムを導入 (2014年6月10日):プレスリリース
MA導入によるコスト削減|ベネッセコーポレーション
ベネッセコーポレーションは、生活・語学・教育・介護など、幅広い事業を展開する企業です。同社は200を超えるWebサイトを運営しており、顧客情報の分析に多大な負担がかかっていました。
MAツールを導入することで、連携したWebサイトの顧客情報を一元化することができ、大幅なコスト削減と作業負担の軽減が可能になりました。また、クロスドメイン分析によってサイト設計の最適化が可能になり、商品・サービスサイトへの送客数が2倍以上に増大したそうです。
参照:ユーザー事例:株式会社ベネッセコーポレーション | Adobe
コスト削減の手順

コスト削減に取り組む際は、手順に沿って実施していく必要があります。ここでは4つのステップに分けて見ていきます。
1.現状の課題を洗い出し
コスト削減を行うためには、まず現状の課題を明確にする必要があります。どの部分でどれくらいのコストがかかっているか、どのような無駄があるか、どのようなリスクがあるのかなどを洗い出して整理します。
2.コスト削減による効果を試算
次に、現状の課題を改善するためにどのような施策を実行するかを決定し、施策による効果を試算します。どの程度のコスト削減が見込めるか、どのようなリターンが期待できるかなどを検討します。
3.施策と優先順位を策定
施策を決定したら、優先順位をつけて実行する順番を決めます。例えば、緊急性の高い課題から対応していくといった具合です。また、施策を実行するために必要なリソース(人材、予算、時間など)を確保することも必要です。
4.実行と改善
決定した施策を実行し、どれくらいのコスト削減ができたかを調べて効果を検証しましょう。施策がうまくいかない場合には、適宜修正していく必要があります。コスト削減では検証と改善を継続的に行うことが大切です。
補助金を上手に活用しよう

コスト削減の手段として、補助金を活用するのも一つの方法です。補助金は原則として返済の必要がないため、事業のコスト削減に大いに役立ちます。以下に、コスト削減施策におすすめの補助金をまとめたので、参考にしてください。
名称 |
上限額 |
補助率 |
対象 |
---|---|---|---|
IT導入補助金 |
5万円〜450万円 |
1/2または2/3または3/4 |
中小企業または小規模事業者 (資本金、従業員数に上限あり) |
小規模事業者持続化補助金 |
50万円〜250万円 |
2/3または3/4 |
小規模事業者 (資本金、従業員数に上限あり) |
ものづくり補助金 |
750万円〜3,000万円 |
1/2または2/3 |
中小企業または特定非営利活動法人 (資本金、従業員数に上限あり) |
事業再構築補助金業 |
100万円〜1.5億円 |
1/2または2/3または1/3または3/4 |
中小企業または中堅企業 |
補助金によって対象事業者や上限額などが変わっていきます。自社のコストを正しく把握した上で適切な補助金を選定するようにしましょう。
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コスト削減に取り組むことは企業にとって重要な課題の一つです。コスト削減を実現できれば、利益の向上や経営効率の改善といった様々なメリットを得られます。コスト削減では、何が必要なコストで何が不要なコストなのかをしっかり見極めることが大切です。今回紹介した事例や手順を参考に、効果的なコスト削減を実践しましょう。
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