八百屋を開業するには|開業準備のポイントと必要な資格・届出、資金調達方法を解説

八百屋を開業するにあたっては特別な資格は必要がなく、開業に必要な資金も抑えやすいため、独立開業を検討している人もいるのではないでしょうか。ただし、八百屋で成功するためには入念な準備が必要です。当記事では、八百屋開業のポイントや必要な資格・届出、開業資金の目安、資金調達方法を紹介します。八百屋の開業を検討している方はぜひ参考にしてください。
目次

八百屋を開業する流れと押さえておくべきポイント

八百屋を開業する流れについて、ポイントを踏まえながら解説していきます。
経験を積んでおく
八百屋で成功するには、新鮮で美味しい野菜・果物を見分けるための目利きが欠かせません。新鮮な野菜や果物にはどのような特徴があるのか、どの時期が一番美味しいのかなどを把握した上で仕入れることが大切です。
また、お客様から野菜の保存方法や調理方法を聞かれることもあるでしょう。八百屋としての信頼を得るためには、青果に関する様々な知識や接客におけるコミュニケーションスキルが求められます。加えて、八百屋は早朝から仕事が始まるため、根気や体力も必要です。
まずは市場や八百屋で経験を積み、様々なノウハウとコミュニケーションスキルを学んでおくことをおすすめします。
青果の仕入ルートを決める
一般的に八百屋では、以下のような仕入れ方法があります。
- 卸売市場で仕入れる
- 仲卸市場で仕入れる
- 直接農家から仕入れる
野菜や果物は市場で仕入れるのが一般的です。卸売市場へ足を運べば、プロである卸売業者から、知識や情報を得られるメリットがあります。なお、卸売市場で仕入れするためには買参権が必要です。
また、農家と直接契約して青果を仕入れる方法もあります。インターネットやSNSから農家の情報を集めたり、青果を提供可能な農家を募集したりします。知り合いを通して農家を紹介してもらえることもあるでしょう。
ただし、直接契約の場合、自分の店で販売したい青果を見つけるまでに労力や時間を費やすことになります。天候・気候や災害などの影響で、生産がストップしたり少なくなったりするリスクも視野に入れておく必要があります。
販売ルートを確立する
八百屋の売上を安定させる上では、店頭だけでなく、いくつかの販売ルートを確保しておくと安心です。店頭以外での販売ルートは以下の通りです。
- 飲食店
- 学校
- 動物園
- ネット販売
営業活動が必要となるため、事前に地域のニーズなどを確認しておくとよいでしょう。
物件を見つける
お客様に気軽に足を運んでもらうためにも、八百屋を出店する場所は重要です。
地域リサーチを実施し、時間ごとの人の流れや顧客層、競合店などを考慮した上で最適な立地を見つけましょう。なお、優良な物件探しは時間がかかることもケースが多いため、その他の開業準備と並行して進めていくことをおすすめします。
集客対策を実施する
開業の準備が整ったら、集客対策を行っていきましょう。お客様に認知してもらうためには、開業前から集客施策を実施することが大切です。ポスティングや新聞折込を実施するほか、地域のお祭りやイベントなどに出店して地域住民と交流を深めることも、店舗の知名度向上につながります。
また、店内で季節のフルーツや野菜を使った料理教室や試食イベントなどを開催することも顧客の来店を促す良い方法です。SNSを活用すれば、イベントの情報を効果的に発信することが可能です。
八百屋の開業に必要な資格と届出

八百屋を開業するにあたって必須の資格はありません。しかし、健康需要が広がる昨今、野菜や果物にどのような効能があるのか、どのような活用方法があるのか気になる人も増えてきています。
青果に関する資格を取得しておくことで、知識やコミュニケーションの幅が広がるほか、対外的にも良いアピールになります。青果に関する資格は以下のようなものがあるので、うまく活用しましょう。
- 野菜ソムリエ
- 野菜アドバイザー
- 果物インストラクター
- ベジタブル&フルーツアドバイザー
買参権
卸売市場で青果を仕入れるためには「買参権」が必要です。各市場を運営するオーナーに申請して権利を取得します。買参権を取得することで、競り(セリ)に参加することが可能になります。
ただし、市場によっては、買参権の取得にあたって経験年数や仕入実績などが必要な場合があります。経験年数では「3年以上青果の販売に携わったことがある事業者」が条件であるケースが多く、開業して間もない事業者は直接取引ができません。また、保証金を支払う必要があり、金額は各市場によって異なっています。
開業届
個人事業主として八百屋を開業する場合、開業届を税務署に提出します。開業届の提出期限は所得税法第229条より「事業開始の事実があった日から1月以内に提出」と定められています。開業届を提出しないことによる罰則はありませんが、届出をすることで税制面でメリットがある青色申告を選べるため、必ず提出しておきましょう。
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八百屋の開業資金はどれくらい?

八百屋の開業資金は200万〜300万円が相場となっています。ただし、あくまで目安なので自身の開業に必要なコストをしっかりと計算し、計画的に資金を用意しましょう。
初期費用に加えて、当面の運転資金を用意しておくことも重要です。運転資金には、家賃・仕入れ代・備品類・人件費・光熱費・広告宣伝費などがあります。
特に注意したいのが青果の仕入費です。生ものなので毎日価格が変動し、収益性に大きく影響します。開業直後から売上が軌道に乗るとは限らないため、仮に赤字が数ヶ月続いても事業を維持できるよう、少なくとも6ヶ月分の運転資金を用意しておくのが理想です。
また、仕入れコストを低くするために「規格外品」を仕入れするのも一つの案です。規格外品とは品質に問題ないものの、形や見た目が悪いため廃棄されている品です。安く仕入できるだけでなく、食品ロスの削減につながるといったメリットがあります。
八百屋を開業するときの資金調達方法

自己資金だけで不足する場合は、外部からの資金調達を検討しましょう。ここでは、八百屋を開業するときの資金調達方法について紹介します。
日本政策金融公庫
日本政策金融公庫は、中小企業や小規模事業者を支援することを目的に様々な融資を行っている政府系金融機関です。金利が低く長期返済も可能なため、経営を圧迫しない返済計画を立てやすいというメリットがあり、優先して利用すべき金融機関といえます。
なお、日本政策金融公庫の融資では審査があります。事業計画・自己資金比率など様々な観点から判断し、融資の可否や融資額を判断します。「新創業融資制度」では「創業資金総額の10分の1以上の自己資金を確認できる方」という自己資金要件が設けられています。
制度融資
制度融資は地方自治体・民間の金融機関・信用保証協会の3機関が連携して実施している融資制度です。日本政策金融公庫と同様、審査があります。3機関が関与する分、審査に時間がかかる点には注意が必要です。制度融資を検討する場合は、開業までの日数を逆算して、余裕のあるスケジュールを組みましょう。
補助金・助成金
補助金・助成金は国や地方自治体が支給している補助制度です。税金や雇用保険料が財源となっているため、原則的に返済不要となっています。ただし、補助金・助成金は原則後払いなので、開業前に資金が必要な場合は向いていません。
補助金や助成金は、それぞれに申込要件や上限額が異なります。開業予定地で活用できる補助金・助成金があるかどうかを事前に確認しておきましょう。
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八百屋の開業には必須の資格はなく、費用を抑えて開業することが可能です。ただし、経営を成功させるためには、仕入ルートの確保と物件探し、集客対策など事前の準備が重要になります。また、資金繰り悪化などで急に資金が必要になった際に、すぐに調達できる手段を持っておくことも経営スキルの一つです。
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