2023年8月18日 基礎知識

経営資源とは|4つの経営資源・7つの経営資源についてわかりやすく解説

経営資源とは【簡単に】|4つの経営資源・7つの経営資源についてわかりやすく解説

経営資源は事業活動を行う上で必要となるものです。経営資源をどのように活用するかによって、事業の成長に大きく影響します。しかし、捉え方によって経営資源の分類が異なるため、正しい知識を持っておくことが重要です。本記事では、4つの経営資源と7つの経営資源についてわかりやすく解説するとともに、経営資源を持つメリットについても見ていきます。

目次

そもそも経営資源とは

そもそも経営資源とは

経営資源とは、企業が事業を行う上で必要となる資源(リソース)のことです。企業が製品やサービスを生産し、マーケティング活動を行い、顧客サポートを提供するためには様々な経営資源が必要不可欠です。

経営資源を最大限に活用するためには、まず自社の経営資源を把握し、継続的な改善や効率化を追求しなければいけません。経営資源の最適化は企業の成功に不可欠な要素の1つであり、戦略的な資源管理は企業の長期的な成功につながります。

4つの経営資源とは

4つの経営資源とは

4つの経営資源とは「ヒト・モノ・カネ・情報」のことで、従来日本でよく知られている経営資源の定義です。

ヒト

「ヒト」とは、自社の従業員や管理職などの人材を指します。経営資源の中でもヒトは重要な要素です。ヒトが動かなければモノは扱えず、生産することもできないためです。また、ヒトは教育や経験によって成長できる点も重要なポイントです。働き方改革やDX化が叫ばれている昨今、ヒトをいかに活用するかが企業の課題といえるでしょう。

モノ

経営資源の中で「モノ」は物理的資産を指します。例えば、以下のようなものが挙げられます。

  • 製品
  • 不動産
  • オフィス
  • 機械等

製品は企業が提供する主力の商品やサービスであり、収益の源泉です。不動産やオフィスは事業活動の拠点となる場所であり、従業員の働きや業務の遂行に必要な環境を提供します。機械や設備は生産や製造プロセスを支え、効率的な生産活動を可能にします。

カネ

カネは、企業の資金、収益、投資など財務的な要素を指します。新規事業を始めたり、人材を確保したりするには、資金を用意しなければいけません。カネが豊富であれば、新たな製品・サービスの研究開発や市場投入に資金を投じることができます。

ただし、カネの量には限りがあるため、適切な資金管理や投資判断も重要です。資金調達方法や財務リスクの管理、適切な資金調達先の選定などを行い、資金を効果的に活用する必要があります。

情報

「情報」資源は、顧客情報や市場の動向など経営判断や戦略策定に必要な情報・データを指します。情報は無形財産ですが、技術の進歩によってますます重要性を増しています。企業は、デジタル技術の発展によって生まれた膨大なデータをいかに活用するかが求められています。

正確かつタイムリーな情報の収集・分析・活用を通じて意思決定を行います。組織内の情報フローの最適化や情報セキュリティの確保は、組織の効率性と信頼性を向上させる上で重要な役割です。

なお、昨今では以上の4つに加え、「知的財産」「ブランド」「時間」も経営資源と捉える場合があります。

7つの経営資源とは

7つの経営資源とは

マッキンゼー・アンド・カンパニーでは経営戦略を検討する際のフレームワークとして、経営資源を「7つのS」に分類しています。企業にはハード面における3つの経営資源と、ソフト面における4つの経営資源があるという考え方です。

これら7つの経営資源を分析することで、自社の経営戦略に役立てます。具体的な内訳と項目は以下の通りです。

■ハード面の経営資源

  • 戦略(Strategy)
  • 組織(Structure)
  • システム(System)

■ソフト面の経営資源

  • 価値観(Shared Value)
  • スキル(Skill)
  • 人材(Staff)
  • スタイル(Style)

それぞれ見ていきましょう。

戦略

戦略とは、企業が目指す中長期的な方向性や目標を定めるための枠組みです。市場の変化や競合状況を見据えた上で、独自の競争戦略や成長戦略を策定することで事業の方向性を明確にします。

また、企業を取り巻く状況は常に変化しているため、経営者は必要に応じて戦略の見直しや調整を定期的に行う必要があります。戦略は組織の活動に一貫性をもたらし、目標達成に向けた方向性を示す重要な経営資源といえます。

組織

組織とは、企業内の役割や責任、権限などの体制のことです。明確な役割分担や権限を与えられた従業員は、共通の目標に向けて業務を進めていきます。効果的な組織の構築は、業務の効率性や生産性を向上させる上で重要な要素です。

