スナック開業の流れと押えておきたいポイント|必要な届出や資金調達方法を紹介

スナックは比較的少ない資金で開業できるのがメリットです。特別なスキルがなくても接客術さえあれば、独立開業できます。しかし、スナックの開業で成功するためには、事前の準備が肝要です。
当記事では、スナックの開業に必要な資格や手続き、資金調達方法について紹介します。スナック経営を検討してる人はぜひ参考にしてください。
目次
- スナックを開業する流れと押さえておくべきポイント
- スナックの開業に必要な資格と届出
- スナックの開業資金はどれくらい?
- スナックを開業するときの資金調達方法
- 「freee資金調達」で最適な資金調達方法を見つけよう

スナックを開業する流れと押さえておくべきポイント

スナックを開業する流れについて、押さえておきたいポイントを踏まえながら解説していきます。
コンセプトを決める
スナックを開業する上で重要なのが、サービスの方向性を決めるコンセプトです。コンセプトは、お店の雰囲気や出店場所、価格帯を決める際の指針となるものです。コンセプトが明確であれば、他店との差別化も図りやすくなります。
また、スナックのコンセプトを決める際は「接待行為の有無」に気をつけなければいけません。詳しくは後述しますが、接待行為を行うかどうかで、お店の内装や必要な届出が異なります。接待を伴う営業を行うかどうかも検討した上で、ターゲットや料金など具体的な内容を決定しましょう。
出店場所を決める
コンセプトやターゲットにあわせて出店場所を決めます。一般的に、飲食店は人通りが多い駅前や繁華街が好立地とされています。ただし、スナックでは人通りの少ない場所の方が落ち着いていて魅力的に感じる場合もあります。コンセプトやターゲットによって最適な選択が変わるため、入念に検討しましょう。
出店場所を決める際は、アクセスや周囲の環境など、しっかり情報収集を行うことが重要です。また、スナックは地域によって営業ができる場所が限られています。店舗所在地が営業可能な地域かどうか、用途地域を確認しておきましょう。
宣伝活動を行う
お店の認知度を高めるための宣伝活動は重要です。常連客が増えれば、安定した経営につながります。開業前からしっかりと宣伝活動を行い、お店の認知度を上げておきましょう。
以下に代表的な宣伝方法をまとめましたので、参考にしてください。
- ホームページの作成
- ポータルサイトへの掲載
- Googleマイビジネスに登録
- InstagramなどのSNSの開設・情報の発信
- ポスティング
- 知人・友人からの紹介
スナックの開業に必要な資格と届出

スナックを開業するためには、資格を取得したり、各所に届出を提出したりする必要があります。営業スタイルによって必要な資格や届出が異なるので、事前に確認しておきましょう。
食品衛生責任者
飲食店を営む経営者は1店舗につき最低1名の食品衛生責任者を置かなければいけません。各都道府県の食品衛生協会が実施している食品衛生責任者講習会を受講することで取得が可能です。栄養士、調理師、製菓衛生師等の資格を持っている方は、受講しなくても取得することができます。
飲食店営業許可
飲食店を営業するには飲食店営業許可が必要です。食品衛生責任者を取得した後、保健所に営業許可を申請します。以下、営業許可証を取得するまでの流れです。
- 保健所に事前相談する
- 営業許可申請書を出す
- 保健所の施設検査を受ける
- 営業許可書の交付を受ける
防火管理者
店舗の収容人数(従業員を含める)が30人以上の場合は、防火管理者の配置が義務付けられてます。防火管理者は、都道府県知事や消防長などが行う講習会を1〜2日受けることで取得できます。
深夜酒類提供飲食店営業許可
深夜営業(午前0時以降)以降も酒類を提供する場合は、深夜酒類提供飲食店営業許可が必要です。届出のないまま営業してしまうと、罰則・罰金などが科せられます。最悪の場合は、最大6ヶ月の営業停止を命じられることもあるので注意してください。
該当する場合は、開業予定日の2週間前を目安に店舗所在地を管轄する警察署に届け出ましょう。
風俗営業許可
接待行為を伴うスナックを営業する場合は、風俗営業(社交飲食店)の許可を取る必要があります。「接待」は、風営法では歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすことをいいます。具体的に以下のような行為は「接待」に該当するとされています。
- 客との談笑やお酌をする
- 客とのカラオケでデュエットをする
- ダーツなどのゲームを一緒に楽しむ
- 歌やダンス、ショーを鑑賞させる
都道府県によって許可が下りるまでの期間は異なりますが、申請日から50〜60日程度かかります。開業予定日の2ヶ月前を目安に店舗所在地を管轄する警察署に届け出るようにしましょう。
なお、風俗営業許可を取得した場合、深夜営業ができなくなることに注意してください。これは、地域の治安や環境を守るためです。どのようなサービスを提供していくかを考慮してから手続きを進める必要があります。
また、資金調達に関しても融資が厳しくなる可能性があり、留意しておく必要があります。とくに日本政策金融公庫や保証協会は公的機関のため、業態によっては融資の対象外となることがあります。事前に確認しておきましょう。
開業届
スナックを開業する場合は、税務署に開業届を提出しなければいけません。開業届を提出することで青色申告が可能になり、最大65万円の所得控除を受けられるなど税制面でのメリットがあります。開業届の提出期限は開業してから1ヶ月以内です。忘れずに提出しておきましょう。
スナックの開業資金はどれくらい?

