個人事業主向けコロナ関連の給付金・補助金・助成金・融資制度を解説

「新型コロナウイルスの影響で、事業が厳しい状況におちいってしまったので、何か国から支援はないだろうか?」
「給付金や助成金などいろいろな制度があるようだけれど、個人事業主でも受けられるものには何がある?」
そんな悩みや疑問を抱いている個人事業主の方も多いでしょう。
たしかに、新型コロナで影響をうけた事業者向けの優遇制度はいろいろとあります。
その中で、個人事業主が利用できるものとしては、
・給付金
・補助金
・助成金
・融資制度
などの制度が用意されています。
中には最大1,050万円もの助成金が受けられる制度もあり、該当するものがあればぜひ利用したいものです。
そこでこの記事では、新型コロナウイルスのために事業に影響を受けた個人事業主が利用できる優遇制度を、わかりやすく解説しました。
まず、
◎個人事業主が受けられる給付金
◎個人事業主が受けられる補助金
◎個人事業主が受けられる助成金
◎個人事業主が受けられる融資制度
について、個別の制度をくわしく説明します。
さらに、よくある質問にも答えました。
最後まで読めば、あなたが受けられる給付金や融資制度などがわかるはずです。
この記事で、あなたが国や自治体からの補助を受けて、事業が好転することを願っています。
1. 個人事業主が受けられる新型コロナ関連の給付金
新型コロナの影響で収入が下がったり途絶えたりした個人事業主の方も多いと思います。
そんな方のために、さまざまな給付金制度が用意されました。
この章では、それら給付金についてくわしく説明していきましょう。
まずは個人事業主向けにはどんな給付金があるか、その概要を表にまとめてみましたので見てください。
【個人事業主が受けられるコロナ関連給付金(概要)】
給付金名 |
給付金額 |
申請期限 |
---|---|---|
事業復活支援金 |
フリーランスを含む個人事業者:上限50万円 |
新規登録受付期限:2022年5月26日 |
小学校休業等対応支援金 |
日額4,500~7500円(※) × 働けなかった日数 |
仕事が出来なかった期間により、金額が変動 |
住宅確保給付金 |
市区町村ごとに定める額を上限に、世帯人数に応じて支給 |
令和4年3月末日 |
※上記は2022年1月31日現在の情報です
給付金や補助金などについての情報は、経済産業省・中小企業庁が運営する中小企業向け補助金・総合支援サイト「ミラサポplus」で随時更新されますので、そちらも参照してください。
このほかにも、都道府県が独自に給付するものなどもありますので、お住いの自治体に問い合わせてみてください。
では、上記の国からの給付金について、それぞれくわしく説明しましょう。
1-1. 事業復活支援金
個人事業主が受け取れる給付金として、ニュースなどでも取り上げられてもっとも知られるようになった「持続化給付金」。その後継制度として現在提供されているのが「事業復活支援金」です。
その概要は以下の通りです。
給付金名 |
事業復活支援金 |
---|---|
受給資格・条件 |
中堅・中小企業、小規模事業者、フリーランスを含む個人事業者で、売上が2018年11月~2021年3月までの間の任意の同じ月の売上高と比較して50%以上、又は30%以上50%未満減少している場合 ※主たる収入を雑所得や給与所得として税務申告していた方にも適用 |
給付金額 |
中堅・中小企業、小規模事業者:上限100~250万円 給付額=基準期間の売上高ー対象月の売上高×5 |
申請期限 |
新規登録受付期限:2022年5月26日 |
必要書類 |
1.履歴事項全部証明書(法人)又は本人確認書類(個人) ※一時支援金及び月次支援金を未受給、かつ登録確認機関と継続支援関係なしの事業者のみ6~8が必要 |
管轄省庁/申請先 |
経済産業省/事業復活支援金事務局 |
申請のしかた |
|
問い合わせ窓口など |
事業復活支援金事業コールセンター 受付時間 8:30~19:00(土日祝除く) |
※上記は2022年1月31日現在の情報です
この制度のポイントを説明しましょう。
まず、この給付金を受けられるのは、
◎中堅・中小企業、小規模事業者
◎フリーランスを含む個人事業主
の中で、売り上げが基準期間と対象月を比較して50%以上、または30%以上50%未満減少した事業者です。
その場合、事業を継続するための資金として、個人事業主(フリーランス含む)であれば最高50万円を支給してもらえます。
ただし、一律50万円がもらえるわけではありません。
