トリミングサロン開業の流れ|必要な資格や届出、資金調達方法を紹介

大好きな動物を綺麗にできるトリマーは、ペット関連の中でも人気の職業です。トリミングサロンを開業したいけれど、具体的にどのような準備が必要かわからないという方もいるでしょう。当記事では、トリミングサロンを開業する流れや押さえておきたいポイント、資格・届出、資金調達方法を紹介します。
目次
- トリミングサロンを開業する流れと押さえておくべきポイント
- トリミングサロンの開業に必要な資格と届出
- トリミングサロンの開業資金はどれくらい?
- トリミングサロンを開業するときの資金調達方法
- 資金調達方法を効率よく見つけられる「freee資金調達」

トリミングサロンを開業する流れと押さえておくべきポイント

トリミングサロンを開業する際の流れについて、ポイントを踏まえながら解説していきます。
トリマーとしての経験を積んでおく
ペットに安心してトリミングを受けてもらうためには、トリマーとしての技術と知識があることが前提です。ペットサロンや動物病院などでトリマーとしての経験を十分に積んでおくことをおすすめします。
なお、トリミングサロンを開業するためには「動物取扱責任者」の資格が必要であり、取得要件として6ヶ月以上の実務経験が設けられています。トリミング技術があれば指名客を確保することができ、安定した売上につながります。トリマーとしての技術を磨き、他店との競争力をつけましょう。
開業スタイルを決める
トリミングサロンには、以下のような開業スタイルがあります。
- 店舗型サロン(ペットサロン)
- 自宅サロン
- 出張・移動型サロン
- 併設型サロン(シェアサロン)
自宅サロンは家賃や物件取得がかからないのがメリットです。ただし、家族や近隣住宅への配慮が必要です。自宅に騒音対策を施す、開業する旨を近隣の方に伝えるなど、理解を得られるよう努めましょう。
出張・移動型サロンは、ペットを飼っている家庭に訪問したり、ワゴン車などを利用して車内でトリミングを行います。店舗を持たないため、資金を抑えて開業することが可能です。
どの開業スタイルを選ぶかによって初期費用が変わってきます。どのような開業スタイルで行うか、費用なども考慮しながら慎重に検討しましょう。
集客対策を徹底する
より多くのお客様にトリミングサロンの存在を知ってもらうためには、集客対策を徹底することが大切です。開業前から集客対策を行うことで、認知度を高められます。具体的な施策は以下の通りです。
- ホームページの作成
- Googleマイビジネスの登録
- メディアや雑誌への掲載
- リスティング広告
- SNSの開設・発信
- ポスティングや新聞折込み
- 貼り紙・ポスター
SNSは基本的に無料で始めることができ、店舗の認知を広めるのに役立つため積極的に活用したいとこころです。トリミングの様子や店舗の写真を投稿するなどしてアピールしましょう。
トリミングサロンの開業に必要な資格と届出

トリミングサロンを開業するためには、いくつかの資格と届出が必要です。
動物取扱責任者
動物取扱責任者は、動物愛護法の定める施設やサービスを管理する責任者のことです。
動物の繁殖・飼育・展示・売買・保管などを行う業態は、1店舗につき最低1名の動物取扱責任者を選任しなければいけません。なお、動物取扱責任者は常駐の人が対象であるため、他の店舗と兼任することはできません。
動物取扱責任者になるためには、次の要件のいずれかに該当する必要があります。
- 獣医師
- 愛玩動物看護師
- 実務経験(6ヶ月以上)+所定の教育機関を卒業
- 実務経験(6ヶ月以上)+動物に関する資格を取得
例えば、要件を満たしている大学や専門学校を卒業した後、トリミングサロンやペットホテルで6ヶ月以上の実務経験を積めば、動物取扱責任者の資格を取得することが可能です。
第一種動物取扱業登録の届出
動物取扱責任者を取得したら、第一種動物取扱業登録の届出を提出します。第一種動物取扱業登録は販売・保管・貸出・訓練・展示・競りあっせん・譲受飼養の7種類に分類され、トリミングサロンは「保管」に該当します。
トリミングサロンを始める方は営業開始前に第一種動物取扱業の登録を受けなければいけません。申請手数料は15,000円前後。申請先は保健所や動物愛護センターなど、地域によって担当部署が異なるため、事前に保健所に確認しておきましょう。
開業届
トリミングサロンを開業する場合は、税務署に開業届を提出する必要があります。
開業届と一緒に青色申告承認申請書を合わせて提出することで、最大65万円の所得控除を受けられるなどのメリットを得られます。提出期限は開業から1ヶ月以内となっているので、ぜひ提出するようにしましょう。
トリミングサロンの開業資金はどれくらい?

