バーの開業|必要な資格や費用、資金調達方法について紹介

バーを開業してみたいと思っているものの、必要な手続きや資金についてわからないという方も多いのではないでしょうか。当記事では、バーの開業に必要な資格や手続き、資金調達方法、資金繰りのコツについて紹介します。これからバーを開業する人はもちろん、バー経営を検討してる人はぜひ参考にしてください。
目次

バーの開業にあたって押さえるべきポイント

バーの開業にあたって押さえるべきポイントをまとめました。
コンセプト
まずはコンセプトを明確にすることが重要です。「スポーツ観戦を楽しむバー」「希少なお酒が揃うバー」「生演奏が聴けるバー」など、バーのコンセプトは様々です。
どんなバーにしたいのか、コンセプトを具体的にすることでお店のイメージ像が鮮明になり、外装や内装のインテリアの方向性も見えてきます。また、コンセプトに独自性があるほど、お客様への訴求ポイントが強くなるというメリットがあります。
立地
バーに限らず、飲食店を経営する上で立地は非常に重要な要素になります。どんなにサービス内容が良くても、立地条件が悪すぎるとお客様は足を運びづらくなってしまいます。立地を決める際は、アクセスの良さだけなく、お店のコンセプトに合致しているかどうかも判断の基準になります。
例えば、若者をターゲットとしたバーを開業したい場合は、学生が多い地域や大学の近隣などであれば、多くの学生が立ち寄りやすいといえます。また、静かにお酒を飲みたい人にとっては、人通りの少ない場所の方が落ち着いていて魅力的に感じる場合もあります。
バーの立地を考える際は、「どんなお店にしたいのか」というコンセプトと照らし合わせながら考えることも重要です。
バーの開業に必要な資格と手続き

バーを開業するためには、必要な資格や手続きがあります。バーの規模によっては追加で手続きが必要なケースもあるので、事前に確認するようにしましょう。
バーを開業するにあたって必要な資格や手続きを見ていきます。
食品衛生責任者
食品衛生責任者は、正しい知識のもと衛生管理していることを証明する国家資格です。バーに限らず、飲食業に関わる事業者は1店舗に1名以上の「食品衛生管理者」を配置しなければいけません。
食品衛生責任者は、各都道府県の食品衛生協会が実施している食品衛生責任者講習会を受講することで取得できます。食品衛生責任者講習会は、「衛生法規」「公衆衛生学」「食品衛生学」の3つに分かれており、計6時間の講習時間です。受講資格や受講料などの詳細は、都道府県によって異なる場合があります。受講する前に確認しておきましょう。
ちなみに栄養士、調理師、製菓衛生師等の資格を持っている方は、実務経験や講習不要で食品衛生責任者となることが可能です。
防火管理者
防火管理者は、一定規模以上の建物における火災の予防や消火活動の責任者になるために必要な国家資格です。従業員を含め、収容人数が30人を超える飲食店は取得しなければいけません。防火管理者は、以下の2種類の資格があります。
- 甲種防火管理者:店舗など防火対象物の延べ面積が300㎡以上の場合
- 乙種防火管理者:店舗など防火対象物の延べ面積300㎡未満の場合
講習期間は甲種が2日、乙種が1日かかります。防火管理者は、講習会場に関しても各都道府県によって異なりますので、事前に確認しておきましょう。
防火管理者を選任した後は、消防署に防火管理者の届出を提出する必要があります。
飲食店営業許可
飲食店を開業するにあたって、飲食店営業許可が必要です。飲食店営業許可を取得するには、以下の要件を満たす必要があります。
・食品衛生責任者を置くこと
・保健所の施設検査
・営業許可書の取得
以下に飲食店営業許可の詳細をまとめましたので、参考にしてください。
届出期間 | 店舗が完成する2週間~3週間前が目安 |
---|---|
届出先 | 店舗所在地管轄の保健所 |
必要書類 | ・営業許可申請書・店内レイアウト図・食品衛生責任者の資格証明書・申請料16,000〜19,000円 ※営業形態や地域、保健所によって異なります。 |
深夜酒類提供飲食店営業の届出
深夜酒類提供飲食店とは、午前0時から午前6時にかけて酒類の提供を行う飲食店を指します。これら飲食店は、飲食店営業許可を取得した後、深夜酒類提供飲食店営業開始の届出を警察署へ提出する必要があります。
届出をしなかった飲食店は、罰則として50万円以下の罰金が科せられます。さらに警察署から届出の指導を受けたにも関わらず届出をしない場合は、最大6ヶ月の営業停止を命じられることもありますので注意してください。該当する場合は、事前に手続きを済ませておきましょう。
特定遊興飲食店営業許可
お店にダーツやカラオケなどの遊戯施設を設置する場合は、特定遊興飲食店営業許可を申請する必要があります。また都道府県によって、営業できない時間が定められていたり、遊戯施設を設置できる地域が指定されていることもあるので注意が必要です。
バーの開業にかかる費用の目安

