【2023年版】宿泊業が活用できる補助金・助成金8つ|採択事例もあわせて紹介

国内の旅行ニーズやインバウンド需要が回復傾向にあることから、国や地方自治体は観光促進のため積極的に補助金・助成金の募集を行っています。本記事では、宿泊業におすすめの補助金・助成金と採択事例を紹介します。ぜひ参考にしてください。
※補助金・助成金の内容は記事執筆時点の情報です。各補助金・助成金の最新情報は省庁や自治体の公式ページをご確認ください。
目次

ホテル・旅館・宿泊業におすすめの補助金・助成金

ホテル・旅館などの宿泊業におすすめの補助金・助成金を8つ紹介します。
- インバウンド受入環境整備高度化事業
- 持続可能な観光の促進に向けた受入環境整備事業
- 【東京都】インバウンド対応力強化支援補助金
- 【東京都】宿泊施設バリアフリー化支援補助金
- 事業再構築補助金
- 小規模事業者持続化補助金
- IT導入補助金
- 人材確保支援助成金
上記の補助金・助成金はあくまで一例です。地域によっては独自で募集しているものもあります。新しい補助金・助成金は随時更新されるため、常にアンテナを張り、自社に活用できるものがないか定期的にチェックしましょう。
インバウンド受入環境整備高度化事業
インバウンド受入環境整備高度化事業は、訪日観光客の周遊および消費拡大を目的とした制度です。より快適で魅力のある体験を提供するための取り組みを支援する事業を支援しています。キャッシュレス化やICTなどを活用した観光地の受入環境整備が主な対象です。
支給対象 |
訪日外国人旅行者の来訪が特に多い、またはその見込みがある市区町村として観光庁が指定した地域 |
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対象経費 |
観光スポットの多言語化、無料Wi-Fiの整備、AIチャットボットの導入 、トイレの高機能化及び洋式便器の整備、観光案内所などの整備・改良、キャッシュレス化、ICTを活用したゴミ箱の整備、ワーケーション環境の整備、グランピング環境の整備、段差の解消 |
補助率 |
1/2〜1/3 |
持続可能な観光の促進に向けた受入環境整備事業
持続可能な観光の促進に向けた受入環境整備事業は、オーバーツーリズムの未然防止や自然環境・文化などの地域資源の保全・活用に関する整備費用に対して資金サポートを行う制度です。地域と旅行者の両者がメリットを享受できる、持続可能な観光を促進することを目的としています。
支給対象 |
地方公共団体、観光地域づくり法人(DMO)、民間事業者 |
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対象経費 |
・トイレの有料化に係る整備 ・入域料・協力金徴収のためのオンラインなどによる徴収システムとその徴収に必要な整備 ・自然保護のための保護柵、遊歩道などの整備 ・景観に配慮した工作物の整備 ・光害防止のための照明の整備 ・バイオトイレなどの整備 ・ペットボトル削減のための給水機などの整備 ・パークアンドライドのための駐車場の整備 ・マナー啓発のためのコンテンツ制作、設備整備 ・混雑平準化・解消のための予約システムの整備 ・混雑平準化・解消のための混雑状況の可視化に資するシステムの整備 |
補助率 |
1/2 |
【東京都】インバウンド対応力強化支援補助金
インバウンド対応力強化支援補助金は、東京都内の宿泊施設、飲食店などを対象とした制度です。都内に訪れる外国人旅行者の利便性や快適性を向上させるため、新たに実施する受入対応強化に関する取り組みを支援しています。
支給対象 |
東京都内の宿泊施設、飲食店、免税店など運営する事業主 |
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対象経費 |
【インバウンド対応力強化のために新たに実施する事業にかかる経費】 多言語対応、公衆無線LANの設置、クレジットカードや電子マネーなどの決済機器の導入、館内および客室内トイレの洋式化、外国人旅行者の受入対応、アクセシブル・ツーリズムに係る人材育成、災害時における外国人旅行者の受入対応 |
補助額 |
300万円/1施設・店舗・営業所 ※無線LAN設置の場合は、設置箇所数に15,000円を掛けた金額と補助対象経費の1/2の金額のいずれか低い方の金額を適用 |
補助率 |
1/2 ※「災害時における外国人旅行者の受入対応」に関しては2/3 |
インバウンド対応力強化支援補助金|TCVB 公益財団法人 東京観光財団
【東京都】宿泊施設バリアフリー化支援補助金
宿泊施設バリアフリー化支援補助金は、バリアフリー化に取り組む宿泊事業者を対象に施設整備などにかかる経費の一部を補助する制度です。なお、対象経費や延床面積に応じて補助額・補助率が異なります。
支給対象 |
都内において旅館・ホテル営業、または簡易宿所営業を行っている施設 |
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対象経費 |
施設整備、客室整備、備品購入、実施設計、コンサルティング |
補助額 |
100万円〜9,600万円 |
補助率 |
2/3〜9/10 |
宿泊施設バリアフリー化支援補助金/TCVB 公益財団法人 東京観光財団
事業再構築補助金
事業再構築補助金は、新分野展開や事業転換、事業再編などに挑戦する中小企業を支援する制度です。取り組み内容に応じて複数の申請枠が用意されています。グリーン分野での事業再構築を実施する事業者を対象としたグリーン成長枠の場合、中小企業であれば補助上限1.5億円、補助率1/2です。
事業再構築補助金の対象経費には「建物費」が含まれています。宿泊業であれば既存施設のリノベーションや客室の改修・内装工事など大規模な設備投資に活用できます。
第10回公募からは、新型コロナウイルスや物価高などにより業況が厳しい事業者が業態変換や新分野にチャレンジする物価高騰対策・回復再生応援枠が新たに追加されました。
支給対象 |
新分野転換や業態転換、業種転換、事業再編などに取り組む事業者 |
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対象経費 |
建物費、機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費 |
補助額 |
・成長枠:100万円〜7,000万円 ・グリーン成長枠:100万円~1.5億円 ・卒業促進枠:成長枠・グリーン成長枠の補助金額上限に応じて変動 ・大規模賃金引上促進枠:100万円~3,000万円 ・産業構造転換枠:100 万円~7,000万円 ・最低賃金枠:100万円〜1,500万円 ・物価高騰対策・回復再生応援枠:100万円~3,000万円 |
補助率 |
1/2〜3/4 |
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者補助金は、小規模事業者が取り組む販路開拓や生産性向上を支援する制度です。
小規模事業者持続化補助金の小規模事業者は明確に定義づけられており、ホテル・旅館などの宿泊業は「サービス業のうち宿泊業・娯楽業」に該当し、常時使用する従業員の数が20人以下の事業者が対象となっています。
補助金額は最大で250万円です。認知拡大のためのホームページ制作や広告などの集客施策に活用できます。
支給対象 |
販路開拓や生産性向上の取組などに取り組む小規模事業者 |
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対象経費 |
機械装置費、広報費、展示会出展費、旅費、開発費、資料購入費、雑役務費、借料、専門家謝金、専門家旅費、設備処分費、委託費、外注費 |
補助額 |
・通常枠:50万円 ・賃金引上げ枠:200万円 ・卒業枠:200万円 ・後継者支援枠:200万円 ・創業枠:200万円 ・インボイス特例:50万円 |
補助率 |
2/3 ※賃金引上げ枠の場合、赤字事業者は3/4 |
IT導入補助金
IT導入補助金は、課題を解決するために必要なITツールの導入にかかった費用の一部を補助する制度です。IT導入補助金の公式ホームページに記載されているITツールが補助対象です。宿泊業のIT導入補助金ツール導入例として、以下のようなものが挙げられます。
- 在庫管理システム
- 売上管理システム
- 予約管理システム
- ホームページ作成
- 給与管理システム
- シフト管理システム
- 顧客管理
- マーケティング施策
たとえば、予約管理システムでは24時間365日予約受付したり、電話や自社ホームページ、予約サイトなど全ての予約経路を一元管理できる機能を搭載しています。さらに顧客の様々な情報を蓄積できるため、より質の高いサービスを提供する際の参考になるでしょう。
ITツールを導入することで業務が効率化され、コスト削減や人手不足などの経営課題の改善に役立ちます。自社の課題に合わせて適切なツールを選定しましょう。
支給対象 |
ITツールを導入する中小企業・小規模事業者 |
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対象経費 |
ソフトウェア購入費、クラウド利用料、導入関連費、ハードウェア購入費 |
補助額 |
・通常枠A類型:5万円〜150万円 ・通常枠B類型:50万円~450万円 ・セキュリティ対策推進枠:5万円~100万円 ・デジタル化基盤導入枠:(下限なし)~50万円以下、もしくは50万円超~350万円 |
補助率 |
1/2〜3/4 |
人材確保支援助成金
人材確保等支援助成金は、魅力ある職場づくりのために労働環境の向上を図る事業主を支援する制度です。取り組み内容に応じて9つのコースがあります。
宿泊業であれば、諸手当制度、研修制度など離職率を下げる取り組みで受給できる雇用管理制度助成コースや、人事評価制度の整備で受給できる人事評価改善等助成コースなどが活用できるでしょう。
支給対象 |
従業員の離職率の低下に取り組む事業者 |
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助成額 |
・雇用管理制度助成コース:57万円(生産性要件を達成した場合は72万円) ・人事評価改善等助成コース:80万円 |
宿泊業の補助金採択の事例

