2022年10月31日 基礎知識

信用保証協会の保証料とは|仕組みや利用条件、審査のポイントを解説

信用保証協会の保証料とは|仕組みや利用条件、審査のポイントを解説

金融機関から融資を受ける際にスムーズな資金調達をサポートしてくれるのが信用保証協会です。信用保証協会を利用するにあたっては、保証料や審査など知っておくべきポイントがあります。当記事では、信用保証協会の仕組みを解説するとともに、保証料の詳細、利用条件、審査のポイントを紹介します。

目次

信用保証協会とは

信用保証協会とは

信用保証協会とは、小規模事業者や中小企業が融資を受ける際に、「信用保証」をすることでスムーズな資金調達をサポートする公的機関です。

金融機関の直接融資であるプロパー融資では、事業者の返済が滞ってしまったときのリスクは金融機関側が負わなければいけません。貸倒れのリスクを防ぐ上で金融機関側は厳しい基準を設けて審査しているため、実績が少ない創業したての事業者や、経営リスクが大きいとされる小規模事業者、中小企業が融資を受けるのは難しいといわれています。

信用保証協会が保証人となることで、万が一、事業者が返済できなくなった場合は信用保証協会が事業者の代わりに返済する代位弁済の仕組みが適用されます。金融機関側が負うリスクが軽減されるため、プロパー融資では審査に通過できない小規模事業者や中小企業でも、信用保証協会の保証付きという条件で借入できるようになります。

信用保証協会の保証料とは

信用保証協会の保証料とは

信用保証協会の保証を受けるためには、保証料を払わなければいけません。保証料は以下の項目によって決定します。

  • 借入金額
  • 借入期間
  • 保証率
  • 支払い方法
  • 分割係数 

保証率

保証率は、経営状況に応じた9区分の保証料率から適用されます。中小企業信用リスク情報データベース(CRD)により事業の決算内容を評価し、料率の区分を決定します。

さらに、利用する保証が責任共有制度の対象かどうかで適用される料率が変わります。責任共有制度とは原則100%保証であった保証付融資に関して、一部の保証制度を除き、金融機関が一定のリスクを負担する制度です。

責任共有対象外となる保証は、経営安定関連保険(1号〜4号及び6号)、災害関係保険、創業関連保険などが含まれます。以下の図は無担保で利用した場合の料率です。

区分
責任共有対象 1.90 1.75 1.55 1.35 1.15 1.00 0.80 0.60 0.45
責任共有対象外 2.20 2.00 1.80 1.60 1.35 1.10 0.90 0.70 0.50

支払い方法

保証料の支払い方法は、一括返済と均等分割返済の2つがあります。原則的には一括で返済する必要がありますが、保証期間が2年(当座貸越根保証は1年)を超える場合には、分割して返済することも可能です。分割返済の場合は、信用保証料の総額に分割係数を乗じた額を支払う必要があります。

分割係数

分割返済の場合は分割係数が適用されます。分割返済は年々保証料の残高が減少することを考慮し、分割係数を適用して信用保証料の負担を軽減しています。分割返済回数に応じて、以下の係数が適用されます。

分割返済回数 6回以下 7〜12回 13〜24回 25回以上
均等分割返済係数 0.70 0.65 0.60 0.55
不均等分割返済係数 0.77 0.72 0.66 0.61

均等分割返済は毎回の返済金額がすべて同額で、返済間隔も等間隔のものを指します。不均等分割係数は均等分割返済に該当しないものを指します。

保証料の計算方法

保証料は、借入金額、借入期間、保証率、支払い方法、分割係数を踏まえた上で算出されます。 

【一括返済の場合】
貸付金額×信用保証料率×保証期間(月数)/12
【分割返済の場合】
貸付金額×信用保証料率×保証期間(月数)/12×分割係数

なお、分割返済では据置期間を設けることが可能です。据置期間とは、元金の返済が発生せず、利息のみを支払う期間を指します。据置期間がある分割返済の場合は、据置期間部分と分割返済部分に分けて計算し、その合計額となります。

【据置期間部分】
据置期間部分貸付金額×信用保証料率×据置期間(月数)/12
【分割返済部分】
貸付金額×信用保証料率×分割返済期間(月数)/12×分割係数

信用保証協会の審査とは

信用保証協会の審査とは

信用保証協会には審査があり、保証を受けるには審査に通過する必要があります。利用条件や審査のポイントを押さえた上で準備を進めましょう。

利用条件

信用保証協会の保証制度は小規模事業者や中小企業を対象とした制度です。保証を利用するためには、以下の3つの基準を満たす必要があります。

  • 企業規模
  • 業種
  • 区域・業歴

企業規模

業種によって資本金と従業員数の限度が定められています。資本金または常時在籍している従業員数のいずれか一方が、該当している事業者が対象です。

業種 資本金 従業員(小規模事業者)
製造業・建設業・運輸業 3億円以下 300人以下(20人以下)
卸売業 1億円以下 100人以下(5人以下)
小売業 5,000万円以下 50人以下(5人以下)
サービス業 5,000万円以下 100人以下(5人以下)
ゴム製品製造業 3億円以下 900人以下(20人以下)
ソフトウェア業または情報処理サービス業 3億円以下 300人以下(20人以下)
旅館業 5,000万円以下 200人以下(20人以下)
医療法人等 300人以下(20人以下)

業種

ほとんどの商工業の業種は保証対象となるものの、農林漁業や金融業、学校法人など一部の業種は保証対象外となります。

区域・業歴

信用保証協会の管轄区域で事業を営んでいる必要があります。登記上の所在地というだけでなく、事業実態があることが条件となります。

審査のポイント

信用保証協会の審査では、経営者に返済能力があるか、事業の収益性があるかなど総合的に判断した上で保証の可否を決めます。

とくに信用保証協会の審査では、事業計画が重視されています。事業の課題とそれに対する改善策などの事業計画が整理されていることで、融資担当者側が事業性や成長性を評価しやすくなるためです。担当者に納得してもらうためにも、わかりやすく説得力のある事業計画を作成することが重要です。

事業計画の内容が不安な場合や借入金額が妥当か気になる場合は、専門家へ相談してみるのもひとつの方法です。

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信用保証協会を利用することで、融資のハードルが下がるというメリットがあります。しかし、信用保証協会を利用するためには、審査に通過し、かつ保証料を支払う必要があるということに留意しておく必要があります。

また、銀行融資以外にも、補助金・助成金、ファクタリングなど、資金を調達する方法は複数あります。事業の状況や条件にあわせて資金調達方法を検討することも経営に必要なスキルのひとつです。

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