2023年5月10日 基礎知識

車屋を開業するには?必要な資格や届出、資金調達方法について紹介

車が好き、または車業界で働いた経験を活かして独立開業したいと考えている人も多いのではないでしょうか。車屋を開業して軌道に乗せるには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。本記事では車屋の開業に必要な資格・手続きと開業資金、資金調達方法について紹介します。車屋の開業を検討している方はぜひ参考にしてください。

目次

車屋を開業する流れと押さえておくべきポイント

車屋を開業する流れと押さえておくべきポイント

車屋を成功させるためには、開業前の準備を徹底することが重要です。まずは開業時に押さえておくべきポイントを解説します。

車屋として着実に成長できるように経験を積んでおく

車が好きで知識を豊富に持っていたとしても、ビジネスとして成功させるためには様々なノウハウが必要です。お客様のニーズはライフスタイルや家族構成、居住地などによっても変わるため、一人ひとりの要望に合わせた提案ができるかどうかが極めて重要になります。

また、車だけでなく、税金や保険、整備などカーライフに関する知識も持っておかなければいけません。車屋として信頼を得るためにも、車にまつわる知識を幅広く持っておくことが重要です。開業前に自動車メーカーや整備工場などで経験を積んでおくなど、独立開業を踏まえて計画的に行動することをおすすめします。

独自性のあるサービスを提供する

車屋といっても、販売に加えて買取や整備・点検、保険の取り扱いなど事業内容は多様です。どういったサービスを提供するのか、あらかじめ検討する必要があります。

また、車屋は競合が多い業態です。競合店と差別化するためにも以下のポイントを意識しましょう。

  • どのような車種を販売するのか
  • どのようなお客様をターゲットとするのか

これらのポイントを意識することで、サービス内容や物件など開業の準備が進めやすくなります。

集客にふさわしい立地を検討する

お客様には店舗まで足を運んでもらう必要があるため、立地条件は重要な要素です。一般的に、車屋の物件は車通りが多いロードサイドにするのが理想的です。ロードサイドは人目につきやすく、立ち寄りやすいためです。

ただし、立地条件が良いほど費用もかさむため、慎重に検討する必要があります。サービス内容に独自性があったり、取り扱う車種が希少なものだったりする場合は、目立たない場所でも集客できるケースがあります。店舗のコンセプトや予算と照らし合わせながら、最適な立地を選びましょう。物件探しは時間がかかることが想定されるため、その他の開業準備と並行して探し始めることをおすすめします。

様々な方法で集客する

車屋が安定して利益を上げていくためには、認知度の向上が必要不可欠です。開業までの準備を進めつつ、事業の宣伝活動も行いましょう。以下に具体的な集客方法を記載しましたので、参考にしてください。

  • ホームページの作成
  • Googleマイビジネスの登録
  • リスティング広告
  • SNS(Facebook,Twitter,Instagram)
  • ポスティングや新聞折込チラシ
  • ショップアプリの導入

昨今は、ネットを通して車を比較検討するのが当たり前になりました。ECサイトやショップアプリなどを駆使するなどして、積極的に露出しましょう。

なお、検索で上位に表示させるためには、以下のような専門知識が必要です。

  • SEO(検索エンジン最適化)
  • リスティング広告(検索連動型広告)
  • MEO(Googleマップ最適化)

予算が許すなら専門家に依頼するのも良いでしょう。

車屋の開業に必要な資格と届出

車屋の開業に必要な資格と届出

車屋の開業で、まず必要なのが古物商許可証です。その他にも必要な資格・届出が複数あるので、しっかり確認しておきましょう。車屋の開業に必要な資格・届出は以下のとおりです。

古物商許可証

車屋を開業するためには古物取引許可証が必要です。車屋を営業していく上で車を下取りしたり、中古車を販売したりすることもあるでしょう。古物取引許可証は古物(中古品)を販売する際に必要になる資格です。

無許可で営業してしまうと、懲役3年以下または100万円以下の罰金を科されたり、許可取り消しの行政処分を受けたりする可能性があるため、必ず取得しましょう。

許可証を受け取るためには、所轄の警察署に申請する必要があります。許可申請料は19,000円で、取得までの日数は40日前後かかります。

参照:古物商許可申請 警視庁

自動車リサイクル法引取業登録

車を引き取って廃車にする場合は、自動車リサイクル法取引業の登録が必要です。

自動車リサイクル法引取業登録は、都道府県または保健所の担当窓口にて登録の申請を行います。手数料は地域によって異なりますが、5,000円前後です。申請から登録完了まで数ヶ月かかることもあるため、スケジュールに余裕を持って早めに提出しましょう。

自動車リサイクルシステムへの事業者登録

自動車リサイクルシステムは、預託確認および電子マニフェストによる引取・引渡報告を行うためのシステムです。廃車を引き取る際は自動車リサイクル法取引業の登録だけでなく、自動車リサイクルシステムへの事業者登録を行う必要があります。

登録方法は、以下の通りです。

  1. 自動車リサイクルシステムHPにある「各種申請書書式」から「自動車リサイクルシステム登録申込書」をダウンロード
  2. 必要事項を記入しその他必要書類とともに「公共財団法人 自動車リサイクル促進センター 業者登録グループ」へ郵送

その他の必要書類は「自動車リサイクルシステム登録申込書および添付書類の早見表」で確認できます。なお、事業者登録は5年ごとに更新が必要です。

オートオークションへの入会

中古車も販売する場合、車両を仕入れるためルートを複数確保しておく必要があります。

オートオークションは仕入方法の一つで、中古車屋が参加して中古車の取引を行う卸売市場です。オートオークションであれば、人気のものからマイナーなものまで、幅広い車種が流通しています。効率よく車を仕入れるためにも、オートオークションに入会しておくことをおすすめします。

オートオークション会場によっては、実務実績や常設展示場の有無などの条件が設けられているため、事前に確認しておきましょう。

開業届

開業届とは、開業したことを税務署に知らせる書類のことです。開業届を提出することで、青色申告により最大65万円の所得控除を受けられるという税制面でのメリットがあります。提出期限は開業日から1ヶ月以内なので、忘れず提出しましょう。

開業届の作成が手間と感じる方は「freee開業」の活用がおすすめです。freee開業は、必要な項目を選択するだけで開業届の作成がスムーズに行えます。

車屋の開業資金はどれくらい?

