経営課題の抽出や解決に役立つフレームワーク10選|目的・用途別に紹介

経営課題を迅速かつ的確に解決するには、客観的な視点から自社の問題を把握・分析できるフレームワークが有効です。本記事では中小企業やスモールビジネスに多い経営課題を整理するとともに、目的・用途に応じたおすすめのフレームワークを紹介します。
目次

中小企業・小規模事業者に多い経営課題とは

経営課題とは、企業が掲げている目標・ゴールと現状におけるギャップ、または将来的に想定されるリスクのことをいいます。企業によって抱える経営課題は様々ですが、代表例として以下のものが挙げられます。
- 人材不足
- 売上低迷
- 営業力・販売力不足
- 技術力不足
- 資金不足
- コスト構造
- 生産性
- 顧客満足度
経営課題の中には、自社で明確に把握できているものもあれば、潜在的であり把握しきれていないものもあります。経営課題に的確に対処するためには、自社を取り巻く外部環境と社内における様々な内部環境の現状を正確に把握し、優先順位を明確にして取り組む必要があります。
関連記事:経営課題とは|中小企業・小規模事業者が抱える課題と見つけ方、対策について解説
経営課題の抽出・解決に役立つ10のフレームワーク

フレームワークとは、経営課題を抽出・分析する際に役立つ枠組みのことです。フレームワークを上手に活用することで、課題把握や業務改善に役立ちます。ここでは、経営課題の抽出・解決に役立つフレームワークを用途別に見ていきましょう。
課題把握に役立つフレームワーク
課題把握に役立つフレームワークを紹介します。
ロジックツリー
ロジックツリーとは、課題や問題を樹形上(ツリー状)に分解し、原因や解決策を導き出すフレームワークです。中心となるテーマを決め、具体的なアクションが明確になるまで掘り下げます。
ロジックツリーを活用することで問題を分解しながら掘り下げていけるため、複雑な課題でも原因を見つけやすくなります。また、考えられる原因や解決策を書き出すことで、問題を俯瞰できるため、施策やアクションの優先順位を決めやすいのもメリットです。
MECE(ミーシー)
MECE(ミーシー)は「Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive」の略で、「モレなく、ダブりなく」事業や経営課題を列挙するためのフレームワークです。ロジカルシンキングの基本概念とされています。
経営課題を整理・思考する際に抜け漏れやダブりがあると、現状を正しく把握することが難しくなり、正しい結論を導き出せなくなってしまいます。MECEを意識することで物事が整理されるため、課題に対して正しいアプローチができるようになります。
業務改善・効率化に役立つフレームワーク
業務改善・効率化に役立つフレームワークを紹介します。
プロセスマップ
プロセスマップとは、業務フローやプロセスの各ステップを可視化したもの、およびその手法のことを指します。企業では、全体の業務フローが部門間にまたがっているものが多くあります。そのため、業務効率化を図るには、まずどの部門がどういった役割を果たしているのかを整理する必要があります。
プロセスマップを活用することで、業務フローやプロセスの各ステップを可視化できるため、業務内容の把握が容易になります。どの工程で無駄が発生しているのか、根本的な問題解決にもつなげられます。また、現場における様々な改善点の提案や報告・連絡・相談が容易になる点もメリットです。
KJ法
KJ法とは、情報を効率よく整理するのに役立つフレームワークです。KJ法の名称は考案者である川喜田二郎氏のイニシャルからきています。KJ法では、思いついた意見やアイデアを付箋やカードなどに書き出していき、並び替えたりグループ化したりすることで、情報を整理していきます。
「アイデアはたくさんあるが、まとまらない」というときに活用したい手法です。KJ法を最大限に活用するためには、情報が豊富にあることが大切です。質より量という意識のもとチーム内で意見やアイデアを出し合い、多様な視点を取り入れることがポイントです。
競争力強化に役立つフレームワーク
競争力改善に役立つフレームワークを紹介します。
SWOT分析
SWOT分析とは、自社の状況を内部要因と外部要因にわけて分析するフレームワークです。
- Strengths(強み):自社のプラス要因
