2023年8月18日 基礎知識

【業種別】生産性向上の成功事例|生産性を高めるための考え方や補助金・助成金も紹介

【業種別】生産性向上の成功事例|生産性を高めるための考え方や補助金・助成金も紹介

企業を成長させるためには、生産性の向上が欠かせません。生産性向上の取り組みを始めるにあたっては、同業他社や他業種の会社の成功事例が参考になります。本記事では、生産性を高めるための考え方をはじめ、業種別の生産性向上事例、利用できる補助金・助成金について紹介します。

目次

そもそも生産性とは

そもそも生産性とは

生産性とは、保有する資源や労力を使って、どれだけの価値や成果を生み出すことができるかを示す指標です。生産性を向上させることで、具体的に以下のようなメリットが期待されます。

  • 労働力不足の解決
  • 競争力の向上
  • コストの削減
  • 品質の向上
  • 顧客満足度の向上
  • 生産量の増加
  • 市場シェアの拡大

生産性は投入した資源や労力(インプット)に対して生み出された価値や成果(アウトプット)の比率で算出します。

生産性=生み出された価値や成果(アウトプット)÷ 投入した資源や労力(インプット)

生産性の向上とは、企業が現在の状況より少ない資源や労力で、同等またはそれ以上の成果を出している状態です。生産性が高い企業は限られたリソースを最大限に活用し、効率的に成果を上げることができます。

生産性を高めるための2つの考え方

生産性を高めるための2つの考え方

生産性を高める考え方には、「物的労働生産性」と「付加価値労働生産性」の2種類があります。

物的労働生産性とは、時間または労働者1人あたり、どれくらいの製品・サービスを生み出しているかを示したものです。企業がどれくらいの生産能力があるか、いかに効率的に業務を進めているかがわかります。

付加価値労働生産性とは、時間または労働者1人あたり、どれくらいの付加価値額(粗利)を生み出しているかを示したものです。付加価値労働生産性が高いほど、収益性の高い事業であることがわかります。付加価値の求め方は様々ありますが、わかりやすい例を挙げると企業が生み出した売上から、原材料費や外注費などを差し引いた金額となります。例えば、2,000円の材料を加工して3,000円で販売した場合、付加価値額は1,000円になります。

【業種別】生産性向上の成功事例

【業種別】生産性向上の成功事例

ここでは、厚生労働省が公表している事例の中から、生産性向上の成功事例を業種別に紹介します。

飲食業|がんこフードサービス株式会社

がんこフードサービス株式会社では店舗で接客を行っている従業員にセンサーを取り付け、従業員の行動を計測し、従業員の行動パターンを可視化することで導線を分析しました。結果として接客係が頻繁に調理場や事務所を行き来していることが判明し、客室滞在時間が業務時間の4割しかないことがわかりました。

この調査結果を受け、同社では配膳スタッフを増員し、接客時間を改善しました。導線分析データを活用し、顧客の待ち時間が最短となる従業員シフト・厨房レイアウトを作成し、店舗オペレーションの改善につなげています。

参照:第4章:中小企業における具体的な取組事例|厚生労働省 宮城労働局

小売業|スリー・アールシステム株式会社

スリー・アールシステム株式会社では2016年に妊娠・結婚ラッシュが訪れた際、女性社員のキャリアを支援するために「時短正社員制度」を導入しました。この制度は進化を遂げ、育児だけでなく副業や自己実現など、様々な理由で選択できるようになりました。

勤務日数は週3日や1日5時間、1日3時間半など多様な選択肢があり、多くの社員が利用しています。時短正社員はフルタイム社員と同等の待遇で各種手当も支給されます。この制度により、人材の確保と定着につながっています。

参照:わたしの会社の働き方改革-取組事例集|厚生労働省

製造業|株式会社ケイ・エス・ケイ

株式会社ケイ・エス・ケイでは従来のタイムカード制を廃止し、勤怠管理システムを導入することで各従業員の勤務状況を一元管理できるようにし、管理業務の削減と働きすぎの防止に役立てています。

営業部門では在宅勤務も可能とし、個々の事情に合わせた柔軟な勤務体制を整備しています。また、年度末には全社員に業績を公開し、会社全体の方向性を共有しています。さらに、部署を細分化することで目標達成や技術の継承を容易にする環境を整えるという工夫もしています。

参照:働き方改革 – 取組事例集|厚生労働省

企業の生産性向上をサポートする補助金・助成金

企業の生産性向上をサポートする補助金・助成金

企業の生産性向上をサポートする補助金・助成金を紹介します。

IT導入補助金

IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者がITツールを導入する際にかかる費用の一部を補助する制度です。

ITツールを導入することで、業務の効率化や生産性の向上が期待できます。例えば、営業担当者が顧客情報を簡単に管理できるCRMツールの導入や、在庫管理を効率化するための在庫管理システムの導入などが挙げられます。これらのツールを導入することで、従来の手作業に比べて作業時間が短縮され、業務の生産性が向上します。

対象

中小企業または小規模事業者

補助率

1/2または2/3または3/4

補助額

5万円〜450万円

対象経費

ソフトウェア購入費、ハードウェア購入費、導入関連費、クラウド利用料、サービス利用料

IT導入補助金 公式ホームページ

ものづくり補助金

ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者等が生産性向上につながる革新的なサービスの開発や生産プロセスの改善を行うための設備投資の一部を補助する制度です。

製造業に限らず、生産性向上につながる設備の導入であれば補助対象になります。採択事例として、サービス業・小売業・農業など様々な業種で活用されています。

対象

中小企業または小規模事業者

補助率

1/2または2/3

補助額

750万円〜3,000万円

対象経費

賃借料、広告費、器具備品購入費、産業財産権出願・導入費、専門家指導費、従業員人件費

ものづくり補助金 公式ホームページ

事業再構築補助金

事業再構築補助金は、新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編など思い切った事業再構築に取り組もうとする中小企業を支援する補助金です。

内容や補助対象に応じて8つの枠に分類され、「成長枠」「グリーン成長枠」「卒業促進枠」「大規模賃金引上促進枠」「産業構造転換枠」「サプライチェーン強靱化枠」「最低賃金枠」「物価高騰対策・回復再生応援枠」があります。

対象

中小企業また中堅企業

補助率

1/2または1/3または2/3または3/4

補助額

100万円〜8,000万円

対象経費

建物費、機械装置・システム構築費、技術導入費、外注費、広告宣伝費・販売促進費、研修費

事業再構築補助金 公式ホームページ

業務改善助成金

業務改善助成金は、生産性向上のための設備投資や人材育成・教育訓練、コンサルティングの導入を行う企業に対し、費用の一部を助成する制度です。事業内の最低賃金の引き上げを一定以上行うことが条件となっています。

対象

中小企業または小規模事業者

助成率

9/10または4/5またま3/4

助成額

事業場規模30人未満:60万円〜600万円

上記以外:30万円~600万円

対象経費

生産性向上に資する機器・設備、経営コンサルティング、人材育成・教育訓練など

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企業の業種や規模によって、適切な生産性向上の施策は異なります。成功事例を参考にしながら、自社に合う施策を検討することが大切です。また、生産性向上を目的とした補助金・助成金も複数あります。補助金・助成金を活用することで、生産性向上のための投資や改善策を実施する資金を確保することが可能です。

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