2021年5月11日 ノウハウ

個人事業主の運転資金に使える融資8選!ニーズ別におすすめを解説

個人事業主の運転資金に使える融資8選!ニーズ別におすすめを解説

「運転資金が枯渇しそうだ……!個人事業主だけど、運転資金の補てんに使える融資は、どんなものがあって、どれがいいんだろう?」

運転資金に活用できる融資には、どのようなものがあるのか気になるところですよね。

融資と一口にいっても、さまざまな種類がありますから「どれがいいのかわからない」のが正直なところだと思います。

結論からいえば、運転資金に使える「おすすめの融資」は以下の8つです。

個人事業主が運転資金に使えるおすすめの融資
日本政策金融公庫
「新創業融資制度」
税務申告の2期目を迎えていない方が利用できる創業融資。利子は2%台~で、最大融資金額は3000万円
日本政策金融公庫
「中小企業経営力強化資金」
担保なし・保証人なしで、最大7200万円の融資が1~2%台の低利子で受けられる
日本政策金融公庫
「マル経融資」
担保なし・保証人なしで、最大2000万円の融資が1%台~の低利子で受けられる
ビジネスローン 条件によって3~18%の利子で、最大500万円程度の融資が受けられる
信用保証協会
「制度融資」
銀行や信用金庫などの融資における「審査通過率」を大幅にUPすることができる
日本政策金融公庫
「新型コロナウイルス感染症特別貸付」
担保不要で、8000万円の融資が受けられる。当初3年間は0.36%の利率で、条件によっては完全無利子になる
商工中金
「危機対応融資」
担保不要で、最大20億円の融資が受けられる。当初3年間は0.21%の利率で、3年目以降は1.11%。
日本商工会議所
「新型コロナウイルス対策マル経融資」
担保・保証人・信用保証協会の保証など「すべて不要」で、最大1000万円の融資が受けられる。当初3年間の利率は「0.31%」

ただし、これらの融資は、それぞれ「金利・最大借入額・審査スピード・メリット・注意点」などが異なるため、ご自身のニーズに合ったものを選ぶことが大切です。

本記事では、

・ニーズ別(金利/審査スピード/審査通過率/コロナ関連)でおすすめな融資
・それぞれの融資の特徴・メリット・注意点
・融資を申請する際の注意点

などについて、くわしく解説します。

「自分のニーズに合った融資はどれなのか知りたい」と考える方のお力になれる記事です。
それでは早速、ご覧ください。

1. 個人事業主の運転資金に活用できるおすすめの融資一覧

個人事業主の運転資金に活用できるおすすめの融資一覧

冒頭でもご紹介しましたが、個人事業主の方が「運転資金の補てん」に使える融資による調達方法は以下の8つです。

個人事業主が運転資金に使えるおすすめの融資
日本政策金融公庫
「新創業融資制度」
税務申告の2期目を迎えていない方が利用できる創業融資。利子は2%台~で、最大融資金額は3000万
日本政策金融公庫
「中小企業経営力強化資金」
担保なし・保証人なしで、最大7200万円の融資が1~2%台の低利子で受けられる
日本政策金融公庫
「マル経融資」
担保なし・保証人なしで、最大2000万円の融資が1%台~の低利子で受けられる
ビジネスローン 条件によって3~18%の利子で、最大500万円程度の融資が受けられる
信用保証協会
「制度融資」
銀行や信用金庫などの融資における「審査通過率」を大幅にUPすることができる
日本政策金融公庫
「新型コロナウイルス感染症特別貸付」
担保不要で、8000万円の融資が受けられる。当初3年間は0.36%の利率で、条件によっては完全無利子になる
商工中金
「危機対応融資」
担保不要で、最大20億円の融資が受けられる。当初3年間は0.21%の利率で、3年目以降は1.11%。
日本商工会議所
「新型コロナウイルス対策マル経融資」
担保・保証人・信用保証協会の保証など「すべて不要」で、最大1000万円の融資が受けられる。当初3年間の利率は「0.31%」

これら、8つの融資をニーズ別に分けると、以下のようになります。

個人事業主が運転資金に使えるおすすめの融資
低金利が魅力 日本政策金融公庫
「新創業融資制度」
日本政策金融公庫
「中小企業経営力強化資金」
日本政策金融公庫
「マル経融資」
審査スピードが速い ビジネスローン
融資の審査通過率を高める 信用保証協会
「制度融資」
コロナ関連で使える 日本政策金融公庫
「新型コロナウイルス感染症特別貸付」
商工中金
「危機対応融資」
日本商工会議所
「新型コロナウイルス対策マル経融資」

