2023年1月11日 基礎知識

個人事業主がクレジットカード決済の経費を計上する際の仕訳方法|メリットやおすすめの法人カードも紹介

個人事業主がクレジットカード決済の経費を計上する際の仕訳方法|メリットやおすすめの法人カードも紹介

経費をクレジットカードで決済している個人事業主も多いでしょう。カード決済によって経理業務の効率化ができるなど様々なメリットがありますが、仕訳のやり方がわからないという声もあがります。当記事では、個人事業主がクレジットカードで経費を支払うメリットを整理するとともに、パターン別の仕訳方法、おすすめの法人カードについても解説します。

目次

個人事業主がクレジットカードで経費を支払うメリットとは

個人事業主がクレジットカードで経費を支払うメリットとは

まずは個人事業主がクレジットカードで経費を支払うメリットを見ていきましょう。

経理業務を効率化できる

クレジットカードで経費を支払うことで、「いつ、何に、いくら利用したのか」を明細書で簡単に把握することができます。

また、会計ソフトと連携することで利用明細を自動で取り込むことができます。領収書やレシートをみながら手入力する手間がなくなり、勘定科目に誤りがないかを確認するだけで済みます。請求書の紛失や誤入力のリスクを減らしつつ、経理業務の効率化が図れます。

キャッシュフローにゆとりが生まれる

クレジットカードで決済することで、経費の引落し日まで1〜2ヶ月の猶予期間ができます。手元に資金を残して置ける期間が長くなるため、キャッシュフローにゆとりが生まれます。

法人カードを利用すれば、より多くのメリットがある

クレジットカードには、個人カードと法人カードの2種類があります。法人カードを利用することで、以下のようなメリットがあります。

  • 事業用とプライベート用の支出を分けて管理できる
  • カードの利用限度額が高い傾向がある
  • ビジネスに役立つ付帯サービスを利用できる

すべての支払いを個人カードで支払ってしまうと、事業用とプライベート用の支払いが混同してしまいます。毎月の仕訳や確定申告の際に、事業用の経費かどうかを区別する手間が発生し、経理業務が煩雑になりがちです。法人カードを利用すれば、事業用とプライベート用を分けて管理できるため、経理業務が効率化されます。

また、法人カードは個人カードよりも利用限度額が高く設定されているケースが多く、高額決済や急な出費にも対応できる点もメリットです。くわえて加えて、法人カードでは空港ラウンジの利用や各種サービスの割引など、ビジネスに役立つ付帯サービスが充実しています。

自社にあった法人カードを選ぶことで、事業成長の一助となります。カードによってサービス内容が異なるため、どのようなサービスがあるか確認しておくとよいでしょう。

クレジットカード決済で覚えておきたい勘定科目とは

クレジットカード決済で覚えておきたい勘定科目とは

クレジットカードで決済した経費を仕訳する際に、覚えておきたい勘定科目を見ていきます。

未払金

未払金は、備品やオフィス用品など事業費用に該当する物品をクレジットカード(後払い)で決済した場合に使う勘定科目です。販売を目的とした仕入れでクレジットカードを利用した場合は「買掛金」の勘定科目を使うため注意しましょう。

事業主借

事業主借は、個人のお金を事業用として使った場合に使用する勘定科目です。例えば、会食費などの経費を個人カードで支払った際は、事業主借を使って仕訳します。

事業主貸

事業主貸は、事業資金を事業主個人のために使った場合に使用する勘定科目です。例えば、友人とプライベートの食事において法人カードで支払ったときは、事業主貸を使って仕訳します。ただし、事業主貸は個人利用になるため、経費にはなりません。

【パターン別】クレジットカード決済をしたときの仕訳方法

【パターン別】クレジットカード決済をしたときの仕訳方法

クレジットカード決済したときの仕訳方法をパターン別に見ていきます。仕訳方法によって勘定科目や記帳のタイミングが異なるため、しっかり確認しておきましょう。

ここでは、会社の消耗品費5,000円を、10月12日にクレジットカードで決済した場合(引き落とし日は11月14日)を例に解説します。

白色申告の場合

白色申告の場合、現金主義(現金が動いた時点で計上する)による単式簿記(簡易簿記)で記帳します。単式簿記は取引の収支を一つの勘定科目で記帳するシンプルな仕訳です。支払い(引き落とし)が行われた日のみ記帳を行います。

個人用クレジットカードで決済した場合は、個人のお金から事業用に借りていることになるため事業主借で記帳します。

・個人用クレジットカードを利用

 