トリミングサロンの開業にかかる費用は、出店場所によって大きく異なります。以下に、トリミングサロンの開業にかかる費用の内訳をまとめしました。あくまでも目安として参考にしてください。
費用 |
金額 |
---|---|
物件取得費(※自宅サロンの場合は不要) |
30万円〜60万円 |
内装・外装工事費 |
20万円〜200万円 |
トリミングに使う道具や設備(ドックバス、トリミングテーブルなど) |
20万円〜40万円 |
シャンプー、タオルなどの消耗品 |
5万円〜10万円 |
広告宣伝費 |
5万円〜30万円 |
開業資金を試算するときは、初期費用に加えて運転資金を考慮する必要があります。運転資金とは事業を継続していくために必要な資金のことです。具体的には人件費、家賃、管理費・共益費、水道光熱費などが挙げられます。これらのコストは、売上と関係なく毎月発生するものです。
開業から間もないうちはなかなか集客できず、売上が安定するまで時間がかかることがあります。余裕のある運営を行うためには、最低でも6ヶ月分の運転資金を用意しておくことをおすすめします。
トリミングサロンを開業するときの資金調達方法

開業のための自己資金が足りない場合は、融資や補助金などを活用することも検討しましょう。ここでは、トリミングサロンを開業するときの資金調達方法を紹介します。
日本政策金融公庫
日本政策金融公庫は国が100%出資している政府系金融機関です。様々な融資制度を提供しており、低金利かつ長期返済が可能というメリットがあります。
とくに「新創業融資制度」は、これからトリミングサロンを開業する方が優先して検討すべき融資制度です。新たに事業を始める方や事業を開始して間もない事業者が対象で、無担保・無保証人で最大3,000万円(うち運転資金1,500万円)の融資を受けることができます。
なお、日本政策金融公庫の審査では、事業計画・自己資金比率・信用情報など様々な視点から融資すべきかが判断されます。例えば、自己資金比率では「創業資金総額の10分の1以上の自己資金を確認できること」という要件があります。開業への熱意を示すためにも、計画的に開業資金を貯めておくことも大切です。
制度融資
制度融資とは、地方自治体、民間の金融機関、信用保証協会が連携して提供している制度です。中小企業や小規模事業者の資金調達の円滑化を目的としています。
制度融資は金利が比較的低く長期返済も可能なため、これから開業する方や無理のない返済計画を立てたい方は、検討したい制度です。
ただし、制度融資では金融機関・地方自治体・信用保証協会の3機関が関与するため、それぞれの機関で審査や書類が必要となり、時間と手間がかかる点に注意が必要です。また、自治体によって、内容や条件が異なる点にも注意が必要です。自社の所在地を管轄する自治体にはどのような制度融資制度があるのか、事前に確認しておきましょう。
補助金・助成金
国や地方公共団体によって様々な種類の補助金・助成金が提供されています。たくさんの種類があり、それぞれに申請要件や内容が異なるので、自社が活用できる補助金・助成金がないか確認してみましょう。
補助金・助成金は返済不要のお金ですが、原則後払いである点に留意しておきましょう。国や地方公共団体が指定する補助事業の完了報告後に支払われるという流れが一般的です。初期費用などの準備資金として最初に受給することはできないため、すぐに資金が必要な場合は他の資金調達方法を検討する必要があります。
資金調達方法を効率よく見つけられる「freee資金調達」

トリミングサロンを開業するためには、資格や届出が必要となります。円滑なスタートを切るためにも、開業前の準備は徹底して行うことが大切です。開業スタイル・集客対策、必要な資金をしっかりと検討し、理想のトリミングサロンを実現していきましょう。
また、開業のための自己資金が足りない場合は、融資や補助金を活用するのも一つの案です。事前に利用できる資金調達方法を把握しておけば、資金が必要になったときに慌てず対応することができます。効率的に資金調達方法を探す手段として「freee資金調達」を紹介します。
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・一度入力した情報は保存されるので、また資金が必要になった際にもすぐに調達手段を確認できる
freee資金調達は無料で利用できます。「資金を調達したいけれど、自社に適した調達手段がわからない」という方は、ぜひfreee資金調達を活用し、融資選定や資金繰りにお役立てください。
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