補助金の申請方法・必要書類|受給までの流れと小規模事業者・スタートアップが押さえておくべき補助金も紹介

補助金は公募期間が短く、1ヶ月程度で締め切ってしまうものもあります。スムーズに申請するためにも、補助金の申請方法を知っておくことが大切です。
本記事では、補助金の基礎知識から補助金の申請方法・受給するまでの流れを解説します。小規模事業者・スタートアップが押さえておくべき補助金も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
目次

補助金とは

補助金とは、国や地方公共団体から交付されるお金のことです。新規事業支援や創業促進、雇用の安定などが主な目的で、政策目標に沿った事業を行う事業者に対して返済不要のお金を提供してくれます。売上拡大・生産性向上・販路開拓・人手不足解消など、それぞれの目的に沿った補助金が用意されています。
ただし、補助金は募集要件に即していても、必ずしも採択されるわけではない点に注意が必要です。補助金は、採択件数や予算があらかじめ決まっているものがほとんどです。加えて受給できる補助額が高額であることから、応募率も例年高めです。たとえば、採択予定件数が30社に対して60社が申請した場合、30社は補助金を受け取れません。
また、申請締切が設けられており、募集期間も1ヶ月前後と短い傾向にあります。「せっかく自社にあった補助金を見つけたのに準備が間に合わなかった」というケースもあります。補助金を検討する際は、要件やスケジュールをしっかり確認してから、計画を立てるようにしましょう。
補助金の申請方法・受給するまでの流れ

補助金を申請するにあたっては、補助金の申請方法・受給するまでの流れを把握しておく必要があります。一般的な補助金の申請方法・受給するまでの流れは以下の通りです。
手順 |
内容 |
---|---|
1 |
申請準備 |
2 |
申請 |
3 |
採択結果の通知・交付申請 |
4 |
中間報告 |
5 |
交付決定・事業の実施 |
6 |
事業実績の報告・補助金の受給 |
7 |
事業状況の定期報告 |
1.申請準備
補助金を申請するにあたっては、自社の目的や必要金額を満たしたものを選ぶことが大切です。そのため、各補助金の概要や対象経費、補助金額などをしっかりと確認しておきましょう。
2.申請
申請したい補助金が決まったら必要書類を確認の上、書類一式を提出しましょう。必要な書類は、申請する補助金によって異なります。
申請書類は、補助金を提供している機関や団体のWebサイトで入手可能です。提出前には各補助金の必要書類リストを参照の上、不備・不足がないかを確認しましょう。
また、採択されるためにも申請書類はしっかり書き込むことがポイントです。とくに事業計画書は、補助金の要件にマッチしたものであるかを判断する際の重要な書類となります。事業の目的・課題を明確にし、具体的かつ誰が見てもわかりやすい文章を心がけましょう。
<必要書類の例>
※法人の場合 履歴事項全部証明書の写し(発行から3ヶ月以内) 税務署が発行した法人税の直近の納税証明書(その1またはその2) ※個人事業主の場合 運転免許証または住民票の写し(発行から3ヶ月以内のもの) 税務署が発行した所得税の直近の納税証明書(その1またはその2) 前年分の確定申告書Bの控え |
3.採択結果の通知・交付申請
申請後、必要書類や面談をもとに審査が行われ、採択・不採択が決定します。採択通知を受けたら、交付申請を行いましょう。
<必要書類の例>
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4.交付決定・事業の実施
交付が決定したら指定の事業を実施します。実施期間は申請する補助金によって異なりますが、12ヶ月〜14ヶ月が目安です。補助対象となる経費は、この事業実施期間中に発生したものとなります。
ここで注意すべきなのが、補助金は後払いである点です。補助金はすべての手続きが終わった後に振り込まれるため、必要な金額はまず自己資金もしくは金融機関の融資が必要となります。資金が不足してしまったということがないように、資金調達の準備を進めておきましょう。
5.中間報告
事業実施期間中に、定期的に実施報告書・経費エビデンスの提出が求められます。普段から書類をまとめていれば問題ありませんが、一定期間内に報告や書類の提出がなかったり、書類に不備があったりすると、補助金の交付が中止になってしまう恐れもあるため注意が必要です。
<必要書類の例>
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6.事業実績の報告・補助金の受給
事業を実施したことを証明する事業実績の報告を行います。事業実績報告のための書類をまとめ、提出しましょう。事業実績を報告後、請求書を提出して補助金を申請します。申請から大体2週間程度で補助金が交付され、所定の口座に振り込まれます。
<必要書類の例>
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7.事業状況の定期報告
補助金を受給してもすぐに終了にはなりません。補助金交付後も、定期的に事業の状況を報告する必要があります。
小規模事業者・スタートアップが押さえておくべき補助金4つ

ここでは、小規模事業者・スタートアップが押さえておくべき補助金を4つピックアップして紹介します。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者の事業の継続と発展を支援する制度です。小規模事業者が取り組む販路開拓に際して、その費用を補助します。対象経費も幅広く、店舗改装、広告掲載、展示会出展費用などが該当します。
なお、小規模事業者に関しては明確な定義が定められており、製造業の場合は従業員20人以下、商業・サービス業の場合は従業員5人以下です。
また、小規模事業者持続化補助金では、令和5年10月1日のインボイス制度の適用を受け、インボイス特例を設けています。インボイス特例は、インボイス転換事業者を対象として一律50万円の補助上限が上乗せされる制度です。
事業再構築補助金
事業再構築補助金は、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するために、事業再構築に取り組もうとする中小企業を支援する制度です。
事業再構築の例を挙げると、コロナ禍で売上が減少した飲食店がオンラインサービスを始め、宅配やテイクアウトへの需要に対応した事例があります。
新規事業を始める上でネックとなるのはコストです。事業再構築補助金の補助金額は最大1億円、補助率は最大3/4と大きく、新規事業へ参入する際のハードルを大幅に下げられます。
ものづくり補助金
ものづくり補助金は、設備投資やサービスの開発などを行う中小企業を支援するための制度です。「ものづくり」と聞くと製造業のみが対象の補助金と思われがちですが、サービスや試作品の開発のほか、生産性向上に取り組む場合はIT関連や小売業、サービス業も受給対象です。
なお、ものづくり補助金の応募は、「電子申請」のみです。電子申請システムを利用するためには、事前にGビズIDプライムアカウントの取得が必要となります。GビズIDプライムアカウントを持っていない場合は、先にGビズIDプライムアカウントを取得しておきましょう。
IT導入補助金
IT導入補助金は、IT技術の導入を促進するための制度です。中小企業が行う業務の効率化や自動化のためのITツールの導入に際して、その費用を補助しています。
対象となるITツールは顧客対応や販売支援、会計・財務システム、人事システムなどです。導入するツールによって申請できる枠が異なるため、事前に確認しておきましょう。
なお、2023年のIT導入補助金から、通常枠(A類型)の補助下限が30万円から5万円に引き下げられています。PC・タブレットはもちろん、安価なITツールの導入の場合でも利用可能です。
「freee資金調達」で新規事業に活用できる資金調達方法を見つけよう

補助金を活用することで、新規事業の立ち上げやツールの導入にかかる費用を軽減することが可能です。ただし、申請方法や手順は補助金によって異なるため、しっかり公募要領を確認した上で申請する必要があります。
また、補助金以外にも融資や助成金などの資金調達方法があります。事業目的や必要な金額を明確にした上で、自社に合った資金調達方法を選んでいきましょう。
しかし、どのような資金調達方法があるのかを一から調べるのは手間がかかります。そこでおすすめなのが「freee資金調達」です。
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