次章以降で、それぞれくわしく解説するので、ご自身に合ったものを絞り込んでみてください。

2. 【低金利が魅力①】日本政策金融公庫「新創業融資制度」

【低金利が魅力①】日本政策金融公庫「新創業融資制度」

日本政策金融公庫の「新創業融資制度」は、創業期の方にもっともおすすめな融資制度です。
「低金利さ」を重視する方は、この制度に応募してみましょう。

2-1. 特徴

日本政策金融公庫の「新創業融資制度」は、税務申告の2期目を迎えていない方が利用できる創業融資です。担保なし・保証人なしで、個人事業主の方も融資が受けられます。

融資希望額の「1/10の自己資金があること」が前提条件となりますが、融資金額は最大3000万円と、懐の広い融資制度です。

審査までのスピードはまちまちですが、おおむね2週間~2カ月程度です。

これからビジネスを始めるに当たり、まとまった運転資金が必要だという方は、この融資制度を利用しましょう。

新創業融資制度
金利 取り引き額 審査スピード 審査通過率
2.41~2.80%
(基準利率、2020年11/2現在)
200万~3000万円 2週間~2ヵ月 50~60%

2-2. メリット

金利が低い

トップクラスに利率が低い点が最大のメリットです。

2020年11月現在の基準利率は「2.41%」と、あらゆる融資のなかでもひときわ低いです。
事業の条件によっては、さらに低い1%台の利率で融資が受けられる場合があります。

2-3. 注意点

審査通過率は50~60%程度

「新創業融資制度」の場合、審査通過率はそれほど高くなく、50~60%程度だといわれています。
そのため、この融資制度一本にかけるのは賢明ではありません。

信用保証協会の制度融資も利用したり、ビジネスローンも申請したりといった具合に、万が一に備えて、いくつかの融資を同時並行で申し込んでおくと安心でしょう。

「新創業融資制度」について知りたい方は以下の記事もチェック!

新創業融資制度とは? 公庫出身の専門家が対象や返済期間、留意点について解説

創業融資(新創業融資制度)の利用には何が必要? 必要書類と手続き(審査)の流れについて解説

3. 【低金利が魅力②】日本政策金融公庫「中小企業経営力強化資金」

【低金利が魅力②】日本政策金融公庫「中小企業経営力強化資金」

創業期以降に使える融資制度としては、日本政策金融公庫の「中小企業経営力強化資金」が筆頭に挙げられます。低金利な融資を探している方は、こちらに応募してみましょう。

3-1. 特徴

日本政策金融公庫の「中小企業経営力強化資金」は、個人事業主の方も使える融資制度です。 担保なし・保証人なしで融資が受けられます。

創業融資と比べると、借り入れ限度額が大きく「7200万円」に設定されている点が大きな特徴です。 まとまった資金を調達したいという方によいでしょう。

創業期以降に、まとまった資金調達をしたい人は、こちらの融資制度を活用しましょう。

中小企業経営力強化資金
金利 取り引き額 審査スピード 審査通過率
1.66%~2.05%
(基準利率、2020年11/2現在)
7200万円
(運転資金は4800万円)
1~2週間~

3-2. メリット

金利が低い

基準利率は「1.66%~2.05%」と、数ある融資のなかでもトップクラスに低い金利です(2020年11月2日現在)。
ビジネスの条件によってはさらに低い1%以下の金利で融資が受けられる場合もあります。

3-3. メリット

運転資金に使える金額が定められている

この融資制度の場合、最大借り入え可能額は7200万円ですが、そのうち、人件費や家賃、外注費、部材費などの「運転資金」に使える資金は「4800万円」と定められています。

運転資金に利用できる額が限られている点については、注意しておきましょう。

運転資金の返済期限が短い

この融資制度の場合、運転資金は7年以内、設備資金は20年以内に返済することが条件となっています。 一般的な公的融資よりも、だいぶ短めに返済期限が設定されている点については、注意しておきましょう。