給付額=(基準期間の売上高)ー(対象月の売上高)×5 |
という計算式で算出された金額が50万円未満であれば、その算出額だけが支給されます。
たとえば、以下のようなケースがあったとします。
◎2020年11月~2021年1月の売上 |
この場合、計算式は以下の通りです。
◎11月の売上で計算すると、 →給付金は上限50万円なので、計算結果が50万円を超えた場合の支給額は50万円 |
つまり、
◎11月の売上を基準に申請すると、給付金は35万円
◎12月の売上を基準に申請すると、給付金は20万円
◎1月の売上を基準に申請すると、給付金は50万円
です。
売上が少ない月を基準にして申請するほうが、給付金は多くなるというわけです。
この給付金は、2022年1月現在では、申請期限が「2022年5月31日まで(※新規登録受付は5月26日まで)」に設定されています。
その他細かい申請手続きの確認事項などは、専用のコールセンターに相談してみてください。
1-2. 小学校休業等対応支援金
業務提携など、委託を受けて仕事をする個人事業者で、小学校などに通う子どもを持っている人向けに給付されるのが、「小学校休業等対応支援金」です。
正式には「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応支援金(委託を受けて個人で仕事をする方向け)」という名称で、子どもの世話をするために仕事ができなくなった人が受給できます。
その概要は以下の通りです。
給付金名 |
新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応支援金 |
---|---|
受給資格・条件 |
新型コロナウイルスによる小学校の休校等や、子供の感染またはその疑い等により、子供への対応をするため、契約していた仕事ができなくなった方 |
給付金額 |
日額4,500~7,500円(※) × 働けなかった日数 |
申請期限 |
仕事ができなかった日が、 |
必要書類 |
・所定の申請書 |
管轄省庁/申請先 |
厚生労働省/学校等休業助成金・支援金受付センター |
申請のしかた |
申請書類を学校等休業助成金・支援金受付センターに提出(郵送) |
問い合わせ窓口など |
コールセンター |
この支援金のポイントは、まず受給資格です。
業務委託などを受けて個人で仕事をしている人のうち、
◎子どもが通っている小学校などが、新型コロナウイルスへの対応で臨時休校になり、子どもの世話をするために、すでに契約していた仕事ができなくなった人
◎子どもが新型コロナウイルスに感染した/感染の疑いがあった/日常的に医療的ケアが必要/基礎疾患がある、のいずれかに該当するため、子どもの世話ですでに契約していた仕事ができなくなった人
が支給を受けることができます。
この「小学校など」に含まれるのは、
・小学校
・特別支援学校
・放課後児童クラブ、放課後等デイサービス
・幼稚園、保育所、認定こども園、認可外保育施設、家庭的保育事業等、子どもの一時的な預かりなどを行う事業、障害児の通所支援を行う施設など
※障害のある子どもについては、中学校、義務教育学校の後期課程、高等学校、各種学校(高等学校までの課程に類する課程)なども含む
と規定されています。
また、単に「仕事がなかった」だけでは支給対象ではなく、「すでに契約した仕事ができなかった」場合に限られます。
そのため、申請の際には学校が臨時休校したことや子どもの世話をしたことを証明できる書類や、すでに仕事の契約があったことを示す書面かメールの提出が求められます。
必要書類が比較的多いので、申請準備に手間がかかりますが、受給できれば日額7,500円もらえるので、小さい子どもがいる人はぜひ検討してみてください。
1-3. 住宅確保給付金
事業用の賃料ではなく、住居用の賃料についても給付金があります。
「住宅確保給付金」というもので、その概要は以下です。
給付金名 |
住宅確保給付金 |
---|---|
受給資格・条件 |
1)主たる生計維持者が離職・廃業後2年以内である場合 もしくは個人の責任・都合によらず給与等を得る機会が、離職・廃業と同程度まで減少している場合 |
給付金額 |
市区町村ごとに定める額(※)を上限 |
申請期限 |
令和4年3月末日 |
必要書類 |
・所定の申請書 |
管轄省庁/申請先 |
厚生労働省/最寄りの自立相談支援機関 |
申請のしかた |
最寄りの自立相談支援機関に申請 |
問い合わせ窓口など |
住宅確保給付金相談コールセンター |
※上記は2022年1月31日現在の情報です
