【2023年版】飲食店が活用できる補助金・助成金6つ|採択事例もあわせて紹介

補助金・助成金は返済不要のお金であり、資金難に苦しむ飲食店の一助となる制度です。常に最新情報を確認して、積極的に活用することをおすすめします。本記事では、飲食店が利用できる補助金・助成金と採択事例を紹介します。ぜひ参考にしてください。
※補助金・助成金の内容は記事執筆時点の情報です。各補助金・助成金の最新情報は省庁や自治体の公式ページをご確認ください。
目次

飲食店におすすめの補助金・助成金

飲食店におすすめの補助金・助成金を6つ紹介します。
- 事業再構築補助金
- 産業雇用安定助成金(事業再構築支援コース)
- 小規模事業者持続化補助金
- 雇用調整助成金
- IT導入補助金
- 【東京都】飲食事業者の業態転換支援事業
内容や対象をしっかり確認した上で活用しましょう。
事業再構築補助金
事業再構築補助金は、中小企業がポストコロナ時代の経済環境に対応するため、思い切った事業再構築をする場合に支援する制度です。
飲食店の例)
- 実店舗からキッチンカーへの業態転換
- テイクアウト事業の開始
日本経済の構造転換を促すことを目的としており、事業者の取り組みに応じて以下の7つの枠が設けられています。
- 成長枠
- グリーン成長枠
- 卒業促進枠
- 大規模賃金引上促進枠
- 産業構造転換枠
- 最低賃金枠
- 物価高騰対策・回復再生応援枠
支給対象 |
新分野転換や業態転換、業種転換、事業再編などに取り組む事業者 |
---|---|
対象経費 |
建物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費 |
補助額 |
・成長枠:100万円〜7,000万円 ・グリーン成長枠:100万円~1.5億円 ・卒業促進枠:成長枠・グリーン成長枠の補助金額上限に応じて変動 ・大規模賃金引上促進枠:100万円~3,000万円 ・産業構造転換枠:100 万円~7,000万円 ※廃業を伴う場合は廃業費を最大2,000万円上乗せ ・最低賃金枠:100万円〜1,500万円 ・物価高騰対策・回復再生応援枠:100万円~3,000万円 |
補助率 |
1/2〜3/4 |
産業雇用安定助成金(事業再構築支援コース)
産業雇用安定助成金は、雇用を維持するための制度です。新型コロナウイルスの影響などにより事業を一時的に縮小せざるを得なかった事業者が、新規事業などで事業再構築を行うために必要な人材を雇い入れる場合の支援を行います。
令和5年4月1日以降に中小企業庁が実施する「事業再構築補助金」の応募書類を提出し、交付決定を受けていることが前提です。また、産業雇用安定助成金(事業再構築支援コース)の支給対象は、事業再構築補助金の「物価高騰対策・回復再生応援枠」と「最低賃金枠」を申請した事業者のみである点に注意する必要があります。
支給対象 |
「事業再構築補助金」の応募書類を提出し、交付決定を受けている事業者 ※第11回公募要領の「物価高騰対策・回復再生応援枠」および「最低賃金枠」に限る |
---|---|
対象経費 |
建物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費 |
補助額 |
中小企業:280万円/人(1事業主最大5人まで) 中小企業以外:200万円/人(1事業主最大5人まで) |
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者の事業継続・発展を支援する補助金です。経営計画を作成し、その計画に沿って行う販路開拓や生産性向上にかかる費用の一部を補助します。
飲食店の例)
- 新メニュー開発による新規顧客開拓
- 厨房設備の増設
小規模事業者持続化補助金は、以下の5つの枠で申請可能です。
- 通常枠
- 賃金引上げ枠
- 卒業枠
- 後継者支援枠
- 創業枠
上記の枠に加えてインボイス特例が設けられており、要件を満たすと指定した枠の上限額に50万円が上乗せされます。
支給対象 |
販路開拓や生産性向上の取組などに取り組む小規模事業者 |
---|---|
対象経費 |
機械装置等費、広報費、展示会等出展費、旅費、開発費、資料購入費、雑役務費、借料、専門家謝金、専門家旅費、設備処分費、委託費、外注費 |
補助額 |
・通常枠:50万円 ・賃金引上げ枠:200万円 ・卒業枠:200万円 ・後継者支援枠:200万円 ・創業枠:200万円 ・インボイス特例:50万円 |
補助率 |
2/3 ※賃金引上げ枠の場合、赤字事業者は3/4 |
雇用調整助成金
雇用調整助成金は、雇用の安定を目的とした制度です。休業手当・教育訓練・出向の経費など、事業者が従業員に対して支払った費用の一部を補助します。支給対象は雇用保険の適用事業主ですが、被保険者以外の場合でも緊急雇用安定助成金として支給されています。
支給対象 |
雇用保険の適用事業主 |
---|---|
対象経費 |
休業手当、教育訓練・出向にかかる経費 |
補助額 |
対象労働者1人あたり8,490円(令和5年8月1日時点) |
補助率 |
中小企業:2/3 中小企業以外:1/2 |
IT導入補助金
IT導入補助金は、生産向上・プロセス改善に必要なITツールを導入する際にかかる費用の一部を補助する制度です。
飲食店の例)
- 在庫管理システム導入による廃棄ロスの軽減
- セルフレジ導入による業務効率化
- シフト管理ツール導入による管理業務の効率化
導入できるITツールは、IT導入補助金の公式サイトで登録されたもののみです。IT導入補助金には、「通常枠」「セキュリティ推進枠」「デジタル化基盤導入枠」の3つの申請枠が設けられており、金額・対象経費がそれぞれ異なります。
支給対象 |
ITツールを導入する中小企業・小規模事業者 |
---|---|
対象経費 |
ソフトウェア購入費、クラウド利用料、導入関連費、ハードウェア購入費 |
補助額 |
・通常枠A類型:5万円〜150万円 ・通常枠B類型:50万円~450万円 ・セキュリティ対策推進枠:5万円~100万円 ・デジタル化基盤導入枠:(下限なし)~50万円以下、もしくは50万円超~350万円 |
補助率 |
1/2〜3/4 |
【東京都】飲食事業者の業態転換支援事業
新型コロナウィルスの影響によって売上が低迷している都内飲食店が新たなサービスにより売上確保の取り組みを行う場合に、費用の一部を支援する制度です。新たなサービスの例として、テイクアウトや宅配、移動販売などがあります。
支給対象 |
都内で飲食店を経営する中小企業・個人事業主 |
---|---|
対象経費 |
販売促進費、車両費、器具備品費など |
補助額 |
最大100万円 |
補助率 |
4/5 |
飲食店の補助金の採択事例