審査まで時間がかかる場合もある

審査スピードは一般的に「1~2週間前後」と、一般的にはスピーディだといわれていますが、状況によってはさらに時間がかかることもあるようです。

また、審査通過率についても明らかになっていないため、この融資制度一本にかけるのは危険です。 いくつかの融資制度を申し込んで、万が一に備えましょう。

4. 【低金利が魅力③】日本政策金融公庫「マル経融資」

【低金利が魅力③】日本政策金融公庫「マル経融資」

審査スピードが速く低金利な融資としては、日本政策金融公庫の「マル経融資」です。
すぐに運転資金を補てんしたい方に最適です。

4-1. 特徴

日本政策金融公庫の「マル経融資」は、日本政策金融公庫と「日本商工会議所」が連携して提供する融資制度です。担保も保証人もなしで、個人事業主の方も融資が受けられます。

最大融資額は「2000万円」で、設備資金・運転資金どちらの用途にも使えます。

審査期間は2週間程度と、比較的スピーディです。
「すぐさま、まとまった大きな運転資金が必要だ」という方は、この融資制度にトライしてみましょう。

マル経融資
金利 取り引き額 審査スピード 審査通過率
1.21% 2000万円 2週間~

4-2. メリット

金利が低い

最大のメリットは、圧倒的に低い利率です。
基準利率は「1.21%」と、日本政策金融公庫が取り扱う融資制度のなかでも群を抜いて利率が低いです(2020年11月2日現在)。

低金利を重視する方は、この融資制度にトライしてみましょう。

4-3. 注意点

運転資金の返済期間が短い

返済条件は「中小企業経営力強化資金」と同じで、運転資金が7年以内、設備資金が10年以内となっています。

運転資金の方が、返済までのリミットが3年ほど短い点については、注意しておきましょう。

利用条件は「商工会議所への入会」と「指導を受けた実績」

この融資制度を利用する条件に、以下のようなものがあります。

・日本商工会議所への加入
・商工会議所から6ヵ月以上の経営指導を受けること
・商工会議所からの推薦を受けること

誰でも審査に応募できるというわけではないのです。
これらの条件を満たしたうえで、審査を受けて、通過した人のみが融資を受けられます。
ぜひ、覚えておきましょう。

5. 【審査スピードが速い】ビジネスローン

【審査スピードが速い】ビジネスローン

審査スピードを何よりも重視する方は、ビジネスローンを活用しましょう。

5-1. 特徴

「資金ショートしそうだ!すぐにでも融資を受けたい」という個人事業主の方におすすめなのが「ビジネスローン」です。

ビジネスローンの場合、必要な書類を準備して提出すれば「最短即日~1週間以内」に融資が受けられる点が最大のメリットです。

「一時的な資金ショートに対応したい」「すぐに返せる見通しがある」といった場合には、審査スピードが速いため「ビジネスローン」が最適でしょう。

なお、融資限度額は500万円程度です。ビジネスローン会社によっては、1000万円程度まで貸し付けOKな場合もあります。

ビジネスローン
金利 取り引き額 審査スピード 審査通過率
3%~18% 500万円~1000万円 即日~1週間

5-2. メリット

審査スピードが速い

先述の通り、ビジネスローンは、どの融資よりも「審査スピードが速い」のが最大のメリットです。
早ければ、即日、融資が受けられ、まとまった資金が手に入ります。

運転資金のショートは、すぐにでも補てんしなければならないケースが多いため、頼れる資金調達方法の一つといえるでしょう。

5-3. 注意点

金利が高い場合がある

日本政策金融公庫などの「公的融資」と比べると、金利は高いです。
担保なしの場合、銀行系のビジネスローンで年率3~14%程度の利子が発生します。
ノンバンク系のビジネスローンの場合だと、6~18%程度です。

金利については、十分に確認したうえで利用するようにしましょう。

6. 【融資の審査通過率を高める】信用保証協会

【融資の審査通過率を高める】信用保証協会

銀行融資を通すために必要不可欠なのが「信用保証協会」の活用です。
まとまった運転資金を集めたい方は、信用保証協会の制度融資を活用しましょう。

6-1. 特徴

「審査がいつも通らないため、審査通過率が高い融資を使いたい」という方におすすめなのが「信用保証協会の『制度融資』の活用」です。

信用保証協会とは、個人事業主や中小企業の資金調達を支援する公的機関です。

「信用保証協会の制度融資」を活用すると、銀行や信用金庫などの融資における「審査通過率」が大幅にUPするのが最大のメリットです。

基本的に、銀行や信用金庫などの金融機関は「黒字か・赤字か」「売上が上がっているか」「債務超過はないか」「資金ショートしていないか」といった財務状況をチェックしたうえで「融資するか否か」を判断します。