この給付金は、個人事業主でなくても誰でも条件に該当すれば受けられるものです。
ポイントとなるのはその支給条件で、
◎収入が離職・廃業と同程度まで減少したこと
◎求職活動を行うこと
とされています。
「離職・廃業と同程度」とは、たとえば、
・旅行ガイドや通訳などの仕事で、海外から人が来なくなったので仕事がなくなってしまった
・フリーで複数のスポーツジムのインストラクターをしているが、休業したジムがあり、仕事が半減した
などのケースが考えられます。
また、「求職活動」については、ハローワークに行くことなどが求められていますが、フリーランスや自営業者であればそれは不要です。
自立相談支援機関と月1回程度(2020年12月現在の規定)のやりとりを続ければ、今の仕事を変える必要はありません。
ちなみにこの給付金は、申請した人に支給されるのではなく、賃貸の家主や不動産会社などに直接支払われるようになっています。
2. 個人事業主が受けられる新型コロナ関連の補助金

収入の減少を補填する給付金とは別に、事業をサポートするための補助金制度もさまざまに用意されています。
個人事業主が対象となるのは、以下の3種の補助金です。
まずそれぞれの概要を見てみましょう。
【個人事業主が受けられるコロナ関連補助金(概要)】
補助金名 |
補助金額 |
申請期限 |
---|---|---|
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 |
上限1,000万円 |
通年公募、3か月ごとに締切 |
IT導入補助金 |
上限350万円 ※導入するツールなどに応じて補助率が変動します |
発表待ち |
※上記は2022年1月31日現在の情報です
「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」については、以前おこなっていたコロナ特別枠の募集は終了し、通常の補助金申請のみ通年で受け付けています。が、新型コロナ関連の補助金・給付金制度は刻々と更新されるので、いずれも事務局のホームページをまめにチェックしておくといいでしょう。
では、それぞれの制度について説明していきます。
2-1. ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
まず、「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」です。
長いので、略して「ものづくり補助金」とも呼ばれていて、その目的は「中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援する」ことです。
この補助金にもコロナ特別枠があったのですが、2020年12月18日締切の4次募集でこの特別枠は終了してしまいました。
といっても、通常枠での補助金については通年で公募されていますし、今後なんらかの特別枠ができる可能性もありますので、知っておいて損はないでしょう。
その概要は以下の通りです。
補助金名 |
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 |
---|---|
受給資格・条件 |
新型コロナウイルスの影響を乗り越えるために革新的な製品・サービス開発、生産プロセス改善に向けた設備投資等に取り組む中小企業などで、以下の要件をすべて満たす3~5年の事業計画を策定し、従業員に表明していること。 |
補助金額 |
上限1,000万円 |
申請期限 |
通年公募、3か月ごとに締切 |
必要書類 |
・事業計画書 |
管轄省庁/申請先 |
経済産業省/ものづくり補助金事務局 |
申請のしかた |
電子申請 |
問い合わせ窓口など |
ものづくり補助金事務局サポートセンター |
この制度でポイントとなるのは、
◎補助金額の上限が通常1,000万円と大きい
という点です。
必要書類もほかの補助金制度に比べると少ないので、申請しやすいといえるでしょう。
2-2. IT導入補助金
「IT導入補助金」は、ITツールを導入する際の経費に対する補助金です。
中小企業や小規模事業者が、「経営課題や需要に合ったITツールを導入することで、業務効率化・売上アップといった経営力の向上・強化を図っていただくこと」を目的としています。
2022年度分の募集開始時期・申請期限は公表されていませんが、2021年と比べて制度の概要が変わっているため紹介しておきます。
補助金名 |
IT導入補助金 |
---|---|
受給資格・条件 |
