2022年6月30日 基礎知識

当座貸越とは|メリットやデメリット、仕訳方法もあわせて詳しく解説

当座貸越とは|メリットやデメリット、仕訳方法もあわせて詳しく解説

当座貸越は金融機関の貸付の一つであり、決められた限度額までなら自由にお金を借りたり返済したりできる融資形態です。当座貸越は使い勝手の良い仕組みではありますが、デメリットもあります。これから当座貸越を検討している方は、メリットやデメリットをしっかり理解しておく必要があります。

当記事では当座貸越のメリット・デメリットを整理するとともに、仕訳方法についても解説します。

目次

当座貸越とは

当座貸越とは

当座貸越は、定期預金などを担保として、普通口座の残高が不足した場合に自動的に借入できる仕組みのことです。融資の限度額(極度額)を設定することで、限度額の範囲内なら好きなタイミングでお金の借入や返済ができる融資方法です。

例えば、当座貸越で限度額3,000万円と設定すれば、3,000万円に達するまでは自由に資金を調達することができるため、利用者にとって非常に使いやすい借入方法といえます。

当座貸越の種類

当座貸越には、「一般当座貸越」と「専用当座貸越」の2種類があります。両者の大きな違いは、当座預金と連動するかどうかです。一般当座貸越の場合は当座預金と連動し、当座預金の残高が不足すると自動的に借入されます。

専用当座貸越は預金口座や当座預金とは別で「当座貸越勘定(融資専用口座)」を設定し、支払伝票や専用のキャッシュカードから借入や返済を行います。

当座貸越のメリット・デメリット

当座貸越のメリット・デメリット

当座貸越には、いくつかのメリット・デメリットがあります。当座貸越を検討する際は、当座貸越の知識をしっかり把握しておくことが必要です。

当座貸越のメリット

当座貸越の大きなメリットは、借入ごとに契約を結ぶ必要がないことです。一般に銀行で融資を受けるには、その都度、契約を結ぶ必要があります。当座貸越では、一度契約を結ぶことで、期間内であれば限度額の範囲内で何度でもお金を借りることが可能です。すぐに資金が必要になった場合でも柔軟に対応することができます。

当座貸越のデメリット

当座貸越には、3つのデメリットがあります。

審査が厳しい

極度額の範囲内なら、いつでも自由に資金を出し入れできる当座貸越は、金融機関からするとリスクの高い融資です。そのため、金融機関は返済能力や貸し倒れのリスクを考慮した厳しい審査基準を設けています。

当座貸越は、他の融資(手形割引・手形貸付・証書貸付)に比べて審査が通りにくく、一般的に「手形割引」→「手形貸付」→「証書貸付」→「当座貸越」の順で融資が通りやすいといわれています。

審査基準は金融機関によって異なりますが、最低でも以下の要件が定められていることがほとんどです。

  • 自己資本比率が高い
  • 直近の決算書が黒字である
  • 業歴が5年以上ある

借りすぎしてしまう恐れがある

当座貸越は、融資の限度額(極度額)を設定することで、融資限度額の範囲内なら好きなタイミングでお金の借入や返済ができる融資方法です。そのため、必要以上の資金を借り入れてしまうケースがあります。

当座貸越の期限は1年から3年程度です。期限を迎えると、契約更新のための審査が行われます。その際、財務状況が悪いと審査に通らず、契約を更新できないことがあります。契約が更新できない場合は、その時点の借入残高を一括返済しなければいけません。

当座貸越はあくまで資金の補助程度という認識を持ち、計画的に利用するように心掛けましょう。

金利が高い

銀行側は、貸し倒れのリスクを抑えるために金利を高めに設定しています。当座貸越は毎月の指定日に返済する必要がなく、融資を受け続けることが可能です。しかし、融資限度額は高い傾向があるため、お金を借りたままにしておくと、その分金利負担も大きくなってしまいます。手元資金に余裕がある場合、借りたお金はすぐに返すようにすることが望ましいといえます。

当座貸越の仕訳

当座貸越の仕訳

ここでは、当座貸越の仕訳方法について紹介します。当座貸越の処理方法には「一勘定制」と「二勘定制」があります。

一勘定制では、当座勘定のみで処理します。ただし一勘定制の場合、仕訳を見ただけでは当座預金残高や当座借越残高がわからないため、当座の勘定口座を確認する必要があります。

二勘定制では、当座貸越勘定科目(負債)と当座預金勘定科目(資産)の2つの勘定科目を用いて処理します。

下記は仕訳の例です。

例)企業Aは買掛金のため、400,000円の小切手を振り出した。銀行と当座貸越契約を結び、限度額を設定している。

〈一勘定制〉

借方 貸方
買掛金 400,000 当座 400,000

〈二勘定制〉

借方 貸方
買掛金  300,000 当座預金 300,000
当座貸越 100,000

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当座貸越は、極度額の範囲内なら自由にお金を出し入れすることが可能であり、使い勝手の良い資金調達方法といえます。一方で借りすぎに注意する必要があり、資金繰りをしっかり管理していくことが求められます。

当座貸越以外にも、補助金やファクタリングなど様々な資金調達があります。事業の状況やタイミングに合った資金調達を活用することが重要です。

 

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