当然、財務状況が一時的に悪化している企業や、創業まもないため実績のない企業などは、融資を受けることがむずかしくなります。

そういった経営者の保証人になって、融資の審査を通しやすくするのが、信用保証協会の役割なのです。

信用保証協会の保証が得られれば、万が一倒産するようなことがあった場合にも、協会が「代位弁済(残債を肩代わりする)」するため、銀行等は、貸倒れのリスクが回避できます。

そのため、協会の保証によって、個人事業主の方でも「銀行等の融資の審査通過率が大幅にUPする」というわけです。

現在、中小企業・小規模事業者のおよそ34.1%が、信用保証協会の制度融資を活用しています。
それほど、広く一般的に利用しているメジャーな制度というわけです。

「審査通過率をUPしたい」という方は、制度融資を活用しましょう。

信用保証協会
金利 取り引き額 審査スピード 審査通過率

(銀行や信用金庫等の利率に準じる)
8000万円~2億8000万円
(保証の限度額)
3週間~2ヵ月

6-2. メリット

銀行や信用金庫の融資が通りやすくなる

信用保証協会の保証があると、銀行や信用金庫は「貸し倒れ」のリスクがなくなります。
万が一、個人事業主が破産したとしても「代位弁済」で、信用保証協会が借金を肩代わりしてくれるからです。

そのため、銀行や信用金庫の審査通過率がUPします。
プロパー融資を通す自信がないという方は、信用保証協会の制度融資を活用しましょう。

6-3. 注意点

審査に時間がかかる

信用保証協会が、保証人になるかどうかの審査は「3週間~2ヵ月程度」かかるといわれています。

そこからさらに、銀行や信用金庫などの融資の審査が2週間~1か月ほどかかるため、最短でも1~3ヵ月近くかかります。

審査に時間がかかるという点については、注意しておきましょう。

7. 【コロナ関連で使える①】日本政策金融公庫「新型コロナウイルス感染症特別貸付」

【コロナ関連で使える①】日本政策金融公庫「新型コロナウイルス感染症特別貸付」

コロナ関連で使える魅力的な融資の筆頭に挙がるのが、日本政策金融公庫の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」です。コロナで売上が減少した方は、ぜひ活用しましょう。

7-1. 特徴

日本政策金融公庫の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」は、コロナの影響を受けて売上が減少した法人や個人事業主向けの特別な融資制度です。担保不要で申請できます。

融資限度枠は、当初6000万円でしたが、2020年7月より拡充され「最大8000万円」になりました。

主な利用条件としては、以下の通りです。

・直近1ヵ月の売上が、前年または前々年の同時期と比較して5%以上減少している
・業歴が3ヵ月~1年1ヵ月未満の場合:直近1ヵ月の売上が、以下いずれかと比較して5%以上減少している
1.過去3ヵ月の平均売上高
2.令和元年12月の売上高
3.令和元年10月~12月の平均売上高

「コロナの影響で売上が減少し、資金繰りが苦しくなった」という方は、審査にチャレンジしてみましょう。

新型コロナウイルス感染症特別貸付
金利 取り引き額 審査スピード 審査通過率
0%
(当初3年間・4000万円以下の借り入れ部分・利子補給制度適用・個人事業主の場合)
8000万円 3ヵ月 50%前後

7-2. メリット

金利が低い

最大のメリットは、例をみないほど低利率な点です。
借入のうち、4000万円以内の分については「当初3年間=0.36%」の利率です。

さらに、2020年11月現在「特別利子補給制度」という制度もダブル適用されているのが注目すべきところです。

この制度では「中小企業基盤整備機構」が、事業者が支払う利子を負担するというものです。
とりわけ個人事業主の場合、適用要件はないため、どのような方でも「当初3年間は『無利子』で借り入れできます。払った利子分が、後から還付されるのでです。

無利子で借りられるのは、コロナ関連融資ならではの「大きな特典」といえるでしょう。

なお、借り入れがスタートして3年目以降は基準利率は「1.26%~1.65%」です(2020年11月2日時点)。
3年目以降も、引き続き低い利率で借り入れできます。

7-3. 注意点

運転資金は返済期間が短く設定されている

返済期間は、設備資金は20年以内ですが、運転資金は15年以内の返済計個人の信用情報をクリアにしておくになります。
運転資金の方が、返済期間が短めに設定されているため、注意しましょう。