※こちらはまだ公表されていないため、前年度の内容を記載致します。 |
補助金額 |
上限350万円 |
申請期限 |
2022年1月31日現在、制度設計中 |
必要書類 |
・本人確認書類 |
管轄省庁/申請先 |
経済産業省/一般社団法人サービスデザイン推進協議会 |
申請のしかた |
電子申請 |
問い合わせ窓口など |
サービス等生産性向上IT導入支援事業 コールセンター |
ポイントとなるのは、
◎ITツールの導入費用に特化している
ことです。
個人事業者の場合、業種は商業・サービス業・製造業その他と幅広く認められていますが、いずれも「事業のためにITツールを導入したい」という場合にのみ申請ができます。
また、前年と大きく違う点が2つあります。
1)類型が変更
→2021年まではA類型・B類型と設定されていたところが、2022年では「デジタル化基盤導入類型」と「複数社連携IT導入類型」へと変更になっています。
2)インボイス制度導入対応を見据えた企業間でデジタル化の強化
どう変わったのか見ていきましょう。
まず、1)類型の変更については、文字通り支給要件を定めた型が変わりました。同時に、支給額も変更になっています。
今回の変更では下記のように定められています。
類型名 | デジタル化基盤導入類型 | 複数社連携IT導入類型 | |||
補助額 | ITツール | PC等 | レジ等 | a. デジタル化基盤導入類 型の対象経費 ⇒左記と同様 b. それ以外の経費 ⇒補助上限額は50万円× 参加事業者数、補助率は 2/3 (1事業あたりの補助上限額 は、3,000万円((a)+(b)) 及び事務費・専門家費) |
|
~50万円 |
50万円超~ |
~10万円 | ~20万円 | ||
補助率 | 3/4 | 2/3 | 1/2 | ||
対象経費 | ソフトウェア購入費、クラウド利用費(クラウド利用料2年分)、ハードウェア購入費、導入関連費 【複数社連携IT導入類型のみ】事務費・専門家費 |
大きな変更点としては、ツール種類ごとに補助額と補助率が設定されたことです。
これまで、申請要件として含まねばならぬものは定められていましたが、ツール種類ごとでの補助率変動などは定めず、一律1/2以内の補助率となっていました。今回は、これまで同様にITツール枠は存在しますが、加えてPCやレジ等といった区分が明確に分けられています。
また、もうひとつ大きな変更点としては、「複数社連携IT導入類型」という類型が定められてことです。
この類型は、複数企業が連携してITツールを導入する取り組みを補助するものとなります。
特徴的なのは、ツールの導入以外にも連携のサポートをしてくれる専門家や、コーディネートにかかる費用などを補助してくれる点。
ここで対象となるのは会計ソフトや決済ソフトなどの「基盤導入経費」、キャッシュレスシステムや需要予測システムなどの「消費動向等分析経費」、専門家やへの依頼などにかかる「事務費・専門家費」の3項目となります。
次に2)のインボイス制度導入対応を見据えた企業間でデジタル化の強化についてです。
インボイス制度とは、簡単に言えば請求書を保存しなさい、と定める制度です。
2023年10月1日より施行され、売り手側は買い手側から求められた請求書を発行し、買い手側はその請求書を保存することが義務付けられます。所定の記載要件を満たした請求書を発行・保存することにより、消費税の仕入額控除を受けることが可能となります。
この控除を受けるためには、売り手側が「適格請求書発行事業者」と認定される必要があり、その為には免税事業者の場合は課税事業者へと変更する必要が出る場合があります。免税事業者から課税事業者への変更は、会計基準などが大きく違うため、経理処理対応のための会計ソフト見直しや、受発注をスムーズにおこなうための受発注システム導入などの検討を求められます。また、買い手側は請求書の保存が適切にできる状態をつくる必要が発生します。
今回のインボイス制度導入対応を見据えた企業間デジタル化の強化は、こういった背景に対応するためのITツール導入をサポートする意図が込められています。
まだインボイス制度への対応をおこなっていない事業者の方は、これを機に検討してみてはいかがでしょうか。
3. 個人事業主が受けられる新型コロナ関連の助成金

コロナ関連では助成金制度もいろいろと用意されています。
中でも個人事業主が受けられる代表的なものは以下の「雇用調整助成金」です。
3-1. 雇用調整助成金(新型コロナ特例)
