2023年5月10日 基礎知識

財務キャッシュフローとは|営業CF・投資CFとの違いや数字の見方についても解説

財務キャッシュフローとは|営業CF・投資CFとの違いや数字の見方についても解説

キャッシュフローは、企業活動におけるお金の流れのことです。安定した経営につなげるためには、キャッシュフローを把握する必要があります。なかでも財務キャッシュフローは資金調達の動きを表したもので、企業の資金がどのように調達、返済されているのかがわかる指標となっています。

本記事では、財務キャッシュフローとは何か、営業キャッシュフロー・投資キャッシュフローとの違いや、数字から何を判断できるのかを解説します。また、本記事の最後ではキャッシュフロー改善に役立つ診断サービスを紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

キャッシュフローとは

キャッシュフローとは

キャッシュフローとは、企業活動における現金預金(キャッシュ)の流れ(フロー)のことです。一定期間においてどれくらいの現金が入り(キャッシュ・イン)、出ていったのか(キャッシュ・アウト)、お金の増減を把握する上で欠かせないものです。

キャッシュフローを確認することで、営業活動・投資活動・財務活動における自社の課題を把握しやすくなります。

例えば、利益が出ていても売掛債権の回収が遅い場合、キャッシュフローは悪化します。この場合、手元資金の枯渇による黒字倒産のリスクが高まるため要注意です。逆に、大規模な設備投資によって一時的にキャッシュフローがマイナスになったとしても、将来的に売上・利益増が見込まれるという見方ができるため、一概にプラス・マイナスだけで評価することはできません。

そのため、キャッシュフローの考え方や数字の読み取り方について、しっかり理解を深めておく必要があります。

ちなみに上場企業や大企業には、財務諸表の一つとしてキャッシュフロー計算書の作成が義務づけられています。中小企業では作成の義務はありませんが、自社の経営状況を的確に把握するためにもキャシュフロー計算書を作成することが推奨されています。

キャッシュフローは事業の活動に応じて3つの種類に分類されます。

  • 営業キャッシュフロー(営業活動によるキャッシュフロー)
  • 投資キャッシュフロー(投資活動によるキャッシュフロー)
  • 財務キャッシュフロー(財務活動によるキャッシュフロー)

それぞれ詳しく見ていきましょう。

営業キャッシュフローとは

営業キャッシュフロー(以下、営業CF)とは、本業で発生したお金の流れのことです。例えば、以下のものが該当します。

  • 商品を販売して得た現金
  • 商品を仕入れるために支払った現金
  • 従業員の給料など人件費の際に支払った現金
  • 広告宣伝など販管費の際に支払った現金

また、法人税などの支払いや受取利息・支払利息など、投資活動や財務活動に該当しないものも営業CFに含まれます。

営業CFがプラスの場合は、事業が順調に進んでいることを意味します。一方、マイナスの場合は事業で発生した支出を収入で賄えておらず、早急に対処しなければいけません。ただし、企業の成長過程では仕入や人件費などの支出が増え、一時的に営業CFがマイナスになるケースもあります。

投資キャッシュフローとは

投資キャッシュフローとは、投資活動で発生したお金の流れのことです。例えば、以下のようなものが該当します。

  • 固定資産を取得する際に支払った現金
  • 固定資産を売却して得た現金
  • 投資有価証券を取得する際に支払った現金
  • 投資有価証券を売却して得た現金

投資CFは投資活動を行えばマイナスとなり、建物や車両などの資産を売却すればプラスとなります。企業を成長・拡大させるためには、積極的に投資を行わなければいけない場面もあります。そのため、投資CFがマイナスだからといって経営状況がよくないという判断はできません。一般的に、成長性の高い優良企業は投資CFがマイナスの傾向があります。

財務キャッシュフローとは

財務キャッシュフローとは、財務活動によるお金の流れを表したものです。例えば、以下のものがあります。

  • 金融機関からの借入による収入
  • 金融機関への返済による支出
  • 株式発行による収入
  • 配当金の支払いによる支出

財務CFがプラスの場合は資金調達していることを意味し、マイナスの場合は返済していることを示しています。

企業を成長させるためには、借入や増資など必要に応じて資金調達していくことが重要です。優良企業は積極的に資金調達を行っている場合が多く、財務CFはプラスである傾向が見られます。

財務キャッシュフローはプラス・マイナスどちらがいいのか?