審査通過率が低い

審査通過率は、50%前後とされています。

きちんと書類をそろえて申し込んだとしても、コロナ以前から資金繰りが悪化していた場合や、コロナ後に財務状況が改善する見込みがなければ、審査が通らないといわれています。

この融資制度一本に頼るのは危険なので、ほかの融資制度やビジネスローンなどの申し込みも検討して置くと安心でしょう。

8. 【コロナ関連で使える②】商工中金「危機対応融資」

【コロナ関連で使える②】商工中金「危機対応融資」

「融資の限度額が最大20億円」なのが商工中金の「危機対応融資」です。
コロナで打撃を受けたため、大きな額の融資を受けたいと考えている方は、この制度を活用しましょう。

8-1. 特徴

商工組合中央金庫(商工中金)の「危機対応融資」も、新型コロナウイルスの影響で売上が減少した事業主が使える特別な融資制度です。担保不要で申請できます。

融資の限度額は「最大20億円」です。日本政策投資銀行からも借り入れを行っている場合、日本政策投資銀行との合計で最大20億円まで借り入れできます。

コロナの影響を受けて資金繰りが悪化した方におすすめです。

危機対応融資
金利 取り引き額 審査スピード 審査通過率
0.21%
(当初3年間・2億円以下の借り入れ部分)
20億円

8-2. メリット

金利が低い

メリットは「非常に低い利率」です。
2億円以下の借り入れ部分に対しては、当初3年間が0.9%の利子補給があるため「0.21%」となっています。3年目以降の利子は「1.11%」です。

なお、政策金融公庫の特別貸付と同様「特別利子補給制度」が適用され、当初3年間が「実質無利子化」される見込みのようです。くわしい適用条件は、今後発表されるとのことです。

8-3. メリット

運転資金は返済期間が15年間

返済期間は、政策金融公庫と同じく運転資金が15年以内、設備資金が20年以内です。
運転資金の方が、返済期間が短めに設定されている点については、注意しておきましょう。

9. 【コロナ関連で使える③】日本商工会議所「新型コロナウイルス対策マル経融資」

【コロナ関連で使える③】日本商工会議所「新型コロナウイルス対策マル経融資」

商工会議所の指導を受けている方だけが使える「コロナ関連融資」としては「新型コロナウイルス対策マル経融資」が挙げられます。
担保も信用保証協会の保証も不要なので、指導を受けている方は、こちらの融資に応募してみましょう。

9-1. 特徴

日本商工会議所の「新型コロナウイルス対策マル経融資」とは、コロナの影響で売上が減少した方を対象にした特別な融資です。担保・保証人・信用保証協会の保証など「すべて不要」で申請できます。

融資限度額は「1000万円」です。
返済期間は、運転資金が7年以内で、設備資金が10年以内です。

コロナの影響を受けた方は、この融資制度の利用を検討してみましょう。

基本データ

新型コロナウイルス対策マル経融資
金利 取り引き額 審査スピード 審査通過率
0.31%
(当初3年間)
2日~80日

9-2. メリット

金利が低い

最大のメリットは大変低い「利率」です。
この融資制度の場合、当初3年間は「0.31%」で利用することができます。

さらに、2020年11月現在「特別利子補給制度」が適用されるため、支払った利子が後日還付され 「実質無利子」になる可能性があります。
無利子で借りられるのは、コロナ関連融資ならではの特典といえます。

なお、融資スタートから3年目以降も 「1.21%」と、たいへん低いです。

金利の低さを重視する方にピッタリな融資制度といえるでしょう。

9-3. 注意点

利用条件の一つが「商工会議所の指導を受けていること」

この融資制度を利用するためには「条件」があります。
以下の通りです。

・従業員が20名以下
・商工会議所の指導を受けている
・税金を完納している
・直近1ヵ月の売上が前年もしくは前々年の同期比で5%以上減少している など

注目すべきが「商工会議所の指導を受けている」という条件です。
商工会議所に入会して指導を受けていないと、この融資制度を利用することはできません。
ぜひ、覚えておきましょう。