「雇用調整助成金」は、新型コロナウイルスの影響で休業した機関がある事業主に対して、休業手当の一部を補助してくれる助成金です。
概要は以下の表のとおりです。
都度更新や変更が入る可能性がありますので、申請前にはかならず厚生労働省ホームページの「雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)」ページを確認してください。
助成金名 |
雇用調整助成金(新型コロナ特例) |
|||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
受給資格・条件 |
以下の条件を満たす全ての業種の事業主 |
|||||||||
助成金額 |
(平均賃金額(※) × 休業手当等の支払率)× 下表の助成率
|
|||||||||
必要書類 |
◎雇用調整事業所の事業活動の状況に関する申出書 |
|||||||||
管轄省庁/申請先 |
厚生労働省/労働局、ハローワーク |
|||||||||
申請のしかた |
・管轄の労働局またはハローワークに提出 |
|||||||||
問い合わせ窓口など |
学校等休業助成金・支援金、雇用調整助成金コールセンター |
この制度のポイントは、
◎すべての業種の事業主に適用される
という点です。
コロナの影響で売り上げが5%以上下がり、休業した期間があれば、業種を問わず申請できるので、対象となる事業主は多いでしょう。
申請書類は多いですが、個々のケースによっては必要ないものもありますので、まずは近くの労働局かハローワークに相談してみるのがおすすめです。
4. 個人事業主が受けられる新型コロナ関連の融資制度

ここまでは、コロナ関連で国から「お金がもらえる」制度について説明してきました。
が、それ以外にも、「お金が有利に借りられる」制度もあります。
この章では、そんな融資制度についても説明しておきましょう。
4-1. セーフティネット保証
「セーフティネット保証」とは、自然災害などにより安定した経営ができなくなった中小企業・小規模事業者の資金繰りを支援するため、信用保証協会が一般保証とは別枠で、融資額の100%を保証してくれる制度です。
この制度が、新型コロナで経営危機におちいった企業にも適用されています。
概要は以下のとおりです。
制度名 |
セーフティネット保証 |
---|---|
適用資格・条件 |
・指定地域において1年間以上継続して事業を行っていること |
保証料率 |
おおむね1%以内(危機関連保証については0.8%以内)で、各信用保証協会毎および各保証制度毎に定められている |
保証限度額 |
・保証割合:100%保証 |
必要書類 |
・認定申請書 |
管轄省庁/申請先 |
中小企業庁 |
申請のしかた |
・金融機関を通じた代行申請 |
問い合わせ窓口など |
最寄りの信用保証協会 |
この制度のポイントは、
◎1年以上事業を継続していれば申し込める(2020年12月現在)
という点です。
また、申請できる期間も延長されるなど、内容はときどき更新されることがありますので、確認してみてください。
4-2. 新型コロナウイルス感染症特別貸付
「新型コロナウイルス感染症特別貸付」は、日本政策金融公庫の貸付制度です。
新型コロナウイルスの影響により、一時的に経営が悪化している中小企業で、中長期的には業績が回復すると認められたものには、最高6億円までの貸し付けを行ってくれます。
その内容は以下の通りです。
制度名 |
新型コロナウイルス感染症特別貸付 |
---|---|
適用資格・条件 |
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、次のいずれにも当てはまる方 |
利率 |
基準利率:1.21%~1.70% |
融資限度額 |
8,000万円(通常とは別枠) |
必要書類 |
・借入申込書 |
管轄省庁/申請先 |
日本政策金融公庫 |
申請のしかた |
直接貸付 |
問い合わせ窓口など |
この貸付制度のポイントは、
◎コロナのせいで売上が落ちたが、今後は回復・発展が見込まれる事業者が対象
◎日本政策金融公庫の直接貸し付けであること
という点です。
申し込み後には面談があり、資金の使い道や事業の状況について聞かれます。
その審査に通れば、融資が受けられるという流れです。
融資を受けたい人は、まずは近くの日本政策金融公庫の支店に相談してみましょう。
4-3. 小規模事業者経営改善資金融資制度(マル経融資)
「小規模事業者経営改善資金融資制度」は、通称「マル経融資」と呼ばれる日本政策金融公庫の融資制度です。
