2023年5月10日 基礎知識

本屋を開業するには|必要な資格・届出や開業資金、資金調達方法を解説

本屋を開業するには|必要な資格・届出や開業資金、資金調達方法を解説

話題の本や専門書、個性あふれるユニーク本など、経営者のセンスで選書できるのが本屋の魅力です。本を読むことが好きで、将来的に本屋を開業したいと考えている人も多いのではないでしょうか。

本屋の開業で成功するためには、開業前の準備が重要です。当記事では、本屋開業の流れや押えておくべきポイント、必要な資格と届出、資金調達方法について紹介します。本屋の開業を検討している方はぜひ参考にしてください。

目次

本屋を開業する流れと押さえておくべきポイント

本屋を開業する流れと押さえておくべきポイント

本屋の開業を成功させるためには、開業前の準備が非常に重要です。開業する流れと押えておくべきポイントを紹介していきます。

来店者が足を運びたくなるようなコンセプトを考える

本の販売はネット通販や大手書店チェーンなどが台頭する中での競争となるため、差別化を図ることが極めて重要です。他店舗にないようなインパクトのあるコンセプトを打ち出せれば、ファンを増やしていくことが可能です。たとえば、以下のようなコンセプトの例があります。

  • カフェを併設している本屋(ブックカフェ)
  • 宿泊ができる本屋
  • 専門書を取り扱っている本屋
  • 移動販売型の本屋
  • オンライン販売に特化した本屋
  • 入場有料の本屋
  • お客様の代わりにおすすめの本を選ぶ「選書サービス」がある本屋

コンセプトを明確にすることで、書籍やグッズのラインナップ、店舗デザインやサービス内容などに一貫性を持たせることができ、開業までの準備がスムーズになります。

出店場所を検討する

次に本屋を出店するための場所を検討します。事前に商圏調査を行い、競合店の有無や周辺の人口構成、交通網などを確認し、適切な場所かどうかを判断しましょう。出店場所を決める際は、コンセプトに沿っているかどうかを考えることも重要です。

コンセプト・ニーズに合わせた本の仕入れ先を見つける

商品ラインナップは、店舗のコンセプトにあわせて揃えるようにしましょう。本の仕入れには以下の方法があります。

  • 取次店からの仕入れ
  • 中古書店からの仕入れ
  • オンライン書店からの仕入れ
  • 個人からの仕入れ

新書を仕入れる場合は取次店を利用するのが一般的です。取次店は出版社と書店の間に入って流通を行っている事業者で、多くの本の仕入れができるほか、一定期間を過ぎても売れ残っている場合に返本できる委託販売制度があります。委託販売制度は販売手数料が発生しますが、仕入リスクを低減できる仕組みです。

また、在庫管理も重要になります。在庫を抱えすぎてしまうとコストが余分にかかってしまうので、適切な在庫数を確保するようにしましょう。

集客方法を実施する

周辺住民や来店者に店舗の存在を認知させるためにも、開業前から集客を行うことが大切です。計画的に施策を実施することで、新規顧客やリピート顧客の獲得につながります。以下に集客方法の一例を挙げます。

  • ホームページの作成
  • Googleマイビジネスの登録
  • メディアや雑誌への掲載
  • リスティング広告
  • SNSの開設・発信
  • ポスティングや新聞折込み
  • 貼り紙・ポスター

SNSは無料で始められるので、積極的に活用していきましょう。書店の雰囲気、おすすめ本、新刊、イベント情報などを定期的に投稿し、お客様に足を運んでもらえるような情報発信をしていくことがポイントです。

本屋の開業に必要な資格と届出

本屋の開業に必要な資格と届出

ここでは本屋の開業で必要な資格と届出について紹介します。開業スタイルによって追加で必要な資格届出もあるため、しっかり確認して準備を進めましょう。

古物商許可

古本などの中古品を販売する場合は、「古物商許可」が必要です。古物営業法にて「一度使用されたもの」「使用されない物品で使用のために取引されたもの」と定義されており、書籍も古物に該当します。

許可証を取得するためには所轄の警察署に申請する必要があります。許可申請料は19,000円です。取得までに40日ほどかかるので、スケジュールに余裕を持って手配しましょう。

開業届

本屋の開業にあたっては、税務署に開業届を提出する必要があります。開業届を提出することで、青色申告を選択して確定申告することが可能です。青色申告では最大65万円の所得控除を受けられるという税制面でのメリットがあります。

開業届の提出書類は国税庁のホームページからPDFファイルをダウンロードできます。提出期限は開業日から1ヶ月以内なので、忘れずに提出しましょう。

食品衛生責任者

ブックカフェのように食品を扱う営業を行う場合は、食品衛生責任者の資格が必要です。食品衛生責任者は食品の衛生管理を行っていることを証明する国家資格です。飲食を提供する経営者は、1店舗につき1名の食品衛生責任者を選任することが義務付けられています。各都道府県が実施している講習会を受けることで取得できます。

飲食店営業許可

飲食業も行う場合は、飲食店営業許可を取得する必要があります。飲食店営業許可は営業を行うために必要な認可で、食品衛生法に基づく手続きが必要となります。

まずは所轄の保健所に申請して施設検査を受けます。検査に問題がなければ、保健所から飲食店営業許可が下り、営業が可能となります。

本屋の開業資金はどれくらい?