10. 個人事業主が運転資金に使える融資の比較一覧表

個人事業主が運転資金に使える融資の比較一覧表

ここまでご紹介してきた融資を一覧表で比較します。
以下をご覧ください。

個人事業主が運転資金に使えるおすすめの融資
  金利 取り引き額 審査スピード 審査通過率
低金利が魅力
日本政策金融公庫
「新創業融資制度」
2.41~2.80%
(基準利率、2020年11/2現在)
200万~3000万円 2週間~2ヵ月 50~60%
日本政策金融公庫
「中小企業経営力強化資金」
1.66%~2.05%
(基準利率、2020年11/2現在)
7200万円
(運転資金は4800万円)
1~2週間~
日本政策金融公庫
「マル経融資」
1.21% 2000万円 2週間~
審査スピードが速い
ビジネスローン 3%~18% 500万円~1000万円 即日~1週間
融資の審査通過率を高める
信用保証協会
「制度融資」

(銀行や信用金庫等の利率に準じる)
8000万円~2億8000万円(保証の限度額) 3週間~2ヵ月
コロナ関連で使える
日本政策金融公庫
「新型コロナウイルス感染症特別貸付」
0%
(当初3年間・4000万円以下の買い入れ部分・個人事業主の場合)
8000万円 3ヵ月 50%前後
商工中金
「危機対応融資」
0.21%
(当初3年間・2億円以下の借り入れ部分)
20億円
日本商工会議所
「新型コロナウイルス対策マル経融資」
0.31%
(当初3年間)
1000万円

あなたにピッタリな融資が見つかりましたら幸いです。

11. 融資を申請する際に気をつけたい3つの注意点

融資を申請する際に気をつけたい3つの注意点

「融資を申請する際の注意点」についてもご説明しておきたいと思います。

ポイントは以下の3つです。

・事業計画書をしっかり作りこむ
・個人の信用情報もクリアにしておく
・融資に必要な書類をもれなく準備する

1つずつ、解説していきます。

11-1. 事業計画書をしっかり作りこむ

融資を申し込む際には「事業計画書」をしっかりと準備したうえで、審査に臨みましょう。
「事業計画書」の良し悪しが、審査通過率を大きく左右します。

事業計画書とは、継続的に売上を創出するためのアイデアや構想をまとめた資料のことです。
事業計画書に盛り込みたい項目としては、以下の8つが挙げられます。

事業計画書に盛り込みたい8つの内容
ビジネスの名前 どういうビジネスなのか、イメージが湧くネーミングをする
ビジネスの内容 商品やサービスの内容や魅力を簡潔に伝える
マーケット調査 ターゲットとなる市場やペルソナを明らかにしたうえで、想定される市場規模やマーケットの成長性などを分析・解説する
差別化ポイント 競合との違いや「この商品・サービスだからこそ選ばれる理由」などを簡潔にまとめる
販促・PR計画 商品・サービスをどのように広めていくのか、販促・PR計画をまとめる
経営計画 売上・開発・人材育成・設備・仕入れなどの計画をまとめる
リスク&回避策 今後、想定される危険ポイントをまとめるとともに、それに対応するリスク回避策も提示する
資金繰り計画 運転資金や設備資金において、資金ショートを回避する「資金繰り計画」をまとめる

上記の項目を踏まえたうえで

・融資する価値があるビジネスである
・このビジネスならば、計画的に返済してもらえそうだ

と融資担当者に納得してもらえれば、審査通過率は高まるでしょう。

「審査に通る事業計画書」について知りたい方は以下の記事もチェック!

審査に通る創業計画書の書き方は? 項目別の詳細解説と記入例

11-2. 個人の信用情報をクリアにしておく

意外な盲点かもしれませんが、融資を受ける際には「経営者自身の信用情報」もチェックされます。

資金繰りが厳しい場合、個人の懐も心もとない場合があるかと思いますが、個人的な借入において「滞納」があると、融資が通りづらくなります。

また、当然のことながら「税金の滞納」もNGです。

融資を受けても「計画的に返済できない経営者」だと見なさせてしまう可能性が高いです。

融資を受ける際には、会社だけでなく、経営者自身の信用情報も、クリアにしておきましょう。

11-3. 融資に必要な書類をもれなく準備する

融資を受ける際に必要な書類は多くの場合、以下12点に集約されます。

これらの書類を過不足なく用意していることが、審査通過の第一条件となります。
書類が不足していたとしても、審査担当者はフォローしてくれるわけではないため、ご自身で滞りなく準備しておきましょう。