小規模事業者の経営をバックアップするために、商工会議所の推薦にもとづき無担保・無保証人で融資を受けることができます。
制度名 |
小規模事業者経営改善資金融資制度(マル経融資) |
---|---|
適用資格・条件 |
新型コロナウイルス感染症の影響により、最近1ヵ月の売上高または過去6ヵ月(最近1ヵ月を含む)の平均売上高が前年または前々年の同期と比較して5%以上減少しているまたはこれと同様の状況にある方 |
利率 |
当初3年間:0.9% |
融資限度額 |
通常の融資額 + 別枠1,000万円 |
必要書類 |
◎前年・前々年の決算書(または収支内訳書)および確定申告書 |
管轄省庁/申請先 |
日本政策金融公庫 |
申請のしかた |
加入している商工会議所、商工会の推薦を受けてから、日本公庫各支店の中小企業事業の窓口に申し込み |
問い合わせ窓口など |
日本政策金融公庫 |
この融資のポイントは、
◎商工会議所、商工会または都道府県商工会連合会の経営指導と推薦を受ける必要がある
ことです。
そのため、融資を希望する場合は、まず加入している商工会、商工会議所などに相談することから始めます。
ただ、マル経融資は原則的に、
・その商工会議所、商工会の地域で1年以上事業を営んでいること
・商工会議所、商工会の経営指導を6か月以上受けていること
が条件になっています。
これから商工会や商工会議所に加入しても、融資を受けられるのはだいぶ先になってしまいますので、注意してください。
5. よくある質問

ここまで、新型コロナウイルスの影響で経営が悪化した事業者に対して、国や公的機関から受けられる補助金、融資などをご紹介しました。
では、これらの制度についてもっと知りたい、という人のために、よくある質問に関して回答していきましょう。
5-1. 補助金や優遇制度はどこで探せばいい?
コロナ関連の補助金や優遇制度などについては、自治体や商工会などさまざまなところで相談できますし、インターネットで調べることもできます。
特におすすめなのは、
◎経済産業省・中小企業庁の中小企業向け補助金・総合支援サイト「ミラサポplus」
です。
中小企業や小規模事業者(個人事業主含む)向けの補助金、税優遇、出資・融資などが検索できるサイトで、経済産業省・中小企業庁が運営しているため、正確で最新な情報を知ることができます。
また、事業を運営している都道府県、市区町村、加入している商工会や商工会議所でも相談でき、適切な支援制度を教えてもらえます。
まずは一度相談してみましょう。
5-2. 制度の併用はできる?
各補助金や融資制度などの併用を考える人も多いでしょう。
その場合、制度ごとに併用できるものもあれば、できないものもあります。
たとえば、
◎小規模事業者持続化補助金 コロナ特別対応型
◎ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
◎IT導入補助金
の場合、同一事業者が同一内容で、国の他の補助事業とを併用することはできません。
受けたい補助金や制度があれば、それぞれ事前に「併用できるか」を確認しましょう。
5-3. 一度申請が締め切られたものにはもう申し込めない?
新型コロナ関連の制度は、状況の変化にあわせてたびたび更新・変更されています。
適用期間が延長されたり、適用対象が広げられたりと、より多くの事業者に支援がいきわたるように改正されているのです。
一度申請が締め切られた補助金などの支援制度でも、しばらくすると公募が再開されたり、新しい制度として募集が始まったりする可能性もあります。
「申請したかったのに、締め切られてしまった」という制度がある場合は、再開の可能性を問い合わせたり、まめにホームページをチェックするなどして見てください。
6. まとめ
いかがでしたか?
個人事業主が利用できるコロナ関連の支援制度について、よく理解できたと思います。
ではここで、記事の要点をまとめてみましょう。
◎個人事業主が受けられる給付金には、
事業復活支援金、住宅確保給付金などがある
◎個人事業主が受けられる補助金
IT導入補助金などがある
◎個人事業主が受けられる助成金
雇用調整助成金がある
◎個人事業主が受けられる融資制度
セーフティネット保証、危機関連保証などがある
ただ、コロナ関連の制度は時々刻々と更新・変更されています。
申し込みたかった給付金や助成金が締め切られてしまっていた、ということも考えられます。
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