飲食店における補助金の採択事例を紹介します。自店で補助金を活用する際の参考にしてください。
飲食業から小売業への業種転換(事業再構築補助金)
県内で8店舗を運営するイタリアンレストランは、地元産の食材にこだわった料理が好評です。しかし、コロナ禍の影響によって売上が7割減になる店舗がでるほど厳しい経営状況になりました。
この状況を脱するべく、第1号レストランを地産地消セレクトショップに改装しました。加工食品開発や総菜メニュー開発を行うことで、新たな需要の創出を目指しています。
さらに、非接触型オーダーアプリを開発し、業務効率化と消費者に対する地元産食材の訴求やストーリーの発信を行うなど、ファンの獲得に取り組んでいます。
参照:中小機構|事業再構築補助金 採択事例紹介「株式会社ノースコーポレーション」
店舗改修・チラシ作成による集客向上(小規模事業者持続化補助金)
地域密着型の食堂は、トイレのリフォーム工事を実施し、和式から洋式のトイレに改修しました。店内の環境を整備することで、子供連れや高齢者のお客様など新たな客層を取り込むことに成功しています。
また、子供向け新メニューの紹介と店舗改装を告知するためのチラシを作成し、新聞折り込みを実施。結果として、周辺住民からの認知度が高まりました。さらに、新メニューの提供により注文の選択肢を増やしたことで、顧客満足度の向上にもつながっています。
参照:東北経済産業局「小規模事業者持続化補助金 採択事例集」
セルフレジと急速冷凍機の導入による省人化(IT導入補助金)
お弁当屋と仕出し屋をチェーン展開する和歌山県の飲食事業者は、味と食材にこだわった弁当に定評があります。
これまでは店頭で注文を受けてから調理をして提供するスタイルを取っていました。しかし、土日のランチタイム時は2人の会計担当がレジにかかりきりになるため、調理を行う人が足りず、お弁当の提供スピードが落ちてしまい、多くの顧客がレジの前で待たされるケースが多発していました。
これらの課題を解決すべく、タッチパネル型レジシステムを導入。結果としてレジにかかりきりとなっていた従業員が調理に時間を割けるようになり、お弁当の提供スピードが上がり、お客様の待ち時間の減少に成功しています。
参照:中小機構|事例紹介「セルフレジと急速冷凍機の導入で省人化。会計ミス9割減、客単価2割UP、食材ロス4割減【杏亭グループ】(和歌山県和歌山市)」
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