2022年7月31日 基礎知識

資金繰りとは|悪化する7つの原因と4つの改善方法を解説

資金繰りは、経営者として事業を継続させるために必要な知識です。売上があっても手元資金が枯渇してしまえば、倒産の危機に陥ってしまう可能性もあります。本記事では資金繰りの基礎知識をわかりやすく説明するとともに、資金繰りが悪化する原因と改善方法について解説していきます。

資金繰りとは何か

資金繰りとは、会社の収支を管理し、資金が不足しないように調整することです。「資金」には現金、当座預金、普通預金など、支払いにすぐに使えるものが含まれます。売掛金や不動産のように、現金化に時間がかかるものは資金ではなく「資産」に分類されます。

経営者として、資金繰りを管理することは非常に大事です。資金が不足してしまうと、買掛金や経費などの支払いができなくなり、事業が回らなくなります。最悪の場合は倒産に至ることになります。

資金繰りを通して、どのタイミングでどれくらいのお金が入り、どれくらいのお金が出ていくのかを把握し、手元の資金をしっかりと管理しなければいけません。

資金繰りとキャッシュフローの違い

資金繰りと似た言葉として「キャッシュ・フロー」が挙げられますが、それぞれ目的が異なります。

キャッシュ・フローは、名前の通り「お金の流れ」を意味し、過去から現在までの資金の流れを指します。大きくは、営業活動によるキャッシュ・フロー、投資活動によるキャッシュ・フロー、財務活動によるキャッシュ・フローに分けられ、お金がどのような活動によって、どれくらい増減しているのかを把握することが目的です。

一方、資金繰りの目的は、過去や現在の資金の流れを把握した上で、未来の現金の流れを予測し、対応していくことに重きを置いている点が異なります。

資金繰りが悪化する原因

資金繰りの悪化とは、支払いための資金が不足している状態を指します。資金繰りを改善するためには、まず資金繰りが悪化する原因を正しく見極めなければいけません。

ここでは、資金繰りが悪化する6つの原因について見ていきます。

赤字経営が続いている

資金繰りが悪化する原因の一つが赤字経営です。赤字経営とは、収入よりも支出が上回っているマイナス収支の経営状態を指します。一時的な赤字であれば、すぐに資金不足になる可能性は低いといえます。しかし、赤字経営が長く続いてしまうと、手元の資金が枯渇してしまい、毎月かかる固定費などの支払いが滞ってしまう恐れがあります。

赤字経営から脱却するためには、自社の状況を分析した上で以下の対策を講じる必要があるでしょう。

  • 赤字事業や赤字取引の縮小・撤退
  • 経費の削減
  • 生産性の向上

売上が急激に拡大している

売上の急激な増加も資金繰りの悪化につながるので、注意が必要です。売上が上がると、仕入れ代金やコストも増加します。これらを支払うための売上代金の回収が間に合わないと、資金繰り悪化の原因になります。

売掛金の回収が遅い

未回収の売掛金は、売上は立っていても手元に資金がない状態です。売掛金の回収が遅い場合、入金と支払いのタイミングが合わなくなり、資金繰りを悪化させる原因となります。

また、売掛債権には貸倒れの可能性があります。売掛債権の貸倒れとは、取引先の倒産などが原因で売掛金を回収できなくなることです。売掛金を回収できなければ、結果として商品・サービスは提供した際のコストだけかかってしまうことになります。

収支上は利益が出ていても、支払いに必要な資金が不足している、いわゆる「黒字倒産」に陥ってしまう場合もあるため注意が必要です。

借入返済額が多い

金融機関などからの借入金が返済可能額を超えてくると、資金繰りが悪化します。借入金の返済によって資金繰りが悪化する傾向があるなら、金融機関に相談して返済期間を延長するなどの対策を取る必要があります。