スナックの開業資金は、事業規模や出店スタイルによって異なりますが、一般的に500万円から1,000万円が相場といわれています。以下にスナックの開業にかかる費用の内訳をまとめました。あくまで目安となるので、開業に必要な費用は入念に試算しましょう。
費用 | 金額 |
---|---|
物件取得費 | 150万円〜300万円 |
内装・外装工事費 | 100万円〜200万円 |
厨房設備費 | 50万円〜200万円 |
什器・食器 | 30万円〜100万円 |
広告宣伝費 | 5万円〜30万円 |
開業してからすぐに経営が軌道に乗るとは限りません。そのため、十分な資金を準備するのが難しい場合は、できるだけ初期費用を抑えて運転資金に回すことが重要です。居抜き物件を借りれば、厨房設備や内装工事などの費用を大幅に削減できるので、検討してみるとよいでしょう。
運転資金は、お店を継続するために必要な資金です。お店の売上に関わらず、家賃・光熱費・人件費などの固定費は毎月発生します。仮に売上がゼロであってもお店が継続できるように、3ヶ月分から6ヶ月分の運転資金を用意しておくようにしましょう。
スナックを開業するときの資金調達方法

スナックを開業するためには、開業資金が必要です。融資や補助金などを活用することで、足りない資金を補うことができます。資金調達の内容はそれぞれ異なるので、目的や金額に応じて最適な方法を検討することが大切です。ここでは、スナックを開業するときの資金調達方法を3つ紹介します。
日本政策金融公庫
スナックの開業で優先して検討したいのが、日本政策金融公庫の融資です。日本政策金融公庫は国が100%出資している金融機関であり、中小企業や小規模事業者の支援を目的に社会のニーズに対応して幅広く融資を行っています。
開業当初は実績がないため、民間の銀行での融資が受けられないというケースがあります。そうした創業者に対しても積極的に融資を行っています。
日本政策金融公庫の融資は、他の金融機関に比べて金利が低いのが特徴です。また、担保・保証人が不要かつ長期的に借り入れることができるため、創業したばかりの経営者にとって利用しやすい融資です。
補助金・助成金
補助金・助成金は、国や地方自治体から支給されるお金で、原則返済の必要がありません。目的や状況によって、様々な種類の補助金や助成金が募集されています。常に情報収集を行い、自分が申し込める補助金や助成金がないかを確認しておきましょう。
クラウドファンディング
クラウドファンディングは、インターネットを活用した資金調達方法です。新規事業や商品・サービスに関するプレゼンを行い、内容に共感・賛同してくれた人から資金を集めます。業種や規模を問わず、誰でも資金調達できるのがクラウドファンディングのメリットです。
資金調達以外にも、商品・サービスの宣伝、ファン作り、テストマーケティングなど様々な目的で利用されています。
提供元となるクラウドファンディングサービスはいくつかあり、「CAMPFIRE」や「Makuake」などがよく知られています。それぞれにサービス内容や得意とする分野が異なるため、自分の事業にあったクラウドファンディングサービスを選びましょう。
「freee資金調達」で最適な資金調達方法を見つけよう

スナックの開業では事前の準備が非常に重要です。コンセプトに応じて必要な資格・届出が異なるため、まずは「どのようなスナックをやりたいのか」「どのようなサービスを提供したいのか」コンセプトを具体的にすることがスナック開業の成功の鍵となります。
また、スナックを開業するためには資金が必要です。それぞれの資金調達方法の特徴やメリット・デメリットを十分に把握した上で、事業目的や経営スタイルに合った方法を検討しましょう。
適切な資金調達方法が判断できない場合は、「freee資金調達」を活用するのがおすすめです。「freee資金調達」では、Web上に条件を入力するだけで、ファクタリングや銀行融資、補助金など様々な資金調達手段から最適なものを見つけられます。
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