スモールビジネスと資金調達の基礎知識
創業時や起業後、まとまった資金が必要になることがあります。利息や返済計画も鑑みた上で、どこから・いくら借りるのかを慎重に検討したいところです。目的や事業規模に応じて、適切な資金調達方法を活用しましょう。
この記事では、中小企業や個人事業主・フリーランスなどのスモールビジネスを対象とした資金調達の基礎知識をご紹介していきます。

目次
- 資金調達とは
- 資金調達の種類
- スモールビジネスと資金調達
- スモールビジネスと資金調達① 家族や友人から借りる
- スモールビジネスと資金調達② 銀行融資
- スモールビジネスと資金調達③ 日本政策金融公庫や自治体の融資
- スモールビジネスと資金調達④ クラウドファンディング
- スモールビジネスと資金調達⑤ ファクタリング
- スモールビジネスと資金調達⑥ ビジネスローン
- スモールビジネスと資金調達⑦ クレジットカード
- 資金調達が必要になる前に
- 資金繰り・資金調達をサポート
- 資金調達freee:複数の金融商品を簡単に比較・申込ができる
- 事業用クレジットカード:freeeカード
- まとめ

資金調達とは
資金調達とは事業に必要な資金を外部から調達することです。スタートアップや中小企業、個人事業主・フリーランスなど、事業の大小に関わらず幅広く関係があります。
業種によっては創業時にまとまった資金が必要でしょうし、事業を運営していく過程で大規模な投資が必要になることや、運転資金が不足することもあるでしょう。ある日突然、資金難に陥るという話も少なくありません。資金が必要になってから調べたり融資を申し込むのではなく、事前に資金調達について知識を身につけておくことはとても重要です。
資金調達の種類
資金調達には様々な方法がありますが、大きく分けて3つに分類できます。
アセット・ファイナンス
すでに保有している資産を売却・現金化することで資金を得る方法です。近年では、特にファクタリングと呼ばれる請求書買取サービスが注目を集めています。
デット・ファイナンス
負債(借金)による資金調達。銀行や自治体から資金を借入れ、社債の発行、ビジネスローンの活用などが挙げられます。
エクイティ・ファイナンス
株式の発行やベンチャーキャピタル・エンジェル投資家からの出資、クラウドファンディングなど資本を増やすことで資金調達する方法です。
スモールビジネスと資金調達
資金調達の使途や方法については、事業がスタートアップかスモールビジネスかによっても異なります。
スタートアップ企業は、ユニークな技術、製品・サービスでイノベーションを起こし、社会に新しい価値をもたらす事を目的としています。短期間で多額の資金調達を行い、数年間赤字の期間があっても後々大きくスケールアップする点が特徴です。スタートアップ企業と似た意味合いでベンチャー企業という言葉も使われますが、こちらは和製英語。ベンチャーとは「投資をする企業や投資家」を指す言葉で、本来の意味は「投資を受けている会社」です。
イノベーションや革新的なビジネスモデルを持つスタートアップに対して、小規模ながらも着実に経営される中小企業や個人事業を「スモールビジネス」と呼びます。
例えば、個人経営の飲食店や税理士事務所、デザイン事務所、Web制作会社、フリーランスなどです。
スタートアップのようなスケールアップを前提としていないため、数年間赤字という状態は許されません。飲食店などの場合は初期投資が必要ですので、自己資金でまかないきれない場合は創業融資を利用しましょう。また、開業後に突然運転資金が必要になることもあり、その場合は銀行融資やファクタリング、ビジネスローンなどを活用して資金を得る必要があります。
スモールビジネスと資金調達① 家族や友人から借りる
新たに事業を立ち上げる場合も、開業後に運転資金が不足した場合も、身近な家族や友人から資金を借りる方は少なくありません。
銀行融資には審査が必要ですし、ビジネスローンなどは利子を払う必要があります。家族・友人から資金を借りることができれば、審査を待つ必要や高い利子を支払うことはないでしょう。
注意点は、お金が原因で人間関係に悪影響が出る可能性があることです。お金を借りる場合は、いつまでにいくら返すのかを明確にし、書面でも約束を交わすなど細やかな気遣いが重要です。
スモールビジネスと資金調達② 銀行融資
創業時や新規事業を始める場合、設備投資などまとまったお金が必要な場合は銀行からの融資を検討するといいでしょう。
銀行から融資を受ける場合は、審査のために決算書や事業計画書など多くの資料を提出する必要があります。例えば、
- 登記簿謄本
- 印鑑証明書
- 納税証明書
- 決算書(損益計算書、貸借対照表)※2-3期分を求められることがあります
- 確定申告書
- 資金繰り表
- 事業計画書
- 試算表
- 借入状況一覧
- 手持工事明細表(建設業の場合)
- 納税証明書
などです。
審査にも時間がかかるため、資金が必要になってから考えるのではなく、普段から資金繰り表を作り計画的に融資を申し込むことが重要です。どれだけ準備をするかによって、金利も変わってきます。
参考記事
『銀行から借り入れをする場合の金利相場は?』
スモールビジネスと資金調達③ 日本政策金融公庫や自治体の融資
日本政策金融公庫とは、政府系の金融機関です。民間金融機関の役割を補完する事を目的に財務省管理のもと設立されました。
中小企業・個人事業主を対象とした融資も充実しており、創業支援、海外展開支援、ソーシャルビジネス支援、事業継承支援、女性起業家支援、企業の救済など、使途に応じて様々な融資制度を展開しています。
また、各地方自治体も同様に様々な融資制度を提供しています。「お住いの地域+融資」で検索してみると、具体的な融資制度が出てくるはずです。