在庫が増えてい

商品を仕入れたものの、予定通りに売れずに長期間で滞留在庫になることがあります。在庫を管理するための倉庫代や不良在庫の増加による支出の増加も、資金繰りが悪化する原因になります。在庫を余分に抱えていても、保管コストがかかるだけです。定期的に棚卸しを行い、不要な在庫は早めに処分して資金を回収するようにしましょう。

資金繰りが管理できていない

収支のバランスは常に一定ではなく、資金不足になる可能性が潜んでいます。資金繰り表でしっかり管理していないなど、お金の流れを把握していない場合、資金繰りが悪化したときに対応が遅れてしまう可能性があります。資金繰り表を作っていない場合は、まず作成して、資金繰り状態を可視化できるようにしましょう。

資金繰りを改善する方法とは

ここでは、資金繰りを改善するための4つの方法を見ていきます。

現金の流れを把握する

資金繰りを悪化させないためにも、常にお金の流れを把握しながら管理していくことが大切です。お金の流れを把握するためには、資金繰り表が役立ちます。

どのタイミングでお金が入るのか、出ていくのかを事前に把握できていれば、資金が不足する兆候を予測することが可能です。資金が不足しそうなら経費を削減したり、資金調達を検討したりなど、早い段階での対策が立てられます。

売掛債権の管理・早期回収を心がける

まずは売掛債権の支払期日を確認し、売掛金の回収漏れがないかをしっかり管理します。また、売掛金の回収期間が長くなると資金繰りは悪化します。売掛金はできるだけ早期に回収することが理想です。

新規の取引先の場合は、売掛金の回収条件を決める際に自社にとって不都合が起きないように交渉することが重要です。既存の取引先で支払いサイトが長い場合は、条件の見直しを行う、取引先を変更するなどの検討が必要になります。すぐにでも現金化したい場合は、ファクタリングによる調達を選択肢に入れるのも一つの方法です。

仕入れ・買掛金支払いの見直しをする

買掛金の支払い日や仕入れ代金などの支出を見直すことで、資金繰りの改善につながります。可能であれば、仕入れの支払期間を伸ばしてもらうなど条件の見直しを行うようにしましょう。

資金調達を検討する

資金を調達するのも資金繰り改善の一つの方法です。資金調達には以下のような方法があります。

  • 金融機関から融資を受ける
  • 国や自治体の補助金・助成金を活用する
  • クラウドファンディングを行う
  • ファクタリングを活用する
  • 新株を発行して増資する

資金調達と聞いてまず思い浮かぶのが、銀行などの融資でしょう。融資は、申し込みから融資実行まで時間がかかるため、迅速な資金調達方法としては向いていません。補助金・助成金は返済義務のないお金ですが、原則後払いになるため、今すぐ資金が必要な場合は注意が必要です。

クラウドファンディングは、ネットを介して第三者からお金を集める方法です。融資などでは自社の業績が悪いと審査に通りにくくなりますが、クラウドファンディングは赤字であっても出資を募ることができます。ただし、必ずしも資金調達できるとは限らない点がデメリットです。

ファクタリングは早期の資金化が可能ですが、手数料を差し引いた金額を受け取る仕組みです。手数料が高額だと、利益が大幅に減少してしまうなどのデメリットもあるので慎重に利用する必要があります。

自社の状況によって適切な資金調達方法は異なります。資金繰り表で自社の資金の流れを把握しつつ、自社の状況にあった資金調達方法を選択するようにしましょう。

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資金繰りは、事業を継続するために重要な業務の一つです。資金繰りが悪化する原因は、赤字経営や急激な売上の上昇、借入返済額の増加などが挙げられます。資金繰りが悪化すると黒字でも倒産するリスクがあるため、利益が上がっていても安心はできません。

常に手元の資金状況を把握しつつ、将来の資金の出入りを予測することが大切です。資金不足の兆候が見られる場合は、売掛金の早期回収や外部の資金調達などの対策を検討するようにしましょう。

また、資金調達には様々な方法があります。自社の状況を鑑みて適切な資金調達方法を見つけておくことが大切です。

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