- Weaknesses(弱み):自社のマイナス要因
- Opportunities(機会):自社の商機となりうる外部要因
- Threats(脅威):自社の脅威となりうる外部要因
SWOT分析を行うことで、自社を取り巻く状況を多角的な視点から分析できます。自社の強みを活かしつつ商機を狙ったり、脅威から自社を守るためのリスク対策を講じたりするなど、分析に応じた対策を検討することが可能です。
VRIO分析
VRIO分析は内部環境分析のフレームワークです。
- Value(価値):どのくらい価値があるのか
- Rarity(希少性):どのくらいの希少性・独自性があるのか
- Imitability(模倣困難性):他社が模倣できるものか
- Organization(組織):経営資源を活用できる体制が整っているか
VRIO分析を活用することで、経営資源における自社の強み・弱みを把握することが可能です。自社の経営資源の特徴を把握したうえで今後どのように活かしていくのか、方向性や経営戦略を立てる際に役立ちます。
4P分析
4P分析は、マーケティング戦略の策定に用いられるフレームワークです。以下4つの要素で構成されています。
- Product(製品):どのような商品・サービスを提供するのか
- Price(価格):どのような価格設定にするのか
- Place(流通):どのような経路で販売するのか
- Promotion(販促):どのように訴求するのか
4P分析を活用することで、競争力のある商品企画やマーケティング施策を具体的に決める際の判断材料となります。
4P分析を活用する際は、4つの要素のバランスを見ることが大切です。例えば、高価格帯の商品を低価格志向の店舗で販売していては、売れる見込みは低いでしょう。4つの要素の整合性を意識しながら、戦略を立てていきましょう。
実行力強化に役立つフレームワーク
実行力強化に役立つフレームワークを紹介します。
PDCA
PDCAとは、Plan、Do、Check、Actionのそれぞれ頭文字を合わせた用語です。事業を円滑に進めるためのフレームワークです。
- Plan(計画)
- Do(実行)
- Check(評価)
- Action(改善)
事業戦略を推し進める中では、必ずしも当初計画した通りに進むとは限りません。計画・実施・評価・改善のサイクルを繰り返すことで、問題や課題を素早く特定し、適切な改善策を講じることができるようになります。
KPT
KPTは、業務の振り返りを行うためのフレームワークです。以下の3つの項目に分類されます。
- Keep(良かった点、今後継続していくこと)
- Problem(悪かった点、今後停止すること)
- Try(次に挑戦すること)
KPTはシンプルながらも、アイデアの収集や問題解決に活用できるフレームワークです。チーム内でKPTを行うことでお互いの考えや課題を共有できるため、チーム力の向上につながります。
YWT
YWTも業務の振り返りに活用できるフレームワークです。
- Y(やったこと)
- W(わかったこと)
- T(次に行うこと)
KPTと似た手法ですが、KPTは業務やプロジェクトの振り返りであるのに対して、YWTは個人の振り返りによく活用されます。
また、YWTは実際に行った取り組みに重きを置いているのも特徴です。結果の良し悪しに関わらず、実際に取り組んだことを思い出すだけなので、簡単に振り返りができるというメリットがあります。
経営課題の解決を後押しする「freee資金調達」とは

フレームワークを活用することで、自社の経営課題を的確に把握するのに役立ちます。ただし、フレームワークを活用したからといって、経営課題が解決するわけではありません。課題を解決するためには、スムーズに具体的な施策やアクションにつなげることが必要です。
施策やアクションを講じる上で、資金やリソースが必要になることもあるでしょう。まとまった資金が必要な場合は、資金調達を検討するのも一つの方法です。資金調達には、銀行融資やビジネスローン、国や地方自治体が実施している補助金・助成金、ファクタリングなど様々な方法があります。
しかし、どの資金調達方法が自社で使えるのか一から調べるのは骨が折れることです。「freee資金調達」は、そんな経営者の資金調達のお悩みを解決します。
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