2021年7月6日 基礎知識

ファクタリングを徹底解説。仕組みから利用のポイントまで

ファクタリングの基礎知識。仕組みから利用のポイントまで徹底解説

ファクタリングは、売掛金の回収に関するリスクを軽減する方法の一つで、リスク回避に限らず現金調達の手段としても活用することができます。今回の記事では、ファクタリングの仕組みや活用方法について徹底的に解説します。

目次

ファクタリングとは

ファクタリング(factoring)とは、売掛債権に保険をかけたり、買い取ってもらい現金化するサービスのことです。

日本の企業間取引では、先に商品やサービスを提供し後から代金を支払ってもらう取引形態が一般的ですが、これは「企業間信用」と呼ばれ、代金は一定の猶予期間を置いてから支払われます。

こうした取引では入金が遅れたり未回収期間が長引くことで経営に悪影響が生じる可能性もあります。そこで、ファクタリングを活用して売掛債権にあらかじめ保険をかけたり、未回収の売掛債権を売却して現金化することができるのです。

ファクタリングは元々はイギリスで生まれ、欧米を中心に発展してきました。
日本でも2019年6月に請求書買取(ファクタリング)サービスの「OLTA(オルタ)」が25億円の資金調達を行い注目を集めました。創業から2年で申込総額は100億円を突破しており、日本国内にも確実に需要があると言っていいでしょう。

保証型のファクタリング

ファクタリングには、「保証型」と「買取型」の2種類があります。保証型のファクタリングは、前述したように取引先の倒産などで売掛金が回収できなくなった場合に有効です。保証会社が現金を支払ってくれるため、取引先に信用面で不安がある場合に役立つでしょう。

ただし、注意点もあります。保証型のファクタリングでは、倒産などの事故が発生して初めて現金を受け取ることができます。「売掛金の回収が不可能」と判断されるまで保証金をもらえないものもあれば、支払遅延で保証金を受け取れる場合もありますので、ファクタリングに申し込む前によく条件を見比べましょう。

買取型のファクタリング

買取型のファクタリングでは、売掛債権をファクタリング会社に売却することが可能です。資金調達に悩んでいる場合は、銀行融資やビジネスローンなどと併せてファクタリングも選択肢の一つに含めていいでしょう。銀行融資や自治体・国の融資制度と異なり、ファクタリングには担保が必要ないため、売掛金を早期に現金化したい場合に有効です。

なお、買取型のファクタリングにも注意点があります。売掛債権を譲渡する前に、取引先との契約書に債権譲渡を禁止する条項が記載されていないか、必ず確認する必要があります。もし契約書に禁止と書かれていた場合、債権を譲渡することはできません。

また、買取型のファクタリングには「2社間」と「3社間」の2種類があります。両者の違いを十分に理解した上で、手数料や取引先との関係を考慮する必要があるでしょう。

売掛債権を売却すると手数料を差引かれた金額が振り込まれますが、手数料が高くつきそうな場合はビジネスローンやクレジットカードを活用する方法も検討したほうがいいかもしれません。

ファクタリングの仕組み

前述したように、買取型のファクタリングには「2社間」と「3社間」、2つの仕組みがあります。それぞれの特徴について詳しくご紹介していきます。

2社間ファクタリング

まずは2社間ファクタリングです。2社間取引は、取引先にファクタリングを利用していることを知られることなく完結する点が特徴です。以下の手順で現金の受け取りと支払いが行われます。

① 売掛債権をファクタリング会社に売却 ② 手数料を引いた売却代金を受け取り
③ 取引先からの売掛金の支払いを受ける
④ ファクタリング会社に支払いを行う

ファクタリングを利用することで、「資金面に不安があるのではないか」など取引先に不信感を与える可能性も否めません。そんな時に、2社間取引を利用すれば、取引先に知られることなく売掛債権を現金化できるでしょう。

3社間ファクタリング

3社間のファクタリングでは、取引先も含め売掛債権譲渡の契約が行われます。取引先から直接ファクタリング会社に売掛金が支払われるため、2社間取引よりも手数料が安めに設定されている点が特徴です。

