【2023年版】製造業に活用できるおすすめの補助金・助成金6つ|採択事例もあわせて紹介

製造業の維持と発展には、積極的な設備投資・人材確保が欠かせません。しかし、資金を確保できず、課題を抱えている事業者が多いのも事実です。本記事では、製造業におすすめの補助金・助成金とそれらの採択事例を紹介します。ぜひ参考にしてください。
※補助金・助成金の内容は記事執筆時点の情報です。各補助金・助成金の最新情報は省庁や自治体の公式ページをご確認ください。
目次

製造業におすすめの補助金・助成金

製造業におすすめの補助金・助成金を6つ紹介します。
- ものづくり補助金
- 事業再構築補助金
- IT導入補助金
- 小規模事業者持続化補助金
- 業務改善助成金
- トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)
ものづくり補助金
ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者が実施する試作品開発や生産プロセスの改善に対する取り組みに対して、かかった費用の一部を補助する制度です。正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」といい、製造業に限らず小売業やサービス業などでも利用できます。
ものづくり補助金で対象となる主な経費は設備投資です。たとえば、パン製造業であれば新しいパンの製造機械を購入する費用として活用可能です。一方、キッチンカーで新規事業を展開する場合、「車両費」は含まれていないため補助金は支給されません。何が対象経費であるかは、しっかり確認しておく必要があります。
支給対象 |
試作品の開発・生産プロセスの改善に取り組む中小企業・小規模事業者 |
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対象経費 |
機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費 |
補助額 |
・通常枠:100万円〜1,250万円 ・回復型賃上げ・雇用拡大枠:100万円〜1,250万円 ・デジタル枠:100万円〜1,250万円 ・グリーン枠:100万円〜4,000万円 ・グローバル市場開拓枠:100万円〜3,000万円 ●大幅賃上げに係る補助上限額引上の特例 ※従業員数に応じて上限が引き上がる ・5 人以下 :各申請枠の上限から最大100万円引き上げ ・6~20人:各申請枠の上限から最大250万円引き上げ ・21人以上 :各申請枠の上限から最大1,000万円引き上げ |
補助率 |
1/2~2/3 |
事業再構築補助金
事業再構築補助金は、思い切った挑戦により事業を再構築する企業をサポートする制度です。事業再構築の対象となる取り組みは幅広く、製造業のままで新規事業を立ち上げる「新分野展開」、製造業を辞めて別事業にチャレンジする「業種転換」などが含まれています。
補助対象となる経費は建物費、機械装置・システム構築費や、広告宣伝費など幅広くなっています。補助額が最大1.5億円万円と高額なため、大規模な設備投資を行いたい事業者は優先して活用したい補助金です。
ただし、条件の一つとして事業規模の要件を満たす必要があります。製造業では資本金が3億円以内、常時雇用する従業員数が300人以内の場合に対象となります。他にも申請する枠によって追加で要件が設けられているため、しっかり確認しておきましょう。
支給対象 |
新分野転換や業態転換、業種転換、事業再編などに取り組む事業者 |
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対象経費 |
建物費、機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費 |
補助額 |
・成長枠:100万円〜7,000万円 ・グリーン成長枠:100万円~1.5億円 ・卒業促進枠:成長枠・グリーン成長枠の補助金額上限に応じて変動 ・大規模賃金引上促進枠:100万円~3,000万円 ・産業構造転換枠:100 万円~7,000万円 ・最低賃金枠:100万円〜1,500万円 ・物価高騰対策・回復再生応援枠:100万円~3,000万円 |
補助率 |
1/2〜3/4 |
IT導入補助金
IT導入補助金は、自社の課題解決や生産性向上のためのITツール導入に際し、その費用の一部を補助する制度です。
少子高齢化による労働力人口が減少している現状において、製造業に関しても人手不足は経営課題の一つとなっています。。適切な人材配置ができず、業務が思うように進まないこともあるでしょう。
ITツールを導入することで業務が効率化され、従業員の負担を軽減することにつながります。製造業のITツールとしては、在庫管理システムも活用事例の一つです。すべての在庫を可視化・管理することで、過剰在庫や在庫不足を削減するのに役立ちます。
支給対象 |
ITツールを導入する中小企業・小規模事業者 |
---|---|
対象経費 |
ソフトウェア購入費、クラウド利用料、導入関連費、ハードウェア購入費 |
補助額 |
・通常枠A類型:5万円〜150万円 ・通常枠B類型:50万円~450万円 ・セキュリティ対策推進枠:5万円~100万円 ・デジタル化基盤導入枠:(下限なし)~50万円以下、もしくは50万円超~350万円 |
補助率 |
1/2〜3/4 |
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が持続的に経営の安定化を図れるよう支援する制度です。生産性向上のための設備投資や、販路開拓のためのホームページ作成や広告掲載などに活用されています。補助金額は最大で250万円まで受けることが可能です。
なお、製造業が小規模事業者持続化補助金を申請するためには、小規模事業者の要件を満たす必要があります。製造業の場合は、常時使用する従業員の数が20人以下の事業者が対象であるため注意が必要です。
支給対象 |
販路開拓や生産性向上の取組などに取り組む小規模事業者 |
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対象経費 |
機械装置等費、広報費、展示会等出展費、旅費、開発費、資料購入費、雑役務費、借料、専門家謝金、専門家旅費、設備処分費、委託費、外注費 |
補助額 |
・通常枠:50万円 ・賃金引上げ枠:200万円 ・卒業枠:200万円 ・後継者支援枠:200万円 ・創業枠:200万円 ・インボイス特例:50万円 |
補助率 |
2/3 ※賃金引上げ枠の場合、赤字事業者は3/4 |
業務改善助成金
業務改善助成金は、機械設備や人材育成など生産性向上のための投資を行い、事業場内の最低賃金を一定額以上(コースによって異なる)引き上げた場合、その際にかかった費用の一部を助成する制度です。
なお、助成額は生産性向上にかかった費用に一定の助成率をかけた金額と助成上限額を比較し、いずれか安い方の金額が適用されます。たとえば、設備投資の額が300万円、助成率が4/5、助成限度額が230万円の場合、助成額は230万円です。
支給対象 |
日本国内に事業場を設置している事業者 |
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助成額 |
・30円コース:30万円〜130万円 ・45円コース:45万円〜130万円 ・60円コース:60万円〜300万円 ・90円コース:90万円〜600万円 |
助成率 |
・900円未満:9/10 ・900円以上:4/5(9/10) ・950円未満:4/5(9/10) ・950円以上:3/4(4/5) ※()内は生産性要件を満たした場合に適用 |
トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)
トライアル雇用助成金は、就職が困難な求職者を一定期間(原則3ヶ月)雇用した事業者に対して助成する制度です。雇用における「試用期間」と異なり、トライアル雇用中に職務に適性がないと判断した場合は、トライアル終了後に常用雇用する義務はありません。
求職者にとっては職業選択の幅が広がり、事業主にとっては助成金をもらいつつ自社に適した人材を探せるというように、双方にメリットがある制度です。
支給対象 |
求職者を一定期間雇用した事業者 |
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助成額 |
月額最大4万円/人(最長3ヶ月) ※対象者が母子家庭の母または父子家庭の父の場合、1人につき月額5万円 |
製造業の補助金採択の事例