日本政策金融公庫も自治体の融資も、審査に通れば低金利で借りられる点が特徴です。ただし、そのためには資金の使途を説明し、返済計画もしっかりと示す必要があります。
参考記事
『中小企業向けの融資制度とは?活用のポイントを解説』
『個人事業主が受けられる融資とは?個人事業主の資金調達方法をご紹介』
スモールビジネスと資金調達④ クラウドファンディング
近年、世界的にクラウドファンディングによる資金調達が活発になっています。
クラウドファンディングとは、インターネット上で人々から寄付や資金を募る仕組みで、新商品開発や途上国支援、書籍制作など幅広い分野でプロジェクトが立ち上げられています。融資や借入と違って負債にもなりません。
クラウドファンディングには
- 寄付型
- 購入型
- 融資型
などのタイプがあり、商品アイデアがあるものの資金調達が困難な場合は、購入型のクラウドファンディングで事前に資金を募るという方法が有効です。
スモールビジネスと資金調達⑤ ファクタリング
ファクタリングとは、入金前の請求書(売掛債権)を現金化できるサービスです。日本の商習慣では掛取引(信用取引)が一般的で、商品・サービスを提供後、1〜2ヶ月後に代金が入金されます。
ファクタリング会社は、この代金を受け取る権利を買い取ってくれるのです。具体的には、請求書の金額の2〜20%の手数料を支払う代わりに、すぐに現金化することができます。 ここ数年、インターネット上で手続きが完結するクラウド・ファクタリングが活発になってきており、手数料を抑えて現金化できるようになってきました。
参考記事
『請求書買取サービスとは?注目集まるファクタリングと資金調達』
スモールビジネスと資金調達⑥ ビジネスローン
銀行や日本政策金融公庫の融資が難しい場合や、売却できる売掛債権がない場合は、比較的審査が優しくすぐに入金されるビジネスローンを検討してもいいかもしれません。
ビジネスローンは、銀行の他にもクレジットカード会社や消費者金融もサービスを提供しています。無担保・無保証で借り入れできるところがほとんどで、スモールビジネスのオーナーが資金繰りを改善するための手段の一つと言っていいでしょう。
- 銀行融資の審査を待つ余裕がない
- 銀行融資の審査に落ちてしまった
- 銀行に融資してもらうほどの大きな金額の借り入れではない
といった場合に特に有効です。
参考記事
『ビジネスローンを徹底解説!ビジネスローンの申込み前に知っておくべきこと』
スモールビジネスと資金調達⑦ クレジットカード
最後にご紹介するのはクレジットカードです。この記事をご覧の方は、事業用のクレジットカードをお持ちでしょうか。
クレジットカードには、個人用と事業用の2種類があり、後者は事業経費の支払いを用途としています。
急な支出が発生した際に、お金を借りたり請求書を現金化するのではなく、クレジットカードで支払いを先送りすることで資金繰りに活用することもできます。
参考記事
『【2019年/令和元年最新】独立・開業後でもOK!スモールビジネスにおすすめのビジネスカードとは?』
『クレジットカードは資金繰りにも利用できるって本当?ビジネスカードの特徴とは』
資金調達が必要になる前に
ここまで、スモールビジネスと資金繰りについてご紹介してきました。事業を経営していると或る日突然、資金繰りが悪化することもあります。
そうなってから上記の資金繰りを検討するのではなく、できる限り資金繰りについて正確に把握し対策を練りたいところです。
ここから先は、資金調達が必要になる前に知っておきたい資金繰りの知識をご紹介していきます。
資金繰り・資金調達をサポート
この記事をご覧になっている方は、普段から資金繰りの状況についてチェックなさっているでしょうか。freee会計のユーザーアンケートによると、定期的に資金状況についてチェックしている方は約50%、確認の方法は預金残高通帳です。
キャッシュは企業存続の命綱です。キャッシュフローや今後の資金繰り予測などは会社経営の重要な要素の一つであり、資金調達は企業継続・繁栄の重要な手段です。
ただし、資金繰りや資金調達は難しい、よくわからない。そう思っている方も多いのではないでしょうか。
そこで、freeeでは資金繰り・資金調達をスムーズにおこなうためのサービスを提供しています。
freee資金調達:複数の金融商品を簡単に比較・申込ができる
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事業用クレジットカード:freeeカード
資金調達、資金繰りの手段として最後にご紹介したいのが事業用クレジットカード(ビジネスカード)です。
「独立する前にクレジットカードを作っておくように」と勧められたことはありませんか?一般的に、個人事業主、フリーランス、経営者などご自身で事業を運営するようになると、クレジットカードの審査に通りにくくなると言われています。
しかし、支払いを先送りする方法としてクレジットカードは有効な手段の一つです。このためfreeeでは、事業をお持ちの方に特化したクレジットカードを提供しています。ブランドはVISA、Master、American Expressといった主要国際ブランドを揃えた豊富なラインナップを揃えており、オンラインからすぐに申し込むことが可能です。
まとめ
事業を運営・拡大していく上で資金繰りに関する問題は避けて通れない道です。また、なかなか相談相手がいない話題でもあります。
資金調達freeeや会計freeeのデータを活用して、事業を効率的に運営していきましょう。
- ローン商品や給付金等の情報は、特に断りがない限り記事公開現在のものです。最新の情報は各金融機関のホームページや公式サイトでご確認ください。
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