車屋の開業資金はどれくらい?

車屋の開業資金は在庫車両の仕入れコストがかかるため、他業種と比較すると高額な部類に入ります。車屋の規模や扱う車の数によって開業資金は異なるため、しっかりと試算するようにしましょう。

以下に開業資金の目安を整理しました。

費用

金額

物件取得費

賃貸の3ヶ月〜10ヶ月分

内装・外装工事費

100万円〜200万円

在庫車両の仕入費

50万円〜4,000万円

消耗品や備品

30万円〜100万円

広告宣伝費

5万円〜30万円

車屋の開業資金の大部分を占めるのは、物件取得費と車両の仕入費です。展示場タイプの車屋では、車を展示するためのスペースが必要です。物件取得費は物件の規模によって異なりますが、複数台を展示するスペースが必要な場合、1,000万円以上かかることもあります。

大規模な展示場ではなく、ネットショップで開業するのも1つの方法です。スペースは1〜2台程で済むため、物件取得費を抑えて開業することが可能です。開業資金を抑えた分、車の仕入れ費などに充てられるといったメリットがあります。

開業資金に加えて運転資金が必要

開業資金に加えて、事業を継続させる上で必要となるのが運転資金です。運転資金には、人件費や家賃、光熱費、広告費などがあります。これらは売上が思うように伸びなかったとしても発生するコストです。事業が軌道に乗るまでは一定の期間が必要になるため、運転資金は余裕を持って用意しておくようにしましょう。

車屋を開業するときの資金調達方法

車屋を開業するときの資金調達方法

車屋を開業する際は車両の仕入費用もかかるため、開業資金が高額となるケースが多くなっています。自己資金で足りない分は、外部からの資金調達方法を検討する必要があります。ここでは、車屋を開業するときの資金調達方法を紹介します。

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は国が100%出資している公的機関で、中小企業や小規模事業者に対して積極的に融資を行っています。これから開業する事業者や、開業して間もない事業者が利用できる融資制度も複数提供しています。

特に検討したいのは「新創業融資制度」です。新創業融資制度は創業期の事業者が対象で、無担保・無保証人で最大3,000万円(うち1,500万円運転資金)の融資を受けることが可能です。

ただし、融資を受けるためには審査に通過する必要があります。審査では、事業計画や自己資本比率など様々な観点から融資の可否が決定されます。自己資金比率は「創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金を確認できる方」という要件を設けているため、注意しましょう。

補助金・助成金

補助金・助成金は国や自治体が提供している補助制度です。税金や雇用保険料が財源となっており、返済の義務はありません。

国の施策や自治体によって様々な補助金・助成金が提供されているので、自社が条件に合致する場合は積極的に活用しましょう。例えば、IT導入補助金はPOSレジや在庫管理システムなど、事業を効率化するITツールを導入する際にかかる費用の一部を補助してくれます。

新しい補助金・助成金が追加されることもあるので、自身の事業に活用できる補助金・助成金がないか、日頃からチェックしておくとよいでしょう。

「freee資金調達」で最適な資金調達方法を見つけよう

「freee資金調達」で最適な資金調達方法を見つけよう

車屋の開業では事前の準備が非常に重要です。必要な資格・届出をチェックして、計画的に開業準備を進めていきましょう。

また、車屋を開業するためには多くの資金が必要です。資金調達方法によって特徴や条件が異なるため、事業目的や経営スタイルに合った方法を検討しましょう。

自社に最適な資金調達方法が判断できない場合は、「freee資金調達」を活用するのがおすすめです。freee資金調達では、Web上に条件を入力するだけで、ファクタリングや銀行融資、補助金など様々な資金調達手段から最適な金融商品を見つけられます。

freee資金調達の大きな特徴は以下の通りです。

・入力条件をもとに各金融機関で実際に融資を受けられる可能性があるか予測
※「可能性診断」機能つき

・即日利用開始可能で急な資金繰りにも対応

※登録時間はわずか10分

・一度入力した情報が保存されるので、また資金が必要になった時にすぐに調達手段を確認できる

freee資金調達は無料で利用できます。「資金を調達したいけれど、自社に適した調達手段がわからない」という方は、ぜひfreee資金調達を活用して経営や資金繰りにお役立てください。

資金調達手段の利用可能性を診断できる「freee 資金調達」

即日利用可能な複数の資金調達手段を、金額や利率・手数料、調達までの所要期間など調達可能性とともに見比べ、オンラインで申込できるサービスです。登録時間はわずか10分、一度情報を入力すれば自動診断を継続的に確認できます。

  • ローン商品や給付金等の情報は、特に断りがない限り記事公開現在のものです。最新の情報は各金融機関のホームページや公式サイトでご確認ください。
  • freee資金調達はお客様のサービス選択時の参考情報提供を目的としており、特定の金融機関、ローン商品の優劣を示したものではありません。
  • 各金融機関の審査結果によっては利用できない場合があります。

カテゴリ「基礎知識」内の他の記事

関連記事

カテゴリ

すべてのタグ

freeeのサービス

最新記事

月別アーカイブ