融資を受ける際に必要な書類
事業計画書 サービスや商品、市場優位性、差別化ポイント、販売計画、PR計画などをまとめたもの
商業登記簿謄本 代表者や会社の登録情報をまとめた行政種類
損益計算書 1年間における「収益・費用・利益」をまとめた決算書類の一つ
貸借対照表 1年間における会社の「資産・負債・純資産」のバランスをまとめた決算書類の一つ
資金使途資料 どのような用途に資金を使うのかをまとめた資料
試算表 総勘定元帳を集計した一覧表
資金繰り表 現金の収支をまとめた一覧表
取引のある金融機関 現在、取引のある銀行や信用金庫などの名称
印鑑証明 市町村役場で登録した個人事業主の印鑑証明書
納税証明書 納税したことを証明する書類。税務署等で取り寄せる
借入申込書 申請に必要な書類一式

12. 個人事業主が運転資金に使える「融資」を比較検討したいなら「資金調達freee」が最適

個人事業主が運転資金に使える「融資」を比較検討したいなら「資金調達freee」が最適

ここまでの記事を通して「個人事業主が運転資金に使える融資(資金調達方法)」「自分に合った資金調達方法」ついて、理解することができたのではないでしょうか。

しかし、その一方で

「さまざまな融資のなかから、ベストなものを比較検討したい」

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13. まとめ

いかがでしたか。
個人事業主の方が「運転資金」の補てんに使える「融資」を使った資金調達方法について、理解できたのではないでしょうか。

ここで、本記事のまとめを入れたいと思います。

個人事業主の運転資金に活用できるおすすめの融資一覧

個人事業主が運転資金に使えるおすすめの融資
低金利が魅力 日本政策金融公庫
「新創業融資制度」
日本政策金融公庫
「中小企業経営力強化資金」
日本政策金融公庫
「マル経融資」
審査スピードが速い ビジネスローン
融資の審査通過率を高める 信用保証協会
「制度融資」
コロナ関連で使える 日本政策金融公庫
「新型コロナウイルス感染症特別貸付」
商工中金
「危機対応融資」
日本商工会議所
「新型コロナウイルス対策マル経融資」

「低金利」を重視する方にオススメな融資3選

・日本政策金融公庫「新創業融資制度」
・日本政策金融公庫「中小企業経営力強化資金」
・日本政策金融公庫「マル経融資」

「審査スピード」を重視する方にオススメな融資

ビジネスローン

「審査通過率」を高めたい方にオススメな融資

信用保証協会「制度融資」

「コロナ関連の特別融資」を選びたい方にオススメな融資3選

・日本政策金融公庫「新型コロナウイルス感染症特別貸付」
・商工中金「危機対応融資」
・日本商工会議所「新型コロナウイルス対策マル経融資」

個人事業主が運転資金に使える融資の比較一覧表

個人事業主が運転資金に使えるおすすめの融資
  金利 取り引き額 審査スピード 審査通過率
低金利が魅力
日本政策金融公庫
「新創業融資制度」
2.41~2.80%
(基準利率、2020年11/2現在)
200万~3000万円 2週間~2ヵ月 50~60%
日本政策金融公庫
「中小企業経営力強化資金」
1.66%~2.05%
(基準利率、2020年11/2現在)
7200万円
(運転資金は4800万円)
1~2週間~
日本政策金融公庫
「マル経融資」
1.21% 2000万円 2週間~
審査スピードが速い
ビジネスローン 3%~18% 500万円~1000万円 即日~1週間
融資の審査通過率を高める
信用保証協会
「制度融資」

(銀行や信用金庫等の利率に準じる)
8000万円~2億8000万円(保証の限度額) 3週間~2ヵ月
コロナ関連で使える
日本政策金融公庫
「新型コロナウイルス感染症特別貸付」
0%
(当初3年間・4000万円以下の買い入れ部分・個人事業主の場合)
8000万円 3ヵ月 50%前後
商工中金
「危機対応融資」
0.21%
(当初3年間・2億円以下の借り入れ部分)
20億円
日本商工会議所
「新型コロナウイルス対策マル経融資」
0.31%
(当初3年間)
1000万円

融資を受ける際に気をつけたい3つの注意点

・事業計画書をしっかり作りこむ
・個人の信用情報をクリアにしておく
・融資に必要な種類をもれなく用意する

この記事が「個人事業主が使える運転資金の調達方法(融資)」について知りたい方のお力になれましたら幸いです。

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