製造業の採択事例を参考にすることで、活用のイメージがしやすくなります。ここでは2つの採択事例を紹介します。
RPA導入による業務効率化(IT導入補助金)
食品製造・販売業を行っている企業は、受発注管理を複数のExcelで管理しているため転記ミスが発生していました。
昨今の働き方改革の流れを受け、業務を効率化するためにIT導入補助金を活用してRPAツールを導入。売上管理業務を自動化することで、1日15分の業務時間の削減を実現しています。
バネ生産設備の製造から航空・宇宙エンジン部品事業に進出(事業再構築補助金)
国内外の自動車部品・鉄道車両メーカー等から生産設備を個別に受注・設計・製作するプラント事業を手掛ける企業の事例です。同社は、外部環境の動向に影響を受けやすい点が課題でした。
コロナ禍により業績が落ち込んだことをきっかけに、航空・宇宙エンジン部品事業へ進出することを決断。プラント事業で培った生産・加工技術を活かし、航空機エンジンとロケットエンジンの燃焼室部品の生産に着手しました。機械設備取得のための投資として、事業再構築補助金が活用されています。
参照:中小機構|事業再構築補助金 採択事例紹介「株式会社モリタアンドカンパニー」
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製造業に必要な設備やツールなどの資金調達方法として、補助金・助成金は有効な手段の一つです。ただし、補助金の種類によって目的や補助上限額が異なります。スムーズに資金を調達するためにも、内容をしっかり理解した上で自社にあった補助金・助成金を活用しましょう。
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