パン屋の開業|失敗しないための準備と資金調達方法をご紹介!

「パン屋を開業したい」「兼業でやってみたい」と思っていても、実際には何から始めればいいのかわからないという人も多いのではないでしょうか。パン屋開業で成功するためには、開業前の計画と資金繰りが重要になってきます。
本記事では、パン屋を開業するために必要な資格や手続き、資金調達方法、資金繰りのコツについてご紹介します。これからパン屋を開業する人はもちろん、 パン屋の開業を検討している人はぜひ参考にしてください。
目次
- パン屋の開業にあたって押さえるべきポイント
- パン屋の開業に必要な資格と手続き
- パン屋の開業にかかる費用の目安
- パン屋を開業するときの資金調達方法
- 融資審査に通るためのポイント
- 開業後の資金繰りのコツ
- 「freee資金調達」で最適な資金調達方法を見つけよう

パン屋の開業にあたって押さえるべきポイント

パン屋を開業するにあたって重要なポイントは、下記の4つです。
・コンセプトは明確か
・技術や経営ノウハウはあるか
・採算が取れる価格設定であるか
・目的意識はあるか
コンセプトは明確か
開業する上で、まず「どんなお店にしたいか」というお店のコンセプトを決める必要があります。コンセプトを決めることで、それに沿ったお店の内観・外観、必要な費用など、開業までの具体的なプランが見えてくるので、準備も進めやすくなります。
また、コンセプトを決める際は、他店との差別化も意識しましょう。例えば、競合ひしめく地域にお店を構える場合、お店の強み、つまり他店との差別化ポイントを作らなければ、集客できずに売上不振に陥ってしまう可能性が高まります。
「高品質だけれど低価格のパン」「肉や野菜をふんだんに使ったボリューム満点のパン」「パンを買うとこだわりのコーヒーが無料でついてくる」など、他店にはない独自のメニューやサービスを打ち出す必要があります。実際に自分の足でパン屋を巡り、他店の特徴を調査・分析をしてみるのも良い方法です。
技術はあるか
当たり前ですが、パン屋を開業するなら職人によるパン作りの技術が必要です。しかし、パン作りは決して簡単ではありません。生地をこねる時の空気の入れ方、気温や湿度に応じた焼き加減の調節など、一つひとつの工程にそれ相応の技術が求められます。
毎日味が違うパンでは、お客様はリピートしてくれません。これらの製パン技術を習得するまでには数年、長くて10年かかるといわれています。安定した品質で提供できるよう、技術を磨く必要があります。
経営ノウハウはあるか
パンの製造以外にも、お店を運営するには接客・販売や在庫管理、商品開発、マネジメントなど様々な業務が必要です。オープン予定日から逆算して、資格やスキル習得などをスケジュールに落とし込み、計画的に取り組みましょう。
採算が取れる価格設定か
パン屋で利益を出していくためには、採算が取れる価格設定も重要なポイントです。店舗運営では家賃や光熱費、人件費、ほか諸経費などの運用コストが毎月かかるため、利益を出せるか入念にシミュレーションする必要があります。
良いものを提供しようと原価が高くなってしまったり、お客様に気軽に買ってほしいからと売価を安くしすぎると、採算が合わなくなってしまいます。コンセプトと照らし合わせながら、妥当な価格はどれくらいなのか検討しておきましょう。
目的意識があるか
パン屋の職業柄、朝は早く、体力も使います。そのため、志半ばでパン屋の開業をあきらめる人も少なくないのが現状です。「何のために開業をするのか」という目的を明確に持って開業準備をしましょう。
パン屋の開業に必要な資格と手続き

パン屋を開業するには、下記の資格や手続きが必要になります。
・食品衛生責任者
・菓子製造許可
・飲食店営業許可(カフェスペースがある場合、保健所に確認必要)
食品衛生責任者
パン屋に限らず食品を取り扱う場合、「食品衛生責任者」は必ず取得しなければいけない資格です。この資格を持つことで、正しい衛生管理知識を持って店舗を管理していることの証明になります。
菓子製造許可
製造したケーキやパンをテイクアウトで販売する場合は、管轄の保健所に申請して「菓子製造業許可」をとる必要があります。法律上、菓子パンや食パン、中にクリームなどが入っているパンは「菓子」の区分に該当します。
菓子に該当するパンを製造・販売する店舗は、施設・設備の基準に適合している必要があり、厨房の工事が別途必要になるなど想定外にコストがかかってしまう可能性があるため注意が必要です。基準は自治体によって異なるため、管轄の保健所に確認するようにしましょう。
飲食店営業許可
飲食店営業許可とは、飲食店を開業するにあたって必要な許可です。店内にカフェスペースなどを設けてパンを食べてもらう場合は、「飲食店営業許可」が必要となる場合があります。事前に保健所に問い合わせて確認しましょう。
飲食店営業許可を取得するには、以下の要件を満たす必要があります。
・食品衛生責任者を置くこと
・保健所の施設検査
・営業許可書の取得
以下に飲食店営業許可の詳細をまとめましたので、参考にしてください。
届出期間 |
店舗が完成する2週間~3週間前までが目安 |
---|---|
届出先 |
店舗所在地管轄の保健所 |
必要書類 |
・営業許可申請書 |
パン屋の開業にかかる費用の目安