財務キャッシュフローはプラス・マイナスどちらがいいのか?

財務キャッシュフローを見れば、資金調達と返済のバランスがわかります。ただし、財務CFは、プラス・マイナスのどちらがいいというわけではなく、営業CFや投資CFの内容と合わせて分析する必要があります。

以下では、パターン別に財務CFの数字の見方を解説します。

財務CF・投資CFがマイナスで営業CFがプラスである場合

営業活動によって得た資金を、投資や返済に充てている状態と見ることができます。本業でしっかり利益を出しており、投資や返済に回す資金の余裕があるということです。経営が安定している堅実型の企業に見られるキャッシュフローです。

財務CF・営業CFがプラスで投資CFがマイナスである場合

営業活動により順調にお金を得られており、借入などの資金調達によって事業成長のために積極的に投資を行っていると判断できます。事業が好調で、新規事業や事業拡大のための展開をしている成長型の企業によく見られるキャッシュフローです。

財務CF・投資CFがプラスで営業CFがマイナスである場合

本業での売上が落ちており、運転資金を調達するために固定資産等の売却や借入をしている可能性があります。成長性が見られず、経営状況が悪化している場合に多いキャッシュフローです。

このように財務キャッシュフローは、営業CFや投資CFの内容によって解釈が大きく変わります。

キャッシュフローを把握しておくメリットとは

キャッシュフローを把握しておくメリットとは

キャッシュフローを把握しておくことで、以下のようなメリットが得られます。

  • 安定した企業経営につながる
  • 経営の選択肢が広がる
  • 金融機関等の信用力を高められる

安定した企業経営につながる

キャッシュフロー計算書では、一定期間においてお金がどれくらい増減しているのか、また、その理由について知ることができます。自社の資産・負債や収益性は貸借対照表や損益計算書で確認できますが、お金の流れにおける自社の課題はキャッシュフローを確認しなければつかむことができません。

経営を安定させるには、キャッシュ・インを早め、キャッシュ・アウトはできる限り遅らせて手元資金をショートさせないことが重要になります。自社のキャッシュフローを正しく把握することで、売掛債権の回収にまつわる問題点が明確になるなど、資金繰りの改善につなげやすくなります。

経営判断の精度が上がる

キャッシュフロー計算書には営業活動・投資活動・財務活動の3つの観点からお金の増減を記載するため、事業活動の成果を把握しやすいという利点があります。成長フェーズにあるときは、設備投資や人員増加を検討することもあるでしょう。キャッシュフローは、新規事業の立ち上げや事業拡大を検討する際の判断材料としても役立ちます。

金融機関や投資家の信用力を高められる

金融機関の融資審査では、キャッシュフロー計算書を見られることがあります。これは事業活動による成果や手元資金の状況などから、返済能力があるか否かを判断するためです。同様に、投資家にとってもキャッシュフロー計算書は投資先を判断する際の重要な指標となっています。

キャッシュフロー計算書を作成して自社の状況を正しく把握していれば、金融機関や投資家から資金調達したい場合に適切な対策を講じやすくなり、信用力の向上が期待できます。

freee資金調達はキャッシュフローの改善に役立つ

freee資金調達はキャッシュフローの改善に役立つ

キャッシュフローは企業活動における現金預金の流れです。なかでも財務キャッシュフローは金融機関の借入や返済などを示したもので、営業CFや投資CFと合わせて総合的に判断する必要があります。

キャッシュフローを把握することで手元資金のショートを防ぎ、安定した企業経営につなげやすくなります。キャッシュフロー計算書を作成し、現金の動きを把握することも大切な経営スキルの一つといえるでしょう。

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