各メンバーが役割と責任を理解し、情報や意見を共有することで円滑なコミュニケーションが生まれ、事業活動が推進されます。

システム 

システムとは、人事評価制度などの各種制度や会計管理、顧客管理などの仕組みを指します。適切なシステムは従業員のモチベーションを上げたり、労働環境を改善したりする上で欠かせないものです。また、日々の業務や会計管理、顧客管理などの仕組み化がなされていなければ、円滑な事業活動を行えません。システムは、事業をスムーズに運営する上での土台となる経営資源です。

価値観

価値観とは、企業理念や行動指針、倫理観を表します。企業の価値観を浸透させることは、従業員の方向性を統一させる上で有効な取り組みです。従業員同士が共通の価値観を持つことでチーム内の一体感が生まれ、業務の効率性が高まります。価値観は企業の競争力を強化し、持続的な成長を実現する一助となる経営資源です。

スキル

スキルとは、自社の従業員やチームが持つ専門的な知識・技術を指します。スキルには営業力やマーケティング力、技術力や企画力、販売力など様々なものがあります。各々のスキルが集まることで組織全体の力となり、企業は高い競争力を得て市場での優位性を築くことができます。

しかし、スキルのある人材を新たに雇用するのは難しいケースもあります。既存の従業員がスキルを高められるよう、教育・研修プログラムや情報共有の仕組みを検討することも重要です。

人材

人材とは、組織における従業員の総合的な資質や能力、モチベーションを指します。十分なスキルをもっているだけでなく、企業理念に共感できる人材を確保することがポイントとなります。また、人材育成やキャリア開発に力を入れることも大切です。従業員のモチベーションやエンゲージメントを向上させることで、成果の最大化につなげることができます。

スタイル

スタイルとは、企業風土や文化を指します。社内規則だけでなく、社員の行動様式や価値観、暗黙のルールなどが含まれることもあります。

経営者のリーダーシップや組織文化は、従業員の行動や働き方に大きな影響を与える要素です。適切なスタイルを確立することで、目標に向かって一体となった行動が促進され、組織の結束力や効率性を高めることにつながります。

経営者は従業員の価値観や個性を尊重しながら、企業のスタイルを確立することが求められます。

経営資源を持つことのメリット

経営資源を持つことのメリット

企業が経営資源を持つことのメリットを見ていきます。

経営基盤が確立される

経営資源を持つことによって、企業は堅固な経営基盤を築くことが可能です。資金、人材、物理的な資産などの経営資源が十分に揃っていれば、企業は安定した運営を続けることができ、将来にわたる成長を見込めます。

競争力が向上する

経営資源は、市場競争において重要な役割を果たします。資金・技術・情報・ネットワークなどを保有し、うまく活用している企業は、競争優位性が高まるためです。自社独自の強みを打ち出すことができるため、市場シェアの獲得につながります。

新たなビジネスチャンスを創出できる

経営資源を持つ企業は、新たなビジネスチャンスを創出する力が高まります。資金や技術、人材の組み合わせによって、新製品・新サービスの開発や新たな市場への進出などが可能になるためです。経営資源が豊富にあることで。企業は成長のための多様な道を探求できるようになり、ビジネスの拡大を図ることができます。

成果を最大化できる

経営資源の適切な活用は、組織の成果を最大化する助けとなります。財務資源の配分や資金調達の最適化により、効果的な投資や成長戦略を実現できます。また、情報資源の活用により、正確な市場分析や顧客ニーズの把握が可能になり、効果的なマーケティングやビジネス戦略を展開できます。

自社課題の発見・解決につながる

経営資源を整理することによって、企業は自社の強みや弱点を明確にすることができます。財務状況や資金の使い道、人材のスキルや経験、物理的な資産の所有状況などを整理することで、改善すべき課題や優先順位を把握することが可能です。自社の課題や原因を特定し、解決策を見つけるための手がかりとなります。

組織全体の成長につながる

自社の経営資源のバランスを考慮することで、組織の持続可能な成長を支えます。例えば、適切な人的資源の育成や継続的なスキル開発によって組織は変化に対応し、イノベーションを推進することができます。また、財務資源の適切な運用や組織運営の効率性が向上すれば、持続的に収益性を高めることもできるでしょう。

リスクを分散できる

経営資源を多様化させることによって、企業はリスクを分散させることが可能です。例えば、投資を分散させる多角化戦略では、ある事業が失敗しても他の事業で収益をカバーできる可能性があります。経営資源の多様性は、企業の安定性と持続可能性を高める要素となります。

経営資源の改善に「freee資金調達」を活用しよう

経営資源の改善に「freee資金調達」を活用しよう

経営資源とは企業が事業を行う上で必要な要素であり、戦略的な管理と活用が成功の鍵となります。経営者は、経営資源のバランスを考慮しながら、資金の適切な活用と事業の持続的な発展を目指す必要があります。その中でも特に「カネ」は、事業の継続と発展に欠かせません。

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