宿泊業の補助金採択の事例を紹介します。補助金を活用する際の参考にしてください。
オートキャンプ場施設の展開(事業再構築補助金)
宿泊施設を営んでいた事業者は、コロナ禍の影響により収入が減少。逆に、コロナ禍で増加したキャンプ需要を受けて、新たにオートキャンプ場施設の経営を開始しました。事業再構築補助金を活用し、機械装置・システム構築費などに充てています。
キャンプ場事業は外国人観光客が徐々に増えていることもあり、インバウンド需要も十分に期待できる産業です。既存の宿泊業でのノウハウを活かしながら、新しい顧客層の獲得ないし、経営の安定を図ります。
参照:中小機構|事業再構築補助金 補助金交付候補者の採択事例紹介
集客施策による認知度・顧客満足度の向上(小規模事業者持続化補助金)
主要顧客であった訪日外国人観光客に対し、来店機会の増加と効果的な集客のための事業を実施しました。小規模事業者持続化補助金を活用して、自社の民泊体験イベントをPRするチラシを多言語(3カ国語)で3,000枚作成。来店客や訪日外国人受け入れ団体への配布およびDMによる周知活動を行い、認知度アップを図りました。
また、店舗の案内誘導看板を設置するとともに、店舗入口看板と玄関を改修。顧客満足度の向上により、口コミによる新規顧客の開拓やリピーターの増加につながっています。
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宿泊業の事業者が補助金・助成金を活用すれば、これまでコストがネックとなって実施できなかった新規事業の展開や設備投資、PR活動などのコスト負担を抑えるのに役立ちます。自社の課題・インバウンド需要の動向などを確認しながら、自社に合った補助金・助成金を活用するようにしましょう。
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