注意点は、取引先の合意も必要なため現金化に時間がかかる点と、取引先に債権譲渡を通知するため、関係性に悪影響が出る可能性も否めない点です。

2社間で取引が完結するケース

ファクタリングの提供会社

では、具体的にファクタリングを提供している会社をご紹介していきます。ファクタリング専門の会社もあれば大手金融機関が提供している場合もあります。

会社名 サービス概要
三菱UFJファクター株式会社 三菱UFJフィナンシャル・グループのファクタリングサービス。売上債権の決済を保証する「根保証」や売上債権を買い取る「買取ファクタリング」、工事請負代金の回収リスクを引き受ける「下請債権保全支援事業」、輸出債権の保証を行う「国際ファクタリング」を提供。ファクタリングの形態は3社間取引。
みずほファクター みずほグループの債権回収・ファクタリング会社。国内ファクタリングと国際ファクタリングサービスを提供している。国内ファクタリングのサービスは、回収保証と債権流動化などを行なっており、三菱UFJファクター株式会社と同様にファクタリングの形態は3社間取引。
FREENANCE GMOグループのGMOクリエイターズネットワーク株式会社が提供するファクタリングサービス。個人事業主やフリーランスに特化したファクタリングは国内初。現金が必要な時に請求書を買い取ってもらえる。代金は最短即日で銀行口座に振り込まれる。
OLTA(オルタ) オンライン完結型のクラウドファクタリングサービス。最短24時間で請求書を現金化することができる。申し込みはオンラインで全て完結し、手数料も業界最安値を実現している点が特徴。会計ソフトのfreeeと連携。

提供する企業によって、3社間取引のところもあれば2社間取引のところもあります。また、ある一定規模の企業を対象としている場合もあれば、FREENANCEのように個人事業主やフリーランス特化型のサービスも。ご自身の事業の形態に合わせてファクタリング会社を選びましょう。

ファクタリングと資金調達

中小企業や個人事業主が資金調達を考えた際、金融機関からの融資やビジネスローンなどが思い浮かぶかと思いますが、これまでご紹介してきたようにファクタリングも有力な選択肢の一つです。

特に、以下のような状況下では活用の余地があるでしょう。

  • 銀行や自治体に融資を申し込んだが断られてしまった
  • 融資を申し込むにあたって、担保や保証人がいない
  • 融資の審査を待つ時間がなく、早く手元に現金が欲しい
  • 融資を申し込むほどではない、小口の資金が必要

ただし、売掛債権だけではカバーできない金額が必要な場合や、支払いを先延ばしにすることで資金繰りをする方法もあります。また、そもそも今、自分の事業にはどれだけのお金を借りることができるのかも知っておきたいところです。

中小企業の経営者の方や個人事業主が、事業の状況に合わせ迅速に資金調達をするためにはどうすれば良いのでしょう。資金を調達したい方にお勧めしたいのが、会計freeeが提供する資金繰り改善ナビです。

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この記事をご覧になっている方は、普段から資金繰りの状況についてチェックなさっているでしょうか。会計freeeのユーザーアンケートによると、定期的に資金状況についてチェックしている方は約50%、確認の方法は預金残高通帳です。

キャッシュは企業存続の命綱です。キャッシュフローや今後の資金繰り予測などは会社経営の重要な要素の一つであり、資金調達は企業継続・繁栄の重要な手段です。
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事業用クレジットカード:freeeカード

資金調達、資金繰りの手段として最後にご紹介したいのが事業用クレジットカード(ビジネスカード)です。
「独立する前にクレジットカードを作っておくように」と勧められたことはありませんか?一般的に、個人事業主、フリーランス、経営者などご自身で事業を運営するようになると、クレジットカードの審査に通りにくくなると言われています。

しかし、支払いを先送りする方法としてクレジットカードは有効な手段の一つです。このためfreeeでは、事業をお持ちの方に特化したクレジットカードを提供しています。ブランドはVISA、Master、American Expressといった主要国際ブランドを揃えた豊富なラインナップを揃えており、オンラインからすぐに申し込むことが可能です。

まとめ

事業を運営・拡大していく上で資金繰りに関する問題は避けて通れない道です。また、なかなか相談相手がいない話題でもあります。

資金調達freeeや会計freeeのデータを活用して、事業を効率的に運営していきましょう。

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  • ローン商品や給付金等の情報は、特に断りがない限り記事公開現在のものです。最新の情報は各金融機関のホームページや公式サイトでご確認ください。
  • freee資金調達はお客様のサービス選択時の参考情報提供を目的としており、特定の金融機関、ローン商品の優劣を示したものではありません。
  • 各金融機関の審査結果によっては利用できない場合があります。

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