本屋の開業資金はどれくらい?

本屋の開業資金は、1坪当たり80万円〜100万円が相場です。ただし、店舗の規模や立地条件、開業する地域によって異なります。ここで紹介する開業資金はあくまで目安なので、自身の開業に必要な費用はできるだけ正確に試算し、計画的に準備するようにしましょう。

費用

金額

物件取得費

家賃6〜10ヶ月分

内装・外装工事費

200万円〜

本棚・什器備品などの設備費

100万円〜

本の仕入れ費

新書の場合は原価率70%〜80%

広告宣伝費

5万円〜

また、開業資金を計算する際は、上記の初期費用に加えて運転資金を考慮する必要があります。運転資金は事業を運営していく上で必要なお金のことです。具体的には賃料や水道光熱費、広告費、人件費などが含まれます。本屋の場合は定期的に本を仕入れるための費用もかかります。

開業初期は思うように経営が安定しないことも想定されるため、ゆとりを持てるよう運転資金を用意しておくことが重要です。目安としては6ヶ月分の運転資金を用意しておけば経営が安定しやすいとされています。

本屋を開業するときの資金調達方法

本屋を開業するときの資金調達方法

自己資金で足りない場合は外部からの資金調達を検討する必要があります。ここでは本屋を開業するときに役立つ資金調達方法について紹介します。

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は日本政府が出資している政府系金融機関です。中小企業や小規模事業者を対象に、低金利で様々な融資制度を提供しています。開業時に検討したいのは「新創業融資制度」です。事業実績がない創業期の経営者を支援する融資制度で、無担保・無保証人で最大3,000万円の融資を受けることが可能です。

補助金・助成金

補助金・助成金は国や地方自治体が行っている返済不要のお金です。たとえば、小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が行う販路開拓や生産性向上の取り組みを支援する制度で、上限50万円まで(補助率2/3まで)費用の一部を補助してくれます。受給条件に該当するものがあれば積極的に活用しましょう。

補助金・助成金の内容は随時更新されているので、日頃からチェックしておくことをおすすめします。

クラウドファンディング

クラウドファンディングは、インターネット上で不特定多数の第三者から資金を募る資金調達方法です。事業内容をプレゼンし、事業に賛同してくれた人から資金を集める仕組みです。また、インターネットを使って事業内容の魅力を伝えることになるため、話題になればプロモーション効果も期待できます。

資金調達の選択肢を広げるなら「freee資金調達」

資金調達の選択肢を広げるなら「freee資金調達」

本屋の開業で成功するためには、開業前の準備が重要です。お客様に足を運んでもらうためにも、入念なコンセプトづくりがかかせません。出店場所・集客対策・必要な資金をしっかりと検討した上で、理想の本屋を実現しましょう。

また、開業後はなかなか経営が軌道に乗らなかったり、急に資金が必要になったりすることも想定されます。自社にあった資金調達方法を知り、あらゆる状況に対応できるように準備しておくことが大切です。

freee資金調達」は、Web上に条件を入力するだけで、補助金・銀行融資・ビジネスローン・ファクタリングなど、様々な資金調達方法から自社に最適なものを見つけられるサービスです。

freee資金調達の特徴は以下の通りです。

・入力条件をもとに各金融機関で実際に融資を受けられる可能性があるかを予測

※「可能性診断」機能つき

・即日利用開始可能で急な資金繰りにも対応

※登録時間はわずか10分

・一度入力した情報は保存されるので、また資金が必要になった際にもすぐに調達手段を確認できる

freee資金調達は無料で利用できます。「資金を調達したいけれど、自社に適した調達手段がわからない」という方は、ぜひfreee資金調達を活用し、融資選定や資金繰りにお役立てください。

資金調達手段の利用可能性を診断できる「freee 資金調達」

即日利用可能な複数の資金調達手段を、金額や利率・手数料、調達までの所要期間など調達可能性とともに見比べ、オンラインで申込できるサービスです。登録時間はわずか10分、一度情報を入力すれば自動診断を継続的に確認できます。

  • ローン商品や給付金等の情報は、特に断りがない限り記事公開現在のものです。最新の情報は各金融機関のホームページや公式サイトでご確認ください。
  • freee資金調達はお客様のサービス選択時の参考情報提供を目的としており、特定の金融機関、ローン商品の優劣を示したものではありません。
  • 各金融機関の審査結果によっては利用できない場合があります。

カテゴリ「基礎知識」内の他の記事

関連記事

カテゴリ

すべてのタグ

freeeのサービス

最新記事

月別アーカイブ