立地や事業形態、規模によって変わりますが、パン屋の開業初期費用は数百万円から1,000万円以上かかると考えておきましょう。以下、パン屋の開業にかかる際の費用の目安です。
費用 |
金額 |
---|---|
物件取得費 |
100万円〜300万円 |
厨房設備費 |
100万円〜600万円 |
内装・外装工事費 |
100万円〜300万円 |
広告宣伝費 |
10万円〜 |
パン屋を開業するときの資金調達方法

パン屋は他の飲食店に比べて様々な厨房設備を必要とするため、費用がかさみがちです。ここでは、開業に必要な資金の調達方法を3つ紹介します。
・貯金
・日本政策金融公庫
・助成金や補助金
貯金
まずは開業資金用の口座を開設し、自分で資金を貯めましょう。自己資金は多いに越したことはありません。開業後の運転資金として必要になるほか、創業融資を受けることを考えると、開業にかかる費用の3分の1程度の自己資金を用意することが理想です。
日本政策金融公庫
一般的に新規事業者は実績がほぼないため、民間の金融機関で創業融資を受けるのは難しくなっています。日本政策金融公庫は日本政府が100%出資する金融機関で、個人事業主や中小企業への融資を積極的に行っています。
日本政策金融公庫の「新創業融資制度」は、希望融資額の10分の1以上の自己資金を持っていれば融資を受けられる可能性があります。無担保・無保証で借入ができ、金利が低いというメリットもあるので、創業時の融資を検討する際の第一選択になります。
助成金や補助金
助成金や補助金は、融資とは異なり返済のない資金調達方法です。「助成金」は、一定の要件を満たしていれば申請することで受給できます。
対して「補助金」は、要件が自治体ごとに異なっていて、定員や補助金額があらかじめ決まっているケースが多くなっています。要件を満たしていない場合や補助金の趣旨に合致しない場合は審査に通りません。
また、補助金は原則後払いです。実施後の報告書類を提出しなかったり、検査に通らなかったりすると受け取れない可能性があるので注意が必要です。
融資審査に通るためのポイント

金融機関によって融資審査の基準は変わりますが、以下に審査に通るためのポイントを整理しました。
自己資金があるか
融資審査では、まず経営者の自己資金額を見ます。当然ながら、融資額が大きくなるほど返済する金額が増え、返済期間も長くなります。自己資金がまったくない状態では資金繰りが悪化する可能性が高まるため、審査では重きを置くポイントとなっています。また、金融機関によっては、経営者の計画性を見る上での判断材料とするケースもあります。
知識や技術はあるか
審査担当者は、パン屋としての成長性を見るために経営者の過去の経験や実績、パン屋としての技術・知識も合わせてチェックします。パン屋の経営・運営に活かせる経験や資格を事業計画書などで、しっかりアピールすることも大切なポイントです。
事業計画に将来性はあるか
創業時の融資では、売上・利益の見込みや資金使途を具体的にした事業計画書が必須です。また、審査では書類だけではなく、経営者の「人柄」や「開業への想い」も見ています。
創業前の融資は、いわば「将来性」に期待した投資です。しっかりお店を続けていける人物か、返済の責任をしっかり果たせる人物かを見極めています。審査担当者に良い印象を与えるためにも、自分が思い描くお店の未来像をイメージしてもらえるような事業計画とプレゼンが重要になっていきます。きちんと準備をして審査に臨みましょう。
開業後の資金繰りのコツ

事業計画をしっかり考えて開業したとしても、経営がすぐに軌道に乗るとは限りません。売上が思うように伸びないときは、待ちの姿勢ではなく、広告などの宣伝活動や季節限定商品で注目を集める、イベントを行うといった施策を展開するなどして売上拡大に努めることが大切です。
また、コストを抑えることは資金繰りを安定させる上で極めて重要です。無駄な経費はないか、効率性を下げていることはないか、常に考え改善していくのも経営者に求められることの一つと心得ておきましょう。
売上拡大に取り組むと同時に、コストを抑えるなどして資金をコントロールする必要があります。
「freee資金調達」で最適な資金調達方法を見つけよう

パン屋を開業するには、事前の準備と資金繰りが重要になってきます。とくに安定経営を目指す上では、資金繰りをうまく行っていく必要があります。急に資金が必要になった際に、すぐに融資を受けられる融資先を見つけておくと安心です。
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