バーの開業にかかる費用は、事業形態や規模、出店場所によって異なります。開業費用の目安は、安いケースで500万円〜、高い場合は1,000万円ほどかかります。
以下にバーの開業にかかる費用の内訳をまとめました。あくまで目安となるので、開業に必要な費用は入念に試算しましょう。
費用 | 金額 |
---|---|
物件取得費 | 150万円〜200万円 |
内装・外装工事費 | 100万円〜300万円 |
厨房機器などの設備資金 | 50万円〜200万円 |
グラスなどの什器 | 50万円〜100万円 |
これら初期費用に加えて、運転資金も考慮する必要があります。仮に売上がゼロであっても、家賃・光熱費・人件費などは毎月発生します。そのため、手元の運転資金は3ヶ月から6ヶ月分を用意しておくと経営が安定するといわれています。
また、初期費用を抑える上で、居抜き物件を探すという方法があります。居抜き物件であれば、前に利用していた店舗の内装や家具、厨房機器などを利用することが可能です。設備費用の削減につながるので、検討したい選択肢の一つといえるでしょう。
バーを開業するときの資金調達方法

ここでは、バーを開業するときの資金調達方法を紹介します。
自己資金
事業を始めるにあたって貯めたお金は自己資金となります。まずは、できるだけ自己資金を貯めることが先決です。
また、融資を受ける際も、自己資金の額が多いほど審査に有利に働きます。会社の退職金や親族からの借入も自己資金に含まれますが、タンス貯金や出処のわからないお金は金融機関では自己資金として認めていません。
融資の申込に合わせたように急に出処不明の自己資金が増えていると、いわゆる「見せ金」と思われ、審査に通らなくなることがあるため注意しましょう。
日本政策金融公庫
借入先の第一候補として挙げられるのが、日本政策金融公庫です。日本政策金融公庫は、国が100%出資している金融機関であり、創業準備を進めている事業者にも積極的に融資を行っています。
低金利かつ無担保・無保証人で借りることが可能であり、これから開業する事業者にとっての助けとなります。
助成金・補助金
助成金・補助金は、国や地方自治体が提供する返済義務のないお金で、目的に応じて様々な制度が設けられています。
助成金は、資格要件を満たしていれば、原則受給することができます。対して補助金は、予算によって採択件数が決まっており、審査で採択されなければ受給できません。補助金の審査では判断材料として事業計画書が求められるので、事前に準備しておく必要があります。
また、補助金・助成金は原則として後払いとなります。急な資金繰りには対応できない点に注意が必要です。すぐにでも資金が必要な場合は、融資など他の資金調達方法を検討する必要があります。
助成金・補助金は公募期間を設けており、申請には期限があります。助成金の期限は長めに設定されていることが多いですが、補助金の公募期間は通常約1ヶ月ほどと短くなっているので、十分に注意する必要があります。書類の準備にも時間を要するので、スケジュールを確認しながら進めていきましょう。
融資審査に通るためのポイント

バーの開業資金の資金調達方法として、融資を検討する方も多いでしょう。融資審査に通過するには、押さえておくべきことがあります。以下に2つのポイントを整理しました。
自己資金
融資審査では、事業を始めるにあたってどれくらいの自己資金を用意したかが確認されます。
開業するにあたって自己資金を用意できていないようでは、「資金繰りが悪化するリスクが高い」「計画性がない」など審査担当者にマイナスのイメージを持たれ、審査に影響してしまいます。
なお、日本政策金融公庫の創業融資では、創業資金総額の10分の1以上の自己資金が要件です。ただし、無理のない返済計画であることを考慮し、ギリギリの自己資金では希望通りの金額を融資してもらえないケースも想定されます。開業の口座を開設し、まずは計画的に自己資金を貯めるようにしましょう。
事業計画書
事業計画書には、事業内容と事業の見通し、開業に必要な資金などを記入します。とくに開業当初はまだ実績ができていないため、事業計画書の内容が審査で重視されます。
事業の見通しでは、実現できる根拠を数字や実例を踏まえながら、具体的に説明することが大切です。事業計画が曖昧だったり、金額の試算がしっかりできていなかったりすると、融資担当者を納得させることができません。不安な場合は、専門家に相談するなどの対策をとるのも一案です。
開業後の資金繰りのコツ

バーを開業してから、安定した売上を出せるようになるには通常一定以上の期間がかかります。お店が軌道に乗るまでの期間を考慮して、少なくとも3ヶ月分以上の運転資金を用意しておくようにしましょう。
また、売上を上げることはもちろん、「費用はいくらかかっているか」「借入金などの支払いがどれくらいあるのか」、お金の流れを管理することも大切です。資金繰り表を用いて常にお金の流れを把握し、資金が不足しそうな場合は売掛金の早期回収を試みるなどして資金をコントロールしていきましょう。
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バーを開業するには、事前の準備が重要です。資格や届出に関しても事業の規模や営業時間によって異なるため、どのようなバーを開業するかを決めた上で確認するようにしましょう。
また、経営を安定させるためには資金繰りが重要になります。日頃から収支の流れを把握し、資金が不足するタイミングを見極めることが資金繰りのポイントです。なおかつ、資金不足に備えて、事前に複数の資金調達方法を知っておくと安心です。
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