2022年6月30日 基礎知識

手形貸付とは|概要やメリット、約束手形の現状について解説

手形貸付とは|概要やメリット、約束手形の現状について解説

金融機関が行う融資には様々な種類があります。手形貸付は金融機関が行う貸付の一つで、手形を担保として融資を受ける方法です。手形貸付は短期融資で活用されていますが、経済産業省では2026年までに約束手形を廃止する方針を出しています。

当記事では、手形貸付の概要やメリット・デメリット、約束手形の現状について解説していきます。

目次

手形貸付とは

手形貸付とは

手形貸付は、約束手形を振り出すことでお金を借りる方法です。約束手形とは、期日までに所定の金額を支払うことを約束する有価証券の一種です。書面には、金額・支払期日・受取人・振出日などを記載します。

手形貸付は、基本的に1年以内に返済する短期貸付であり、主につなぎの運転資金を調達したい場合などに用いられる方法です。なお、手形貸付で融資を受けるには「当座預金口座」の開設が必須であり、各金融機関の審査を受けなければいけません。

手形貸付のメリット・デメリット

手形貸付のメリット・デメリット

手形貸付には、メリットとデメリットがあります。これらをきちんと把握した上で、事業の目的や状況に適しているかを考えながら検討するようにしましょう。

手形貸付のメリット

手形貸付には3つのメリットがあります。

審査が早い

手形貸付は手形が担保になっているため、他の融資に比べて審査項目が少なく、提出する書類も少ないなど手続きに時間がかかりません。そのため、審査が完了するまでの期間が短いというメリットがあります。

資金繰りに役立つ

手形融資は1年以内の短期融資のため、主に経常運転資金やつなぎ資金など短期の資金繰りに利用されます。取引先から入金があるまでの期間に資金が必要になった場合など、すぐに資金調達できる点は大きなメリットといえます。

印紙税が安い

手形貸付では、印紙税が安いこともメリットです。印紙税法では、書類1通ごとに印紙を貼ることが定められています。証書貸付の借用書(金銭消費貸借契約書)では、貸手と借手の2つの借用書を作成する必要があり、2つの収入印紙が必要となります。例えば、1,000万円の借入では2万円(1万円×2)がかかります。

手形貸付で使われる約束手形も印紙税の対象となっていますが、借用書より印紙税は安くなっています。500万円の借入で2,000円、1,000万円の借り入れで4,000円で済みます。

手形貸付のデメリット

手形貸付には2つのデメリットがあります。

企業の信用力が求められる

手形貸付は、約束という信用のもとで成り立っています。他の融資と異なり、手形だけで融資を受けることが可能なので、信用度の低い企業は審査を通過することは難しいでしょう。

審査では短期間での返済能力があるかどうかを企業の財務状況などから判断します。財務状況が良いときに申し込むなど、タイミングや状況を見ながら検討するようにしましょう。

長期的な融資は受けられない

手形貸付は1年以内の短期融資であるため、設備投資などの高額かつ長期的な資金調達としては向いていません。ただし、返済期日に同額の手形貸付を行い、返済を繰り延べることは可能です。

約束手形は2026年までに廃止する方針

約束手形は2026年までに廃止する方針

短期融資で利用される手形貸付ですが、経済産業省は2026年までに約束手形を廃止する方針を発表しました。経産省の検討会では、約束手形の支払いサイト(支払期日までの期間)の長さを問題視しています。

業種によって様々ですが、約束手形の支払いサイトは30日から120日までです。これに掛取引の支払いサイトも加わるので、非常に長い支払いサイトになります。

支払う側としては、支払いの猶予期間を伸ばせるのが大きなメリットです。一方で回収する側としては、確定した利益を受け取るのにかなりの期間を待たなければいけません。そのため猶予期間中は現金化できず、資金繰りの負担になる恐れがあります。このほかにも約束手形の問題点として、印紙税や保管コストの負担、紛失のリスクなどが挙げられます。

こうした背景から、経済産業省は2026年までに約束手形の取り扱いを廃止する方針を固めました。政府は代替手段として、インターネットバンキングや電子記録債権(電子手形)の活用を促すとしています。

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手形貸付は、つなぎ資金や季節資金など短期間の資金調達に役立ちます。しかし一方で、中小企業の資金繰り悪化を招きやすい商習慣であることから、経済産業省は2026年を目処に約束手形を廃止する方針で進めています。今後の資金調達を考慮し、様々な資金調達を見つけておくことが重要です。

手形貸付以外にも、証書貸付や当座貸越などの借入もあります。これをうまく組みわあわせて活用し、安定した資金繰りができるように心掛けていきましょう。

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