借方

貸方

引き落とし日
11月14日

消耗品費 5,000円

事業主借 5,000円

・法人用クレジットカードを利用

 

借方

貸方

引き落とし日
11月14日

消耗品費 5,000円

普通預金 5,000円

青色申告の場合

青色申告では、10万円控除を受ける場合と、55万円控除(電子申告で65万円控除)を受ける場合で仕訳方法が異なります。また、使用するクレジットカードが個人カードか事業用カードかで、記帳のタイミングと勘定科目が異なるため注意してください。

10万円の控除

10万円控除を受ける場合は、白色申告の仕訳同様、単式簿記で記帳します。

・個人用クレジットカードを利用

 

借方

貸方

引き落とし日

11月14日

消耗品費 5,000円

事業主借 5,000円

・法人用クレジットカードを利用

 

借方

貸方

引き落とし日

11月14日

消耗品費 5,000円

普通預金 5,000円

55万円(電子申告で65万円)の控除

55万円(電子申告で65万円の控除)の控除を受けるためには、複式簿記で記帳する必要があります。複式簿記は発生主義(支出・収入の発生が確定した時点で計上する)となるため、取引が確定した時点と、実際にお金が動いた時点の2回に分けて記帳する必要があります。

ただし、クレジットカードが個人用か事業用かで仕訳方法が異なるため注意しましょう。

・個人用クレジットカードを利用

 

借方

貸方

決済日
10月12日

消耗品費 5,000円

事業主借 5,000円

・法人用クレジットカードを利用

 

借方

貸方

決済日
10月12日

消耗品費 5,000円

未払金 5,000円

引き落とし日
11月14日

未払金 5,000円

普通預金 5,000円

事業用クレジットカードで事業経費を決済した場合

事業用クレジットカードで決済した場合、事業用クレジットカードで決済を行った日に「未払金」を計上します。その後、引き落とし日に借方に未払金を記載します。

 

借方

貸方

決済日
10月12日

消耗品費 5,000円

未払金 5,000円

引き落とし日
11月14日

未払金 5,000円

普通預金 5,000円

個人用クレジットカードで事業経費を決済した場合

個人用クレジットカードで事業経費を決済した場合、勘定科目「事業主借」を使います。

 

借方

貸方

決済日
10月12日

会食費 20,000円

事業主借 20,000円

こんな時の経費の仕訳はどうする?

こんな時の経費の仕訳はどうする?

クレジットカードで決済した場合、以下のようなケースも発生します。

  • 分割払いの場合
  • ポイント還元やキャッシュバックがあった場合

それぞれ詳しく見ていきます。

分割払いの場合

クレジットカードでは分割払いを選べるケースもあります。分割払いでは手数料が発生するため、「支払手数料」の勘定科目で記帳する必要があります。

◾️クレジットカードで決済した日の仕訳

 

借方

貸方

決済日
10月12日

消耗品費 5,000円

未払金 5,000円

◾️初回引き落とし日の仕訳(支払手数料250円)

 

借方

貸方

引き落とし日
11月14日

未払金 2,500円

普通預金 2,750円

 

支払手数料 250円

 

ポイント還元やキャッシュバックがあった場合

ポイント還元やキャッシュバックがあった場合、「値引き」もしくは「雑収入」として仕訳を行う必要があります。

◾️キャッシュバックがあった日の仕訳

 

借方

貸方

キャッシュバック日
11月30日

普通預金 5,000円

雑収入 5,000円

個人事業主におすすめの法人カード「freeeカード」とは?

個人事業主におすすめの法人カード「freeeカード」とは?

個人事業主がクレジットカードを活用することで、経費精算や会計業務を効率化できます。法人カードを活用すれば、より多くのメリットを享受できるため、ぜひ検討したいところです。

最後にfreeeが提供する「freeeカード」をご紹介します。freeeカードはクレジットカード会社と共同開発した事業用クレジットカードです。起業直後の経営者や個人事業主、フリーランスも利用できます。

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freee会計との連携にも対応しており、カードの利用明細を自動取得して仕訳処理まで効率化することができます。「資金繰りを改善したい」「経理業務を効率化したい」といったスモールビジネス経営者をサポートします。

freeeカードには以下の3つの種類があります。

  • freee Mastercard
  • freee VISAカード
  • freee セゾンプラチナビジネスカード

利用するクレジットカードの種類によって、税理士相談や各種割引、ラウンジ利用など事業者向けの嬉しい付帯サービスを豊富に取り揃えています。

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  • ローン商品や給付金等の情報は、特に断りがない限り記事公開現在のものです。最新の情報は各金融機関のホームページや公式サイトでご確認ください。
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